よろず戯言

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ムカデと熱闘

2019-09-04 11:54:29 | 日記・エッセイ・コラム

風呂で洗髪中。

ふと床を見やると、床と浴槽の側面との間に なにやら黒い細長い物体。

サイズはせいぜい4~5センチ。

 

自分はド近眼。

さらに洗髪中なので、その黒い物体が何なのかハッキリと見えない。

だが・・・これまで幾多のバトルを経験してきて判る。

その姿が明確に見えなくとも、脳内でその黒い物体がアイツなのだと察した。

 

間違いない・・・!

ヤツだ・・ヤツが来たんだ!

しかも洗髪中の足元という、虚を突いたシチュエーションで!

この地球上で自分のもっとも嫌いな生物・・・ムカデだ。

暑いうちは身を潜めていたようだが、盆が過ぎ涼しくなって、ここ最近 再び活動を活発化しやがった。

 

「お母ん、ボウルに熱湯!」

すぐに台所で洗い物をしていたお母んに叫ぶ。

お母んもムカデが現れたのだと察し、すぐに返事してくれた。

ムカデ退治にゃ熱湯がベスト。

ここは風呂場、心おきなくそれをぶちまけられる。

全身に熱湯を浴びれば、生命力の強いヤツもひとたまりもなかろう。

 

ムカデ退治には熱湯がベスト。

スマブラforでカスタマイズできた必殺技、マリオの熱湯ポンプ。

3DSじゃノーマルのポンプとの違いが判りづらいな。

 

だが、すぐに返事してくれたものの、いっこうに熱湯を持って来ない。

足元にはまだアイツがたたずんでいる。

乗り移ろうか移るまいか・・・床と浴槽の側面とで吊り橋状態になって。

 

どうやら驚きすくみあがっている。

敵がスタンしているうちに熱湯で会心の一撃を与えたい!

お母ん、急いでくれよ!

敵に逃げられる前に、一気にカタを着けたい。

万が一逃げられちゃトンでもないことになる。

 

「ここ置いちょくばい。」

ようやくやってきたお母ん、風呂のドアの外に熱湯の注がれたボウルを置いた。

待っている間は時間が長く感じる。

実際にどれくらいだったか判らないが、1分以上は待ったと思う。

狭い家だし、同じ台所にあるポットから、

ボウルにお湯を注いで持ってくるだけなのに、なぜこんなにも時間がかかった!?

 

風呂のドアを開け、お母んの持ってきたボウルを掴む。

「熱っ!」

ステンレス製のボウルに熱湯をなみなみと注いで来ているのだ。

しかもちょっとでいいのに、なぜこんなにもなみなみと・・・?

「なんで金(かね)のボウルにお湯入れるん!?熱いで持てんめえもん!」

「だって、パッと取ったらそれやったんやもん、おかあさんは持てたばい・・・。」

「お母んが持てたけんっち、わしが持てるとは限らんめえもん!!」

お母んは、こういう無神経なところが多々ある。

ふつう金属製の器に熱湯を入れるかね?

ホント考えられん。

 

そうだ!

ひらめいた。

洗面器をボウルの横に置き、熱湯を洗面器に移す。

洗面器ならば熱湯が入っていても持てる。

熱湯を洗面器に移し終え、いざ攻撃態勢。

 

・・・。

奴の姿は消えていた。

どこへ行った!?

急いで周囲を探すが見つからない。

浴槽の下へと潜り込んだか。

こうなるともうこっちの負け。

 

やみくもに熱湯を流してみるも、それを浴びた奴の死骸が流れてくることはなかった。

うちの風呂、浴槽は埋め込みではなく設置式。

なので、浴槽の底には床との間の隙間がある。

浴槽の底に張り付いていたら、いくら熱湯を流しても直接体にかからないからダメージは与えられない。

 

4~5センチメートルくらいで、そんな大きくはないムカデではあったが、

この位のサイズであっても、咬まれれば それなりのダメージを食らう。

なんとしても退治したかったが・・・みすみすと逃がしてしまう。

はぐれメタルに逃げられるよりも悔しい。

色違いイシツブテに自爆されたときよりも悔しい。

 

そもそもお母んがグズグズしたうえ、あんなステンレス製のボウルに熱湯なんか注いでくるのがいけない。

無神経なとこがあるかと思えば、おせっかいで余計なことをしてみたり、

さっちが こっちがイラっとすることをする。

昔っから、ああいうところがある。

お母んというのは、なんであんななんだろうね。

 

息子がいちばん好きなポケモン、ペンドラー。

こんな怪獣のようなフォルムだが、実はムカデポケモン。

背中側の外殻には節があるのに、腹部は節がないという、不思議な節足動物。

 



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