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映画と渓流釣り

2023 マスクなしでの映画BEST10


新年早々辛い出来事ばかりで、嫌な2024年の幕開けとなりました
ここからは良いことの多い笑顔の一年になりますように

2023年を振り返って、好きな映画を並べてみました


❶愛にイナズマ
ほぼ同時期に公開された「月」の方が目立っていたし、実際わたくしも期待していたのだが思っていたのと違っていたため、やっぱり石井監督とは相性が悪いんだろうと諦めていた。だからあんまり期待していなかったんだけど、この家族映画には心底惚れてしまったのだ。どれ程汚い言葉で罵り合っても血縁の絆は太く強いことが描かれた

❷福田村事件
地震の多いこの国において関東大震災の教訓は長らく語られてきた。その中のひとつが流言飛語に気をつけろ
この映画は隠された日本人の差別意識を曝け出すことで、今でも行われているヘイトの意識を炙り出そうとした。一人一人は優しくて思慮深い人でも災害時の環境の中では、大多数の人が信じる方へ向かってしまう恐ろしさを痛烈に描写している

❸すべてうまくいきますように
個人主義の国フランスでも肉親の死は我々日本人と同じ感情で捉えているんだと、変なところで感心した。まあ、それでも父親の尊厳死を理解し認めて行くところはなかなか日本では難しいなとも感じる
人は生まれてくることは自分では選べないけど、死んで行くことは選択する能力があることもこの映画で知ることになる

❹市子
戸籍を持たないままこの国で生きて行くのは辛いことなんだろうなと思うけど、親の勝手でそんな負目だらけの人生を押し付けられるのはたまったもんじゃない。根底にあるのは貧困、それを引き起こす教育とか介護とかの環境の劣悪さ。日本は一人で生きて行くには充分豊かな国だけど、家族の誰もが笑っていられる国ではないようだ

❺怪物
是枝監督がこのところ新しい映画作りに挑んでいると感じていたが、この作品では脚本を他人に任せるという挑戦が正解か否かは判断できなかった。光の刺す草原へ駆け出して行く子供たちに、希望を感じるのか悲しい結末の暗示と捉えるのかは観客の感性に委ねられた。わたくしは無邪気な喜びとしてこの映画に寄り添うことを選ぶ

❻こんにちは、母さん
山田洋次の母三部作が完成したように思う。これまでの二作はそれほど感心できなかったけど、吉永小百合を神格化することなく下町の老婦人として描くことでようやく日本の母親像が心に響いた。現在進行形の日本社会とのズレは感じてしまうものの、人と人の繋がりを描く才は衰えることなく一流の職人技を楽しませてもらった

❼フェイブルマンズ
これもスピルバーグの母親に対する複雑な感情を織り交ぜながら、自分史に取り組もうとした作品となった
自伝的要素の高い作品なので、監督がどの様に映画に魅せられてのめり込んでいったのかも分かる。わたくしの個人的な感想として、ジョン・フォードとのエピソードは無くてもいいんじゃないかとも思う

❽PERFECT DAYS
役所広司は本当にいい役者なんだと再認識させてくれた。ドイツ人の目から見た東京の街は綺麗なんだということもなんだか新鮮な発見。毎日が同じことの繰り返しで、過ぎて行った一刻を振り返ることなんてないけど、その一日も微妙に違う特別で完璧な日々なんだとヴェンダースは教えてくれた

❾君たちはどう生きるか
やっと宮崎駿がジブリという足枷を断ち切って自分のやりたい事だけをやれたのじゃないかな。本当にこれが最後になりそうだからより一層思うのだけど、死後の世界を描くことに注力しているようだ。そしてこちらもファンタジー色がかなり強いけれど、自伝的なエピソードが散りばめられている。少年時代への郷愁は歳とともに強くなるのか

❿非常宣言
韓国の航空機パニック映画。この手の映画のお約束は、多少の犠牲を出しながらハラハラさせられるけど最後はメデタシメデタシの結末なんだけど、欧米人のメンタルと違うのは自己犠牲を美徳とするアジア人の崇高さだと思う
自衛隊が旅客機に攻撃する描写など荒唐無稽な部分もあるけれど、涙しながら最後まで楽しめるエンタメ

次点
最後まで行く
生きる LIVING
君は放課後インソムニア
せかいのおきく


監督  石井裕也「愛にイナズマ」
脚本  上村奈帆、戸田彬弘「市子」
女優 ミシェル・ウィリアムズ「フェイブルマンズ」
男優 役所広司「PERFECT DAYS」


ここからは恒例の奥様ベスト10
今年は高校三年生、我が家のペットたっくんも参加しました



家族といえどもここまで違うのはすごいですね
たっくんがちゃんと映画を観て感じていることが親としては嬉しいのです

今年も元気に映画館通いができますように


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