母子家庭がんばれ

返信・引用
子どもはたった4人を一人で育てた。
朝2時半にパンや。四時半から6時まで新聞配達。7時半から病院である。
雪の中、10か月の三男を背負って雪の中新聞配達をしたこともある。

そんな姿を見てうんざりしたのだろうか。

長男のいちあんちゃんが高校を卒業してすぐ、築地市場の上物屋（じょうものや）に
住みこみで勤め始めたのは２０年前である。
朝の１時に起床。上司を品川に迎えに行ってから仕事場へ。
販売のあと冷凍庫で作業。その後の配達などで
仕事が終了するの大体午後３時～５時に及ぶ。江戸前の男は元気でなきゃあ勤まらない。
これだけ長時間働いても給料のほうは手取りで約１６～１７万円である。
しかしこのご時世に、資格も技術も無い人間が楽しく働ける場所があるということだけでも感謝しなさい
と言い続けてきたせいか存外、本人も満足しているようであった。

いちあんちゃんは少ない給料の中から、妹や弟たちの学費の足しにと
毎月９万円の仕送りを毎月欠かさずを続けてくれていた。
銀座のど真ん中で暮らしているんだもの。さぞや物入りだろう。付き合いも多かろうと
何度断っても「大丈夫だから」と、送金を欠かさなかった。
それにしてもすぐ米だ野菜だ支払いだと使ってしまう親はいかがなものか・・・。

かなり以前、小番頭になってから付き合いも多くなった。　と何かの拍子に聞いた。
今日、給料前で何かと物入りだろう。とわずかだがいちあんちゃんの口座に
振込んでおいたよ。と電話した。
「男は仕事だからね。教室や家庭で成長するんじゃあないよ。仕事で一人前になるんだから・・・。」
親のそんな能書きも「ハイ・・・。ハイ。わかりました。」と神妙に聞いている。
送金の件も「助かりました。ありがとうございました！」

そんないちあんちゃんも今は番頭さん。
ああ、巣立ったんだなあ。　いっちょまえになんとまあ・・・。
そろそろ魚河岸もスズキ、シマアジの季節を迎える。　青葉若葉のてっぺんにはぐれ雲。