「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

カンゲキ!! 井上ひさし作「ムサシ」

2009-03-07 00:27:48 | つぶやきサブロー
K君に誘われて「ムサシ」(作・井上ひさし、演出・蜷川幸雄)を観劇した。

藤原竜也(26)と小栗旬(26)が共演の、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場の舞台だ。

話は、巌流島の決闘の6年後に武蔵(藤原)と死んだはずの小次郎(小栗)が再会するところから始まる。。。

内容についてはネタばれとなっては迷惑だろうから、いまここでは書かない。

しかし、二大イケメンの藤原と小栗。
ともに、「蟹工船」を書いた多喜二の年齢のヒロインの熱演だ。

4列目からの眺めというのは、役者の汗の匂いや呼吸を直接に感じることができる位置取りで、K君の手配に感謝しなければならない。

藤原は「デスノート」で主演したものを見ただけで、あとはそれほど集中してはみなかったけれど、真摯な演技に迫力があった。
そういう若い力を感じることができたのは幸せだと思う。

舞台で一番印象に残っているのは、「藪原検校」の大地喜和子だった。
舞台とはこういうところかと、その生々しさにうちのめされたものだった。
そして、それからしばらくして彼女はこの世を去った。
本当に惜しい女優だった。

それ以来いろいろと見たものの、あれ以上の感激は得られず、観劇から足は遠のいた。


近年はそれでも、多喜二関係の舞台はいくつか見た。
津上忠さんの演劇論も読んだ。

しかし、喜和子さんの存在感を超えることはなかった。




今回は、新鮮な感動があった。
なんだか 生きる力をもらったという気がする。
それだけ、今の自分は生気が乏しいのかとも思ったが。。。

藤原の発声がよかった。
宮本武蔵が生きていたとしたら、もしかしたらこんなだったかもしれないとも思った。
それだけに演出も演技も噛み合って充実しているのだろうと思った。

舞台「ムサシ」製作発表会



                 ◇
舞台の禅寺を吹き渡る風に、鎌倉の井上邸を思った。
ただ一度だけ、訪問しただけだったが。

                        




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1 コメント

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いいですね!! (めい)
2009-03-10 10:38:33
武蔵なら、立ち回りもすごそうですね。
あまり動きのある舞台は観たことがないので、迫力があって面白そうだなぁと思いました^^

そういえば、坂口安吾が、武蔵についていろいろ書いていたように記憶しています^^
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