西暦2453年、人類は遠い宇宙の小惑星に移住していた。
人類が他の惑星に住むようになったのは2070年のことであり、
最初の探検隊が訪れたのはトロポスという惑星である。
増え続ける地球人たちの住む星となったトロポスは次第に発展していった。
故郷から故郷へ
宇宙植民を募集するため、こんな文句が書かれたパンフレットが配られていた。
正確に言うなら、『地球人よりも地球人らしく』といったところだろうか。
地球では時代遅れとなってしまっていたファッションや習慣があったが、
それらがトロポスには残っていたからだ。
目端の利く旅行代理店はトロポスへの旅行ガイドのテーマソングとして、
〈時代を逆行する歌〉を歌っていた。
やがてトロポスでジリディウムが発見された。
ジリディウムを利用したアルファ・ジリディウム航行が開発されると、
宇宙船は常に最大速度で航行できるようになった。
遠くの星へも数日で行けるようになった。
トロポスの次に発見されたのは、ラディクスという惑星だった。
ラディクスも人類の居住に適した惑星であった。
だが、見知らぬ惑星に住むには予想外の要素が一つあった。
どんな種族であっても、その惑星ならではの生き方をしなければならないのだ。
ラディクスは非常に地力の高い惑星で、移住した地球人たちは数日後、
人間の暮らしは地球という星の特有な生き方であることを知った。
ラディクスでの生活は安楽で豊かだった。
だからこそ移民者たちは新しい生活様式を生み出せたと言えるだろう。
しかし、地球での生活に比べてみれば、堕落した毎日が続いていた。
銀河系を探し回っても、人類の居住に適した惑星が発見されることは少ない。
気温や重力… 豊かな草木や水… 生物や植物の育つ環境…
それらの条件を完全に満たす星は簡単には見つからないのだ。
何人もの探検隊たちが宇宙の深淵で消息を絶った後、
ハルマリスという惑星が発見された。
ハルマリスの環境は過酷だった。
日中は暑く、夜になると一転して寒波が襲ってくる。
そのため、この惑星には科学者や探検家たちが住み込んで、
彼らの拠点として利用された。
次の惑星が発見されるまでには長い時間が掛かった。
最初の無人探査機が厚い雲で覆われた惑星の写真を持ち帰ってきた。
分光分析してみると、その惑星の空気は地球よりも軽く、
呼吸もできるようだった。
この惑星を科学者たちはアルカディオンと名付けた。
だが、その雲の下に隠されていた光景は…
アルカディオンには広大な海で隔てられた三つの大陸があった。
それぞれの大陸に異なる種族がいた。
2285年、人類の宇宙船が雲を抜けてアルカディオンに降下したとき、
既に三つの種族は別の種族によって統一されていた。
惑星の半球を東西に取り巻く蹄の形をした大陸に住み、器用で知的な種族…
好戦的な北の種族と芸術的な南の種族は彼らの支配下にあった。
この体制は〈同盟〉と言われ、数百年にも渡って続いた。
三つの種族を支配するアルカディア人…
彼らの技術は地球人よりも原始的で、宇宙旅行も初歩的なレベルだった。
しかし、アルカディア人たちには大きな夢があったのだ。
宇宙を征服して、巨大な帝国を樹立するという夢が…
彼らは人類が生み出したアルファ・ジリディウム航行に着目した。
人類とアルカディア人の戦争は12年ほどで終結した。
戦いの間もアルカディア人は戦闘よりも艦隊の建設に力を注いだ。
そして彼らはアルファ・ジリディウム航行のできる宇宙船の開発に成功した。
宇宙船は量産され、一つの艦隊が創設された。
アルファ・ジリディウム航行による艦隊の奇襲を受けて、
真っ先にハルマリスの基地が占領された。
ラディクスはアルカディア人たちに無条件降伏した(情けない話である)
トロポスの人々は自分たちの生活様式を守り抜くために、激しく抵抗したが、
アルカディア人たちの圧倒的な戦力と巧みな戦略の前に敗北した。
その直後、水星、金星、月の基地と共に、地球も降伏に追い込まれた。
こうして地球の環境政党による破滅の予言は、最悪の形で現実となった。
人類はアルカディア人たちの強大な帝国の支配下に入ったのである。
