自動車整備士のつぶやき・・・

車の整備や使い方など、自動車整備士としてもただの車好きとしても、いろいろと綴ります・・・

タイヤの話

2018-04-19 16:13:22 | 日記
皆さんはタイヤメンテナンス、していますか? タイヤの空気圧をチェックしたのはどれ位前ですか?
実は街中を走っている車の8割近くは、空気圧が指定よりも減っています。



ほとんどの車は運転席ドアを開ければ、このようなステッカーが貼ってあります。僕は整備をする際、約1割程多めに補充します。ただし、スズキアルトやニッサンセレナの一部の車のように「280KPa」指定のものは、290KPa程にしています。このステッカーに書かれている指定空気圧は「最低空気圧」だと思っています。
タイヤは密封されているように思えますが、分子レベルで見ると穴だらけです。その穴から徐々に空気分子は抜けています。
ではどれ位のサイクルでチェックすればよいかと言えば、厳密には1ヵ月毎。オートバイは2週間毎。
まず無理ですよね。でも最長でも3ヶ月毎にチェックする事をお勧めします。その方がタイヤの偏磨耗も防げ、燃費低下も防げます。
ではもっとパンパンに、空気圧を高くすればいいかと言えばそれも違います。
燃費にはいいのかも知れませんが、乗り心地は悪くなります。しかも一般乗用車用のタイヤの最高空気圧は300~320KPaがほとんどです。走行後の空気圧が高くなった状態で、この空気圧を越えてはいけません。タイヤバーストの原因にもなります。何事も程々です。
ところで、タイヤの寿命はどれ位なのか良く聞かれます。
一概には言えませんが、たとえ溝があっても、タイヤの製造年から3~5年と言われています。



タイヤを良く見ると、このようなものがあります。これの数字の下2ケタが製造年、前の2ケタが何週目にあたります。この画像のタイヤは2011年の35週目の製造となります。今が2018年なので7年前のタイヤです。これ位経つとタイヤ内の油分が抜けて硬くなり、細かいヒビが入っています。



しかもタイヤの溝部分にはこんなようなヒビも入っている事も。当然危険です。硬くなった分しなやかさも失われて乗り心地も悪くなり、路面と接する部分のグリップ力も弱くなっています。
どんなにパワーがあるエンジンで、どんなに制動力が強いブレーキを使っている高性能車でも、それらが路面に接しているのはタイヤだけです。オーバーではなく「タイヤは命を乗せている」んです。
もう少しタイヤに注意を向けてください。
最後にもう一言。タイヤを交換するときは、空気を入れるゴムバルブも交換してください。これもゴム製なので劣化します。



ゴムバルブとホイールの間から泡が出ているのが分かると思います。このバルブを交換するには、再度タイヤを外したりずらしたりする必要があるんです。しかも走行中はこのバルブは常に揺れており、最悪は根元から折れてしまいます。そうなるとパンク修理剤も効きません。

お気に入りの喫茶店

2018-04-17 18:39:07 | 日記
僕にとってのお気に入りの喫茶店。それは東京の小平市の駅前にある「永田珈琲」です。
ここが開店してから30年程経ちます。
当時から1杯500円。当時では高い方でしたが、今ではそこそこの値段でしょうね。
開店当初は20時以降は他のお客さんも居なくなり、オーナーと良く、コーヒー談議に花を咲かせていました。

フォグランプって・・・

2018-04-14 17:24:41 | 日記
さて今回は、フォグランプについてです。
最近の車のフォグランプって、フォグの意味をなしていないと思いませんか?
フォグランプは日本語にすれば霧灯(むとう)です。本来は黄色のはず。昔の車では黄色だったと思われている人も多いはず。
黄色の光は白色に比べて光の波長が長く、反射しにくい特性があります。だから霧の時にも路面が見やすくなり、しかも対向車からも確認しやすくなっています。試しに皆さんも、霧の時にハイビームにしてみてください。逆に真っ白になり、何も見えなくなるのがお分かりになると思います。



