ミジンコでもわかる二重ベータ崩壊★（ベータ崩壊とは）

久々の物理ネタ
このコーナーでは二重ベータ崩壊という、宇宙・素粒子物理学の最先端の研究を、
僕のようなミジンコ並の脳ミソでも理解できるように解説して行きたいと思っています。

前回は僕のお仕事：二重ベータ崩壊探しについてのイントロダクションでした。
これが見つかると、宇宙が物質だけで出来ている理由が分るとお話ししましたね。
ではいよいよ、二重ベータ崩壊って何なの！？って話に行きたいと思います。
そのために今日は原子核が崩壊する過程の一つ、”ベータ崩壊”についてお勉強しましょう。

物質を細かくしていくと、原子（Atom）と言う、
これ以上分割できない極小の粒子になるというのは小学校か中学校の理科で習いました。
何とこれは古代ギリシャ時代から唱えられていた理論です

その後科学が進み、原子はさらに”原子核”とその周りを回る”電子”に分割できることが分りました。
そして原子核は”＋の電気を持つ陽子”、”電気を持たない中性子”から作られています。


"http://www.eic.or.jp/library/prof_h/h040701_3.html"より拝借

我々の体は基本的に電気を帯びていませんが（静電気はあるけれど）、
これは陽子（＋）と電子（－）が同じ数だけ体内に含まれているからなのです。

そして、そして、何と陽子や中性子もクォークと言うさらに小さい粒子に分割できることが、
２０世紀になって分ってきました。（電子はこれ以上分割不可）
このクォークや、レプトン（電子等）は素粒子と呼ばれ、
現在のところこれ以上分けられない最小の粒子として位置付けられています。

さすがにミジンコには難しいですね
まあつまるとこ時代を経てどんどん粒子を細かく出来るようになっていったってことです。

さて、話を戻すと今回重要なのはベータ崩壊です。
それは何かと申しますと、、、”原子核が崩壊して別の原子核になる”現象の事です。

原子核には陽子と中性子が含まれます。その数で原子核の持つ特性が決まるのです。
そして、その特性は主に陽子の数（すなわち電子の数も同じ）が重要になります。
なので、我々は陽子の数で原子核をグルーピングして、それを元素と呼んでいます。
例として”陽子１＆中性子０”と、”陽子１＆中性子１”はどちらも水素（Ｈ）という元素です。
どちらも水素ということは、酸素（Ｏ）と結びついて水（Ｈ２Ｏ）を構成出来るということですね。

さて、そして原子核が安定しているかどうかも陽子と中性子の数で決まってきます。
陽子や中性子の数が互いに対して多すぎたり、少なすぎたりすると不安定になって崩壊してしまうのです。
衆院選で民主党がボロ勝ちして民主過剰になったので、党が崩壊して参院選負けて自民党になりました。
っというようなもんです。

全く分り易くないしっっっ！？Σ（￣□￣；
まあつまりは世の中バランスが重要ってことで、素粒子の世界もおんなじなんです。

”陽子１つ＆中性子２つ”で、水素（３重水素）という原子核が出来ます。
でも、これだと中性子が多すぎて不安定なので、ベータ崩壊を起こして
”陽子２つ＆中性子１つ”のヘリウムという原子核になろうとします。


"http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/relativity222.html"より拝借（？はニュートリノ）

ベータ崩壊というのは、”中性子が電子とニュートリノを吐き出して、陽子に変身する”現象です。
つまりこれが起こると、中性子数が一つ減って、陽子数が一つ増えるわけですね。
そして陽子数が変わるので別の元素にかわる（崩壊する）という訳です。
上の３重水素の例の場合、”陽子１つ＆中性子２つ”より、”陽子２つ＆中性子１つ”のヘリウムの方が
エネルギー的に多少安定なので、ベータ崩壊を起こして、より安定な原子核になったんですね。

さあ、これがベータ崩壊という現象です。お分かりになりましたでしょうか！？
実は二重ベータ崩壊も、このベータ崩壊の特殊な例の一つなんですよ^^

では今日はここまで。ニュートリノに関しては、また違う回で紹介しますね！！

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