スーパーカナディアンデ

カナダで出会った何気ない日常と、日々思うことを、そこはかとなく書き綴る

ド素人による福島第一原発事故の状況まとめと考察★

2011年03月17日 | 雑感
原発の事故に関するニュースを毎日見ては心を痛めています。。。
原発には冷却水が必要なため、海辺(または巨大河川とか)に作る必要があるのですが、今回はそれが完全に裏目に出て、津波で電気系統がやられてしまったようです。

総理は「最悪、東日本がつぶれる」などと煽っているようですが、一国の総理が言ったらいかんですよね。
本当にそこまでやばいのか?ネット上の情報を漁ってみました。

結果、チェルノブイリ級の事故になるかもと言っている人もいるようですが、そうはならんだろと言っている専門家もおり判断に困るとこです。
俺も素人だから判断までは出来ませんが、個人的見解で検証してみました。

まず、チェルノブイリでは何が起こったかを再確認してみましょう。


*** チェルノブイリ事故(Wikipediaを要約) ***
事故当時、原子炉が止まった場合の実験を行っていたのだが、上手く出力が上がらなかったので制御棒(中性子を吸い込んで核分裂の反応を抑えてくれるもの)を抜き、かつ非常用冷却装置等の安全装置を外して運転を開始。その直後に熱がでて、慌てた運転員が制御棒を挿入。しかし、この原子炉は、特性上制御棒を挿入する際に一時的に出力が上がる設計だったため出力10倍の大暴走を起こし、原子炉内の蒸気圧が上昇し爆発。
経費を減らすためとその大きさのために、4号炉は部分的な封じ込めだけで建設されていた。このため、蒸気爆発が一次圧力容器を破裂させたあと、放射性の汚染物質が大気中に漏れることになった。また屋根が吹き飛んだ後、流れ込んだ酸素と黒鉛減速材により火災が起きた。この火災は、放射性物質の拡散と周辺地域の汚染の大きな一因になった。
さらに当初、ソ連政府は住民のパニックや機密漏洩を恐れ、この事故を公表しなかった。また、付近住民の避難措置なども取られなかったため、彼らは甚大な量の放射線をまともに浴びることになった。事情を知らずに駆けつけた消防隊員も多数犠牲に。



これは完全に人災以外の何物でもないですね。
経費削減&手抜き原子炉、訓練不足の作業員、意図的な情報隠ぺい。
これでは事故も起こるべくして起きたと言わざるを得ません。

さて、福島はどうでしょう?
(こっからはどっかで見たニュース情報と俺の考察なのでソースはありません)


*** 福島原発の事故 ***
M9の大地震がおき停電。しかも津波で非常用発電機も破損。しかし地震直後に1,2,3号炉が自動停止し制御棒が差し込まれた。これにより反応は抑制され、あとは冷やせば止まる状態。ちなみに4,5,6号炉はメンテで燃料棒を出してプールに沈めていた。
そして発電機が故障したためにポンプで水を送れずに炉内が高温高圧に。圧力を下げるため格納容器の圧力弁を3つとも開いた(この作業をした人は英雄)。ちなみに構造はペレット、燃料棒、圧力容器、格納容器、建屋と5重の壁になっているそうな。
格納容器と圧力容器が無事なら問題無し。そのためには炉心(燃料棒たち)を冷やせ!!ってことで、海水を注入。でもバッテリー車のちゃちい発電容量でポンプを動かすも、パワー不足で炉心は一部水の外。そのため燃料棒のジルコニウムにより水素が作られ、建屋に溜まり限界を超えたところで酸素と結合して爆発。さらに3、4号機で使用済み核燃料を沈めたプールの水も沸騰し、水位が減って外に出た燃料棒で水素が作られ、建屋に溜まり同様に爆発。爆発で内部にあった放射性物質がばらまかれ周囲の放射線レベルが上昇。



状況をまとめたところ、こんな感じですか。間違っていたら教えてください。
今のところ1,2,3号機では放射線レベルからみて格納容器、圧力容器ともに重大な破損はなさそうだし、作業員の方々の決死の作業で炉内に水も注入できている。制御棒で反応は止まっているはずなので、数日これを続けると炉の温度が下がり、いずれ収束すると考えられる。あるいは電気が復旧すれば冷却装置を作動させ1日で低温に出来るかも。