スズキアルトワークスですが、ヘッドライトはHIDで真っ白。フォグランプはハロゲンの白色。しかもワット数が低いので大して明るくありません。
正直言ってただの「補助灯」。ヘッドライトよりは赤っぽいから多少は雨の日にも見やすくはなる程度のものです。ドレスアップ商品の一部なんですかね。
本来はヘッドライトに対しての補助灯なので、交通法ではこのフォグランプだけで走行するのは違反となります。ましてや街中の明るい所でフォグランプを使う事は無意味。対向車に迷惑をかけるだけです。
基本は街灯も少ない暗い夜道を走るときの補助灯です。
僕は雨でも雪でも真っ暗な道を走るので、黄色に変えています。



HIDに換えているので、かなり明るい黄色に光ります。当然対向車に迷惑がかかるので、街中では絶対に点ける事はありません。でも雪道や雨の高速道路では路面が良く見えます。
話は戻っちゃいますが、なぜ最近の車の「フォグランプ」は黄色じゃないんでしょうか。
自動車の保安基準では、「前部霧灯は白色または淡黄色でありその全てが同一であること」「同時に3個以上点灯しないこと」となっています。当然黄色のままで車検は通ります。取り付け位置や高さの制限はありますが、4灯(2組)付いてても切替で2灯(1組)ずつしか点かなければ大丈夫なんです。
自動車メーカーさん、見た目のドレスアップではなくて機能性を生かした車を造ってもらえないですかね~。

それとリヤフォグランプ(後部霧灯)についてです。
最近の日本車にも標準装備されているのが増えて来ています。でもちゃんとした使い方がお分かりにならない方々が居ますね。
基本的には前部霧灯と同じく、霧や雨の時に使うもの。しかも高速道路などのように、まきあげたしぶきでテールランプすら見えにくくなるときに使うものです。街中で、しかも晴れているときに点けるなどは言語道断です。後続車の迷惑にしかなっていません。



僕は右側のリバースランプをリヤフォグランプに改造しています。当然ながら保安基準に準じた配線等をし、このまま車検に合格しています。基準を細かく書くとページがいっぱいになっちゃいますので、ここでは書きません。
雨や雪の、高速道路や山道以外で使った事はありません。後続車が近づいたときは消しています。
どんな良い装備品でも使う人のマナーが悪ければ、ただの迷惑行為になりますので気をつけています。

スパークプラグの話

2018-04-13 12:45:21 | 日記
今回はスパークプラグについてです。
ガソリン車には必ず付いている部品。エンジン回転の適切な時に火花を散らし、ガソリンと空気の混合気に着火させる大切な部品です。
皆さんはこれの交換時期をご存知でしょうか。車の取説の後ろの方のページ、「メンテナンス」等の項目に書いてあります。
スパークプラグには、普通、白金、イリジウムなどの種類があり、更に長寿命タイプもあります。
それぞれで寿命も違うし、更に軽自動車、普通乗用車、二輪車で寿命も変わります。
有名プラグメーカーのNGKでは、以下のように書いています。
 普通、白金、イリジウムプラグ
   普通車/15,000km~20,000Km 軽自動車/7,000Km~10,000Km 二輪車/3,000Km~5,000Km
 長寿命タイプ 白金、イリジウムプラグ
   普通車/100,000Km 軽自動車/50,000Km
軽自動車や二輪車の寿命が短いのは、常用回転数が高い、例えば時速50Kmで走っている時のエンジン回転数が普通車よりも高いからです。
ただし、それぞれの車によって変わります。
特に最近のダイレクトイグニッション車(プラグコードなどが無いタイプ)は、エンジンの燃焼1サイクルで2~3回点火するものもあります。それだけプラグの負担は大きくなっています。
それでもダイハツアトレーワゴンでは100,000Km、トヨタハイエース等は200,000Kmとメーカーでは言っています。でもそんなに持つ訳ありません。プラグメーカーが言っているんですから。



これは三菱ekワゴン(ニッサンオッティ)で27,000Km使用したプラグです。左は車から外したもの、右が新品です。
色合いは抜きにして、L字型に曲がった電極と棒状に突き出した電極の隙間の差が分かると思います。これ程電極は消耗しているんです。
それでは何故、隙間が大きくなるとダメなのか。
広くなればそれだけ高電圧が必要になるのはお分かりだと思います。静電気の「パチッと痛い」と「バチッと超痛い」の差だと思ってください。こうなるとバッテリーの電圧を高電圧に変える部品(イグニッションコイル)に負担もかかるし、点火させるタイミング(点火時期)もずれて、エンジンの力が弱くなり、燃費も悪くなってしまうんです。
長寿命イリジウムプラグなどは硬い金属を両電極に使っているので、普通の物に比べて消耗しにくくできています。それでも減ります。
今のおじいさん世代の人達が若い頃は、自分でプラグ交換はしていました。でも今の車はやりにくくなっています。