最初の頃、アルカディオンには帝国を支配するだけの施設は無かったが、
アルカディア人たちは適応力が極めて高かった。
彼らはアルカディオンに高性能の有機コンピュータを建設すると、
全てのアルカディア人の頭脳に情動感知器を埋め込んだのだ。
エンパシーによって中央コンピュータと連結する情動感知器が選ばれたのは、
これが最も速い通信の手段として知られていたからである。
こうしてアルカディア人たちは蜂や蟻の集団と同様の存在となった。
それぞれが帝国の全体を効率的にコントロールする細胞と化したのだ。
平和的な名前のアルカディオンは150年にも渡って圧政の代名詞となった。
人類に許されている言葉は皮肉にもアルカディオンという惑星の名前だけだ。
今までの共通言語はであったエスペラントを使えば、即座に処刑される。
もはや人類は奴隷でしかなかった。
アルカディア人に仕えるために存続が認められているに過ぎない。
アルカディア人たちにも唯一の不満があった。
それは人間の体には情動感知器を埋め込めないということだった。
この事実が判明するまで、何百人もの人間が実験台として生体解剖され、
命を落としていった。
アルカディア人は自らの意思を中央コンピュータに埋没させる道を選んだ。
しかし、人間の意思は違う。殺さない限り、消去することができない。
アルカディア人たちは人類を支配するために、残酷な政治を敷くしかなかった。
だが、やがて地球人たちはアルカディア人の弱点に気付いた。
それは彼らが何もかもコンピュータに頼っていることだ。
アルカディア人は自分の意思を持っていない。
よって、中央コンピュータを破壊すれば、彼らはゾンビとなってしまう。
蜂の巣の弱点… それは女王蜂が重要なことにある。
アルカディア人の帝国の弱点はアルカディオンの女王コンピュータだ!
メイリィ「リアン、よくわかりましたか?」
リアン「要は女王コンピュータを壊せばいいんだよね?」
メ「その通りです。次はアルカディア人のことを学んでおきましょう♪(*^.^*)」
リ「ま、まだあるの~?(*´□`。*)」
人類が他の惑星に住むようになったのは2070年のことであり、
最初の探検隊が訪れたのはトロポスという惑星である。
増え続ける地球人たちの住む星となったトロポスは次第に発展していった。
故郷から故郷へ
宇宙植民を募集するため、こんな文句が書かれたパンフレットが配られていた。
正確に言うなら、『地球人よりも地球人らしく』といったところだろうか。
地球では時代遅れとなってしまっていたファッションや習慣があったが、
それらがトロポスには残っていたからだ。
目端の利く旅行代理店はトロポスへの旅行ガイドのテーマソングとして、
〈時代を逆行する歌〉を歌っていた。
やがてトロポスでジリディウムが発見された。
ジリディウムを利用したアルファ・ジリディウム航行が開発されると、
宇宙船は常に最大速度で航行できるようになった。
遠くの星へも数日で行けるようになった。
トロポスの次に発見されたのは、ラディクスという惑星だった。
ラディクスも人類の居住に適した惑星であった。
だが、見知らぬ惑星に住むには予想外の要素が一つあった。
どんな種族であっても、その惑星ならではの生き方をしなければならないのだ。
ラディクスは非常に地力の高い惑星で、移住した地球人たちは数日後、
人間の暮らしは地球という星の特有な生き方であることを知った。
ラディクスでの生活は安楽で豊かだった。
だからこそ移民者たちは新しい生活様式を生み出せたと言えるだろう。
しかし、地球での生活に比べてみれば、堕落した毎日が続いていた。
銀河系を探し回っても、人類の居住に適した惑星が発見されることは少ない。
気温や重力… 豊かな草木や水… 生物や植物の育つ環境…
それらの条件を完全に満たす星は簡単には見つからないのだ。
何人もの探検隊たちが宇宙の深淵で消息を絶った後、
ハルマリスという惑星が発見された。
ハルマリスの環境は過酷だった。
日中は暑く、夜になると一転して寒波が襲ってくる。
そのため、この惑星には科学者や探検家たちが住み込んで、
