4月9日、劇作家・作家の井上ひさしさんが75才の生涯を終えた。 “現代の戯作者”と呼ばれた井上さんは、戯曲 「父と暮せば」、「太鼓たたいて笛ふいて」 などの名作を次々と発表し、戦争に巻き込まれる人々の悲しい運命などのシリアスなテーマを喜劇の中で描き続けてきた。
その井上さんの最後の戯曲が、小林多喜二の人生を描いた 「組曲虐殺」(2009年10月初演)。
長年準備を重ねたこの作品を肺ガンに襲われながら書き上げたとき、井上さんは家族に「『組曲虐殺』ができたから死んでもいい」と語ったという。
拷問を受けて非業の死を遂げたプロレタリア文学者の小林多喜二の姿を描いた作品は、多喜二と同世代で小説家志望だった父・修吉さんへの鎮魂歌でもあると言われている。
修一さんは井上さんが5歳の時に志半ばで亡くなり、井上さんは、遺された大量の蔵書を読み、亡き父親の気持ちを受け継ぎ、創作を行ってきたのだ。
番組では、なぜ井上さんが 「『組曲虐殺」ができたから死んでもいい」 と思えたのか、その想いと背景に迫る。
「組曲虐殺」 に込めた井上さんのさまざまな想いを、長年舞台を共にした演出家や俳優、さらには病魔と闘いながら井上さんが戯曲を書き上げる姿を見届けた家族の声、そしてNHKに残された井上さんの肉声から明らかにする。
以上 NHKホームページより♪
|
島村先生のブログにも「井上さんがなぜ「組曲虐殺」を書いたのか、その一つの回答がここにはあるはずだ」と書かれていますが、このような番組が報道されること自体にも注目です。