問題は3、4号機のプールの使用済み燃料。この燃料棒たちは5重の壁に守られていないので最悪の事態(再臨界)になると放射線物質が全てばらまかれる。何としてもプールに注水を、しかも反応を抑えるホウ酸入りの水を入れたい。そのためヘリや放水車で水を入れるべく頑張っているが、周囲の高い放射線濃度に拒まれ対応に苦慮。
だが最悪の事態でも容器内ではないので蒸気圧による大爆発が無いし、建屋も穴があいていて水素はたまらんので水素爆発も無い(かも)。よって、これによる放射能物質の拡散は少ない。少なくとも20km離れれば大丈夫だろう。
また1,2,3号機でもチェルノブイリのように燃える素材で炉心を作ってもいないし、火災による拡散も無い。被害範囲はチェルノブイリより狭いと見た。


以下は考えられる最悪ケース:
3,4号機で再び水素爆発。第一原発内は人が入れる放射線レベルではなくなり作業員退避。1,2,3号機に注水が出来ずメルトダウン。破損した容器内で水素+酸素の爆発。周囲に放射能物質が拡散される。


まあしかしこの場合でも、10倍出力で暴走したチェルノブイリと、もう反応が止まっている福島では強度が違うはず。燃料棒内のU235は連鎖反応で暴走してるとやばいが、そうでなければ、ばらまかれても半減期7億年なので中性子を吸わない限り大きな問題はない。
チェルノブイリでも即座にやばい範囲は50kmくらい?既に20kmまで避難命令が出されているし、250km離れた東京は今すぐ逃げることは無い。

どうだろう。甘く見過ぎか??
いずれにしてもチェルノブイリとは全く状況が違います。
…などと勝手に理解したつもりで書いていますが、個人見解なので余り信じないでください。
専門家の意見に耳を傾けるべきだと思います。

Status of the Nuclear Reactors at the Fukushima Daiichi Power Plant
状況を知るなら。写真もあり分かりやすいサイト。

日本の原発についてのお知らせ;英国大使館
イギリスの専門家の意見。


英国大使館からのお知らせは不安を抱いている人は読んだ方が良いです。安心します。
ただ、真偽のほどは俺のブログと同じくらい不明です。

そろそろ自衛隊が空陸から注水にあたるということです。成功を祈ります。
しかし空からポンプで放水って出来ないもんだろうか?
3号炉の煙は恐らく水蒸気。そして水蒸気(放射性希ガスを含む)は上に行くから上から散水なんて自殺行為。風上の離れた上空から放水すれば危険が少なそうな気もするが。。。


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4 コメント

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Unknown (zawa)
2011-03-17 10:36:10
補足1:
燃料棒が水に浸されない→空炊き状態になる→高温になり燃料棒の被覆素材であるジルコニウムが溶け出し水素を放出する。
という流れですね。とにかく燃料棒が水につかるように必死の努力が続けられているようです。
補足2:
空中からの放水は30分ぐらい前から始まったみたいです。昨日は放射能レベルが高く実施できなかったようです。
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Unknown (takashy)
2011-03-17 10:48:16
>zawa君
補足うどうもっす。
ちなみにジルコニウムが水素を出すのではなく、ジルコニウムと水が反応して水素が出るんだと思います^^
2は、、、今やってるみたいね。上空は凄い濃度のXeやらKrだろうが。。。
自衛隊の命がけの行動に敬意を表します。
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初コメントです。 (びちこ)
2011-03-20 16:33:23
はじめまして。
以前トロントに住んでいまして、その頃からだんなと一緒にこのブログを楽しみにみていました。

私は今、仙台に住んでいます。
私の住んでいるところは仙台の中心地に比較的近いので津波のダメージこそはありませんが、やはり街は沈黙しています。

多大な被害を受けた被災者の方々の救済、支援を祈る気持ちで望みつつ、余震、原発、今後の復旧も不安なことはたくさんあります。
原発に不安を抱き、西のほうへ避難する人が急増しているようです。そういう情報が流れると、ますます不安になる人は増えると思います。でもtakashyさんのブログをみて、チェルノブイリとは今回は全く違うということもわかったので、ちゃんと専門家の情報を聞いて、冷静に行動しなければ、と思いました。ありがとうございます。
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コメントありがとうございます (takashy)
2011-03-21 20:13:05
>びちこさん
読んでいただいて光栄です!カナダに住まわれていたのですね。
今は仙台だそうですが、取りあえず無事なようで良かったです。
これから復興などで苦労もあろうかと思いますが、どうぞ気を落とさずに頑張ってください。
遠くからですが、応援しています!!

原発事故も今後収束に向かってくれることを心よりお祈りしています。
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