映画と渓流釣り

キネマ旬報ベストテン

 2009年公開のキネマ旬報ベストテンが先日発表されましたので、わたくしの思いとともに書き連ねてみましょう。

1位 ディア・ドクター わたくしも1位で投票いたしましたので、これには大賛成です。ずいぶん暫く振りにキネ旬と意見が合いました。以前この日記にも今作品のお話を書きましたが、西川美和本当に恐るべしです。次回作を待つ時間が辛く感じる監督はそういませんから、稀有な存在です。
2位 ヴィヨンの妻 これもまた、大賛成です。わたくしは3位で投票してます。太宰のヴィヨンの妻よりも、田中+根岸+松=ヴィヨンの妻が魅力的であったということです。松たか子の女優としての力量を知る事が出来たのも大いなる発見でした。手練の作品ではありますが、玄人受けする映画をこれからも職人監督には創り続けて頂きたいと思います。
3位 剣岳・点の記 やっぱりそう来たかと言うのがわたくしの感想です。何となく公開される前からこうなりそうだとは思っていたのです。評価されるポイントは幾つもあることは分かります。しかし、いくら日本映画撮影監督の重鎮であるからとはいえ、あの薄っぺらな人間表現が3位になってしまうのは如何なものでしょう。わたしは圏外(ワースト2位)です。
4位 愛のむきだし 来てしまいました。もしかしたら1位かもしれないと、内心ビクビクしていたのです。大変評判が良かったので観たくて仕方なかったのですが、タイミングも機会にも恵まれず拝見できておりません。去年一番残念な出来事でした。
5位 沈まぬ太陽 わたくしは4位にランクいたしました。出来はもう少しどうにかなりそうでもありますが、今時この長尺をシネコンで上映してお客さんに観てもらおうとした映画屋達の心意気に痺れてしまいました。毎年一本くらいはこのような骨太な日本映画を観せていただきたいものです。TV局主導ではありえない企画ですから、映画人が頑張らねばなりません。
6位 空気人形 是枝監督は去年の「歩いても歩いても」に続くランクインです。毎年キネ旬ベストテンに入る作品を創ることは大変な事だと思います。ペ・ドゥナ無くては成り立たない程、彼女は可憐で悲しかった。現代人の心の空虚さをラブドールを通じて感じさせてくれた心に沁みる佳編でした。わたくしは2位で投票しました。
7位 ウルトラミラクルラブストーリー 未見です。観てもいいかなとは思ったのですが、以前やはり女流監督で松山ケンイチ主演の「人のセックスを笑うな」がトラウマになっていて、映画館まで足が運べませんでした。
8位 サマー・ウォーズ 前作「時をかける少女」の方が断然素晴らしいのに、あの時勇気が無くてベストテンに入れられなかった人が投票したんでしょうか?悪くはありません、と言うより、リアルワールドのお話は瑞々しくて大好きです。バーチャルを描きたい作家である事は分かりましたが、一度、正攻法で胸のキュンとする作品を手がけて欲しいものです。わたくし圏外。
9位 誰も守ってくれない 君塚脚本は認めます。特にキャラクターの創り方は天下一品だと思います。ただし、二時間の中で本当に見せたいものが何なのかをまとめる力量は無かったと思うのです。やりたい事はわかりますが、TVでも良かったと思う程度の作品でした。これもわたくしは投票いたしませんでした。
10位 風が強く吹いている まったくノーマークでした。駅伝の話でしたので興味はありましたが、何となくイケメン使ってルーキーズ駅伝バージョンを作っているくらいの認識でした。CSで放送されたら拝見いたします。

邦画を20本観て、キネ旬ベストテン入選作品と重なったのが7本。去年も映画の審美眼は曇ってはいなかったと言う事でしょうか。安心いたしました。
ベストテン以降が分かりませんのでなんとも言えませんが、わたくし個人的に評価していただきたかったのは以下の作品です。「ゼロの焦点」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「エヴァンゲリヲン:破」「余命一ヶ月の花嫁」。

今年も素敵な映画に出逢えますよう、映画館に通います。
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