たまに新聞の書籍広告欄で「人間ドックは不要」みたいなのを見かける。
中身はみたことが無いけれど、よほどオカネに困窮していなければ人間ドックはやったほうが良い。
・「人間ドックは不要」という考え方がどのようなものか妄想してみる。
1)普通に受診したら保険診療で検査してもらえるのに、自費で検査するなんて馬鹿馬鹿しい。
まず最初に思いつくのは、「人間ドックなんて高いカネを払ってやる必要はない。普通に受診したら良い」っていう考え方。でも、症状なしに、出鱈目に素人考えで検査を希望して、人間ドックの検査項目を全てやろうとしたら何回通院することになるの?
病院に行くのに近所のクリニックを受診して紹介状を書いてもらっても、そこに書いてある病名(内容)に関する検査しかしないでしょ。肝疾患,腎疾患,心疾患,生活習慣病,腫瘍,骨粗鬆,前立腺or子宮/卵巣,肺機能,眼圧/眼底,聴力検査など全ての検査をするのに、紹介状を何回も貰って、何日間も病院に通うっていうのは現実的じゃない。
人間ドックなら、まぁ半日くらいでやってもらえる。だったら、人間ドックで良いじゃん。
2)人間ドックで異常を見つけるのは難しい
「人間ドックで異常なし」はあんまり信頼できないという考え方。まぁ、確かにそのような一面はある。人間ドックで異常がなくても半年後に倒れちゃうひともいる。「人間ドックは無駄」って自慢げに言ってるひとは、「人間ドックで早期癌はみつけにくい」ことを挙げてるけど、それどころじゃない。病院に来たときの心電図で異常がなくても、半年後に不整脈で倒れることもある。人間ドックは、「病院に来た瞬間に異常がないか」を見てるだけ。人間ドックで異常が見つからなくても、たまたま見つからないなんてことは普通にある。でも、そんなのなんでもそう。故障したと思ってサポートセンターを呼んだけど、サポートセンターが来たときにはその現象を再現できないっていうのと同じ。そのままよくわからないけど治る(再現されない)こともあれば、ドックで異常なしから半年後に症状が再現されることもある。
けれど、「みつかった異常は異常として治療する」っていう当たり前のことがある。なんの症状もなくたまたま人間ドックで膀胱がんが見つかることがあるけれど、見つかったらそれは治療対象になる。
早期発見&早期治療が重要なのは言うまでもない。人間ドックはぜひ受けて欲しい。
3)生活習慣病への意識
人間ドックというと高齢者の受診が多いけれどーまぁ時間を持て余して暇があるからなのでしょうー中年(40代)に受けて欲しい。30代は不摂生をしても若さでなんとかなるから、深刻さが伝わりにくい。50代になって糖尿病や高脂血症を発症すると、生活習慣を変えるのが大変。40代くらいで、「このままの生活じゃダメ」ということに関心を持って欲しい。30代の食事と生活習慣のまま40代を過ごすと50代で様々な弊害がでてくる。30代のままの生活を続けるのではなく、年齢によって生活を変えることの重要性を意識して欲しい。
自分も、「ウイスキーはやっぱストレートでしょ」とやっていたら、人間ドックでなかなかの数字を叩き出してしまった。その後、お酒は呑みすぎないようにして、意識して運動をするようにしたら、まともな人間の数値になった。これが、50代になってから節制だけで数字を改善するのって大変になる。若いからこそ、気軽に「運動しなくちゃ」と思って運動ができる。お酒をやめる(控える)のも、若い方がラク。飲酒を習慣にしたまま50代になると、お酒を減らすのが大変になる。「特に趣味がないから持て余した時間を飲酒で潰す」みたいな習慣が染みつくと、後戻りできなくなる。やはり、40代で人間ドックを受けることをお勧めする。
あとさ、40代だと子供が小学生だったり中学生だったりするじゃん。それで心筋梗塞なんかでポックリいっちゃうと悲惨だよ。死ななくても、成人した子供とお酒が飲めないのもなんだかなぁと個人的に思う。糖尿病を発症したら、家族で外食するのもいろいろ考えることがでてくる。旅行に行って、ホテルのバイキングや旅館のご飯なんかもね…。発症してしまったひとに対していろんな配慮や対応をする社会っていうのは良いと思うけど、個人をみたときに発症しないにこしたことはない。病人になんかなるものじゃない。
まともな職場だったり公務員ならば、人間ドックに関して補助などもあるのでぜひ利用して欲しい。
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