すぐに思い浮かんだのが、
エヴァンスの
「WHAT KIND OF FOOL AM I?」
(『The Solo Sessions, Vol. 1・2』または、
『The Complete Riverside Recordings 』 DISC-10・11 所収)
63年1月録音だったのか・・・。62年1月くらいだと思ってた。
62年には『アンダーカレント』や『ムーンビームス』、『ハウ・マイ・
ハート・シングス』を録っている。
この年の春頃にようやく、ラファロの事故死から立ち直りつつあるよう
に感じられる。
リバーサイドに残した最後の作品は結局、お蔵入りのまま、彼の死後
まで陽の目を見なかった。あまりに生々しいので作品として発表する
のがはばかれたのでは?とも思う。
ここには、素のエヴァンスがいる。
赤裸々なひとりの芸術家の魂が露わになっている。
部屋に籠って一心不乱に弾いている彼の姿が、思い浮かぶ。
私が20代前半のとき、殊更よく聴いていた。
酒を飲みながら、「ダメな僕」のやりきれなさに浸るために・・・。
特に、「WHAT KIND OF FOOL AM I?」
エヴァンスは僕の為に弾いてくれているんだ、なんて甘ったれたこと
を考えていたのかもしれない。