今日から「ヤマハSWXでVLANの設定」で、設定した時のポイントを時々投稿します。第一回目は「ポートのモードとは」です。
VLANを始めるときに判りにくいのが「ポートのモード」です。
VLANスイッチのポートには以下の種類の設定があります。
キーワード:タグ無し VID=1 UnTag アクセス
これは一般に、PCなどいわゆるLAN上の端末をつなぐモードです。
全てのLANポートのデフォルト状態で、デフォルトVLANです。
PCや、さらに分岐するスイッチを接続します。「VLANを意識せず普通に使っているハブの状態」です。
もしTag有の通信が来ても、Tagの解釈はせず、透過的に流します。同じセグメントのポートをまとめるので「ポートVLAN」と呼びます。
キーワード:タグ有りのみ VID=2..4094 Tag トランク
タグあり、即ちVID=1以外の通信を行うモードです。VLANスイッチ同士、VLANを設定したサーバとVLANスイッチ区間で使います。
通信可能なTagをポートに複数設定することで、複数のネットワーク=セグメントを一本の通信路に集約することができます。TagVLANですね。
このポートにPC(即ちVID=1)を接続しても、タグ無し通信はできないので、リンクはできても通信はつながりません。同じように誰かが設定以外のTag付通信を試みても通信はできません。
キーワード:タグ有り無し混在 すべてのVID Untag+Tag ハイブリッド
デフォルトVLANと指定のTagの通信ができるモードです。VLANスイッチでは意識的に設定しないとこのモードにはなりません。
通過するTagはVLANスイッチで設定したものだけです。「デフォルトVLANも通過するトランクポート」ですので、用途が限られます。TagVLANですね。
キーワード:普通のハブ=ただのスイッチ
VLANスイッチの工場出荷状態はこの状態で、先のアクセスポートもこの状態です。
VLANの概念がなく、Tagを解釈せず全てのLAN通信を透過的に流します。Tag無しで使う場合がほとんどですが、Tag付通信を流し込んでも「透過的に」通信をおこないます。VLANから見たら何でもあり、無節操状態です。
パケットが到着した先がTagを解釈できれば、Tagに基づく通信が確立します。
ただこの状態をもってVLANと呼ぶことはありません。