特にこの画像のような車、ニッサンセレナです。黒い4本のパイプ状に見えるもの(インテークマニホールド)の下に高電圧を作る部品(イグニッションコイル)があり、その下にスパークプラグがあります。ユーザー自身で交換などはできませんね。ノートやキューブなどのエンジンも同じです。それでも交換は必要となります。
最近の自動車メーカーは「整備はディーラーに任せてください」的なつくりをしています。僕ら自動車整備士から見ても、非常に面倒なつくりです。
自動車メーカーが指定している交換時期とは「それまでは壊れないだけでその後は知りません」と言ってるように僕は思っています。指定交換時期の5~8割程度の距離で交換するほうが、エンジンの調子にも寿命にも良いと思います。
もしも「エンジンが少しガタガタする」とか「最近燃費が悪くなってきた」と思われたら、まずはディーラーでも街中の整備工場ででも相談してみてください。

余談ですが、普通プラグは1本600円~1,000円程。イリジウムプラグは1,500円~2,000円程。長寿命タイプのイリジウムが2,500円~3,000円程。
普通プラグをイリジウムにグレードアップするだけで、エンジンの調子が良くなることが多いです。当然燃費も良くなると思います。安い方がいいからグレードダウン、はお勧めしませんが・・・。

ブレーキフルードの量

2018-04-09 12:45:18 | 日記
初投稿になります。だれが読んでくれるか分かりませんが、どうぞよろしくです。
さて、今回はブレーキフルードの話です。
よくガソリンスタンドでチェックしてくれる際、「ブレーキオイルが減ってます。危険なので足しておきますね」などと余計な事をする事があります。



こんな状態ですね。
ちょっと見づらいですが、キャップのちょっと下がMAXライン。確かに減っているように見えますが、減っているわけではありません。やたらにフルードを足さないでください。この場合はブレーキフルードが漏れているかブレーキパットが減っているかを疑うべきなんです。



この画像では、青いのが元々付いていたブレーキパット。黒いのが新品です。これだけブレーキパットが減っています。こうなるとブレーキキャリパのピストンの突出量が多くなり、ピストン側にブレーキフルードが移動しているだけなんです。
新品のブレーキパットをつければタンク側に戻り、量もほぼ適正値に戻ります。
つまり途中でフルードを足しちゃうと、ピストンを戻した時に溢れてしまいます。
それだけでなく、タンク内のフルードの油面が更に下がると駐車ブレーキを解除してもメーター内のブレーキのランプが消えずに点灯したままになる装置も付いているんです。本来は「もうブレーキパットが無いよ、漏れてるかもよ」と車が教えてくれるはずなのにその機能さえ働かなくなり、逆に危険になります。
なので、エンジンルームなどにあるブレーキのタンクの油面が下がっていても、絶対に補充しないようにしてください。

ここでもう一言。オイルとフルードの違い。エンジンオイルとは言いますが、エンジンフルードとは言いませんね。
フルードとは、吸湿性があるオイルの一種なんです。分かりやすく言うと、ブレーキフルードは空気中の水分を吸っちゃいます。
ブレーキフルードはその性質上、150度以上になっても沸騰しないようにつくられています。でもそこに水分が入ると水の沸点は100度なので、フルードの沸点が下がってきます。もしもフルードが沸騰したら、ブレーキのパイプの中などに泡が発生し、ブレーキペダルを踏んでもその力が伝わらなくなってしまいます。これをベーパーロックと言います。
それだけでなく、ブレーキの内側に錆が発生する原因ともなります。
そうならないように車検整備の時はブレーキフルードの交換をするんです。乗用車または軽自動車は2年ごとに車検があります。車検は通ればいいのではなく、整備が大事なんです。

不定期とはなりますが、今後もこんな感じて投稿します。仕事量によっては全くPC作業ができなくなります。よろしくお付き合いいただければと思います。