自動車整備士のつぶやき・・・

車の整備や使い方など、自動車整備士としてもただの車好きとしても、いろいろと綴ります・・・

ブレーキフルードの量

2018-04-09 12:45:18 | 日記
初投稿になります。だれが読んでくれるか分かりませんが、どうぞよろしくです。
さて、今回はブレーキフルードの話です。
よくガソリンスタンドでチェックしてくれる際、「ブレーキオイルが減ってます。危険なので足しておきますね」などと余計な事をする事があります。



こんな状態ですね。
ちょっと見づらいですが、キャップのちょっと下がMAXライン。確かに減っているように見えますが、減っているわけではありません。やたらにフルードを足さないでください。この場合はブレーキフルードが漏れているかブレーキパットが減っているかを疑うべきなんです。



この画像では、青いのが元々付いていたブレーキパット。黒いのが新品です。これだけブレーキパットが減っています。こうなるとブレーキキャリパのピストンの突出量が多くなり、ピストン側にブレーキフルードが移動しているだけなんです。
新品のブレーキパットをつければタンク側に戻り、量もほぼ適正値に戻ります。
つまり途中でフルードを足しちゃうと、ピストンを戻した時に溢れてしまいます。
それだけでなく、タンク内のフルードの油面が更に下がると駐車ブレーキを解除してもメーター内のブレーキのランプが消えずに点灯したままになる装置も付いているんです。本来は「もうブレーキパットが無いよ、漏れてるかもよ」と車が教えてくれるはずなのにその機能さえ働かなくなり、逆に危険になります。
なので、エンジンルームなどにあるブレーキのタンクの油面が下がっていても、絶対に補充しないようにしてください。

ここでもう一言。オイルとフルードの違い。エンジンオイルとは言いますが、エンジンフルードとは言いませんね。
フルードとは、吸湿性があるオイルの一種なんです。分かりやすく言うと、ブレーキフルードは空気中の水分を吸っちゃいます。
ブレーキフルードはその性質上、150度以上になっても沸騰しないようにつくられています。でもそこに水分が入ると水の沸点は100度なので、フルードの沸点が下がってきます。もしもフルードが沸騰したら、ブレーキのパイプの中などに泡が発生し、ブレーキペダルを踏んでもその力が伝わらなくなってしまいます。これをベーパーロックと言います。
それだけでなく、ブレーキの内側に錆が発生する原因ともなります。
そうならないように車検整備の時はブレーキフルードの交換をするんです。乗用車または軽自動車は2年ごとに車検があります。車検は通ればいいのではなく、整備が大事なんです。

不定期とはなりますが、今後もこんな感じて投稿します。仕事量によっては全くPC作業ができなくなります。よろしくお付き合いいただければと思います。


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1 コメント

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Unknown (Ken)
2021-11-10 12:03:51
わかりやすい解説ありがとうございます。
頻繁に補給して漏れを疑っていましたが、そうでない事が分かりました。
ありがとうございました。
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