世界に、奇跡なんてない!
愛と勇気だけでは、誰も救えない…
でも
奇跡を願わない人間なんて…いない!
まるで、地獄のような状況を
目の当たりにした時…
あるいは
熟達者の的確な判断と
迅速な手腕を見せつけられた時…
私は
自身の未熟さを知り
呆然となる。
そして思う…
これが本当の自分?
いや…違う!
こんなの本当の自分じゃない。
違うと信じたい。
でもそもそも本当の自分って…何だ?
自分探しで見つかるのは
たいてい嫌になるほど惨めな自分。
そんな自分と向き合って
愕然として立ち止まるか
一歩進むかは自分次第だ。
向いている方向が
前なのか後ろなのか
それすら分からないけれど
私は一歩前へ足を踏み出したい…
ダメな自分と一緒に。
人はなぜ
本当のことを知りたがるのだろう?
いい結果をもたらす嘘は
不幸をもたらす真実より良い。
なのに人は真実を知りたがる。
でも人は嘘をつく…
家族も例外ではない。
嘘をつくなら、いっそ
嘘をつき通してもらいたいと
思うときもある。
だけど
嘘をつき通せる人は
そうはいない。
いつだって、人は
過去にとらわれ左右される。
苦い過去…
つらい過去…
切ない過去…
たいていの場合
人は、それを引きずっている。
過ぎ去った日々は
決して戻ってこない…
取り消すこともできない。
生きている今が
明日には思い出となる。
つまり、過去とは自らが生きた証だ。
だが、どうすればいいのだろう?
思いもよらない過去に…
知るよしもない過去に…
ぐうぜん出合ったとき
人は、どうすればいいのだろう?
さんざん手を尽くして
努力したところで
報われないこともある。
誰も助けられないと思うときもある。
だけどそんな時
寄り添うだけでいい。
そばにいるだけで
人は癒されることがある。
でも、どうすればいいのだろう?
寄り添える相手がいないときは…
なぜもっと近くに
いてやれなかったんだろうと
後悔してる人は…
真実を話すのは難しい。
人は様々な理由で真実を隠す。
そして
隠されれば隠されるほど
人は
その扉を開けようとする。
そこに何が待っているかも知らずに…
そこにどれだけ残酷な事が
待ち受けているのかも知らずに…
『結果より努力する過程が大切だ』
そんな事、まっかな嘘だと
大人になってようやく気づく。
人は結果でしか物を見ない…
手を抜いて
結果が悪ければ納得がいく…
問題は
死ぬほど努力して
結果が悪かったとき…
結果が良ければ
勇気ある行動といわれる。
結果が悪ければ
恨まれて罵られる。
10年積み上げてきたことでも
1日…
いや…1分1秒で
すべてが無駄になる…
亡くなった人を
すぐに忘れろなんて無理だ
間違いだ…
引きずったっていい。
忘れる必要なんてない。
大切なことを犠牲にして
身を粉にして働くのは何故だろう?
お金?
名誉?
充足感?
使命感?
いや…本当の理由は…
大切な人の笑顔だったり
誰かからの
『ありがとう』
の言葉だったりする。
でも…それすらも
信じられなくなった者は
どうすればいいのだろう?
怪我をすれば
傷口を縫ってもらえる。
でも…心の傷を
縫い合わせるには
どうすればいいのだろう?
心の傷を癒すのに特効薬はない。
ただ…こう思う。
心の傷は必要だ。
なぜなら
心に傷を負うことで
他人の心の痛みを
知ることができるから。
人生は選択の連続だ。
いずれにせよ
いったん選んでしまえば
引き返せない。
リセットはできない。
不確かな
分かれ道の連続…
でも
どちらかを選び
進んでいくしかない。
岐路は容赦なく
迫ってくる…
この世界に、奇跡なんてない…
そんなことは、分かっている。
奇跡を、願わない人間なんていない…
それも分かっている。
だけど…人生は
奇跡で溢れている。
目が覚めて…
ああ、今日も生きてる…
朝だ!
顔を洗って
朝食を食べて
家を出る…
近所の公園まで
30分かけて
ゆっくりと歩く…
誰かに
出逢うかもしれないし
なんにもない1日かもしれない。
そもそも、奇跡って何だ?
自分や、自分の大切な人が
健康でいること…
打ち込める何かがあること…
間違いを正してくれる仲間がいたり…
負けたくないと思える相手がいること…
そういう
ささやかなことを
奇跡と呼ぶのなら…
我々が生きているこの人生は
奇跡で溢れている。
ただ気が付かないだけで…
すぐそばにあるのだ。
玉〓たまこ〓P