彼らの拠点として利用された。
次の惑星が発見されるまでには長い時間が掛かった。
最初の無人探査機が厚い雲で覆われた惑星の写真を持ち帰ってきた。
分光分析してみると、その惑星の空気は地球よりも軽く、
呼吸もできるようだった。
この惑星を科学者たちはアルカディオンと名付けた。
だが、その雲の下に隠されていた光景は…
アルカディオンには広大な海で隔てられた三つの大陸があった。
それぞれの大陸に異なる種族がいた。
2285年、人類の宇宙船が雲を抜けてアルカディオンに降下したとき、
既に三つの種族は別の種族によって統一されていた。
惑星の半球を東西に取り巻く蹄の形をした大陸に住み、器用で知的な種族…
好戦的な北の種族と芸術的な南の種族は彼らの支配下にあった。
この体制は〈同盟〉と言われ、数百年にも渡って続いた。
三つの種族を支配するアルカディア人…
彼らの技術は地球人よりも原始的で、宇宙旅行も初歩的なレベルだった。
しかし、アルカディア人たちには大きな夢があったのだ。
宇宙を征服して、巨大な帝国を樹立するという夢が…
彼らは人類が生み出したアルファ・ジリディウム航行に着目した。
人類とアルカディア人の戦争は12年ほどで終結した。
戦いの間もアルカディア人は戦闘よりも艦隊の建設に力を注いだ。
そして彼らはアルファ・ジリディウム航行のできる宇宙船の開発に成功した。
宇宙船は量産され、一つの艦隊が創設された。
アルファ・ジリディウム航行による艦隊の奇襲を受けて、
真っ先にハルマリスの基地が占領された。
ラディクスはアルカディア人たちに無条件降伏した(情けない話である)
トロポスの人々は自分たちの生活様式を守り抜くために、激しく抵抗したが、
アルカディア人たちの圧倒的な戦力と巧みな戦略の前に敗北した。
その直後、水星、金星、月の基地と共に、地球も降伏に追い込まれた。
こうして地球の環境政党による破滅の予言は、最悪の形で現実となった。
人類はアルカディア人たちの強大な帝国の支配下に入ったのである。
最初の頃、アルカディオンには帝国を支配するだけの施設は無かったが、
アルカディア人たちは適応力が極めて高かった。
彼らはアルカディオンに高性能の有機コンピュータを建設すると、
全てのアルカディア人の頭脳に情動感知器を埋め込んだのだ。
エンパシーによって中央コンピュータと連結する情動感知器が選ばれたのは、
これが最も速い通信の手段として知られていたからである。
こうしてアルカディア人たちは蜂や蟻の集団と同様の存在となった。
それぞれが帝国の全体を効率的にコントロールする細胞と化したのだ。
平和的な名前のアルカディオンは150年にも渡って圧政の代名詞となった。
人類に許されている言葉は皮肉にもアルカディオンという惑星の名前だけだ。
今までの共通言語はであったエスペラントを使えば、即座に処刑される。
もはや人類は奴隷でしかなかった。
アルカディア人に仕えるために存続が認められているに過ぎない。
アルカディア人たちにも唯一の不満があった。
それは人間の体には情動感知器を埋め込めないということだった。
この事実が判明するまで、何百人もの人間が実験台として生体解剖され、
命を落としていった。
アルカディア人は自らの意思を中央コンピュータに埋没させる道を選んだ。
しかし、人間の意思は違う。殺さない限り、消去することができない。
アルカディア人たちは人類を支配するために、残酷な政治を敷くしかなかった。
だが、やがて地球人たちはアルカディア人の弱点に気付いた。
それは彼らが何もかもコンピュータに頼っていることだ。
アルカディア人は自分の意思を持っていない。
よって、中央コンピュータを破壊すれば、彼らはゾンビとなってしまう。
蜂の巣の弱点… それは女王蜂が重要なことにある。
アルカディア人の帝国の弱点はアルカディオンの女王コンピュータだ!
メイリィ「リアン、よくわかりましたか?」
リアン「要は女王コンピュータを壊せばいいんだよね?」
メ「その通りです。次はアルカディア人のことを学んでおきましょう♪(*^.^*)」
リ「ま、まだあるの~?(*´□`。*)」