多摩爺の「時のつれづれ(師走の18)」
ハナから招待などしていない。(外交的ボイコット)
12月7日、アメリカ政府が重い決断を下した。
中国で問題となっていた、人権侵害をめぐる残虐な行為を理由に、
来年2月に行われる予定の北京冬季オリンピック・パラリンピック大会に、
外交団を派遣しない・・・ 外交的ボイコットを行うと発表した。
本件については、前日に検討に入ったとの一報が流れたこともあり、
メンツを重んじる中国政府の報道官が早々と反応していた。
「招待を受けていないのに外交ボイコットを宣伝し、大衆の歓心を買おうとしている。」と批判し、
「アメリカは、スポーツを政治化すべきではない。」と付け加えている。
ほぉぉ・・ そうきたか?
「ハナから招待などしていない。」とは、確かにその通りで、良く練られた名言ではあるが、
いかに大国を自負する報道官のコメントであっても、鼻持ちならないとはこのことだ。
毎度毎度発せられる・・・ こういった喧嘩腰のもの言いには、
わが国にも、こういった野党の女性幹部がいるので、すっかりなれっこになってはいたが、
野党の幹部と、一国を代表する報道官を比較しちゃ失礼と思うものの、
別格の恥ずかしさがあって・・・ あの仏頂面を含めて、失笑を堪えることができなかった。
これは「戦狼外交」と呼ばれ、反中の海外勢力に向けての報道姿勢だが、
絶対に非を認めようとしない「戦狼外交」は、
国際社会では反感を買うだけであって、なに一つ得にならないにも拘わらず、
それが分らないのが・・・ この国が重んじるメンツという、おバカなプライドなんだろう。
たとえそれが、引き締めを保つための、国内向けの強気な発言であったとしても、
メンツよりも恥を気にかける日本人から見れば、顔が赤くなるぐらい恥ずかしいことだが、
それで満足してるのだから、社会主義による思想教育の歪みをみたような気がする。
アメリカと中国の関係は、経済や環境での歩み寄りはあるんだろうが、
台湾問題や、朝鮮半島問題が解決するか、それとも中国共産党が崩壊しない限り、
きっとこのまま変わらないのだろう。
さて、問題は・・・ 我が国がどうするかだ。
日米同盟を重視すれば、アメリカに追随するしかないと思われるが、
隣国との経済や交流を重視するのであれば、中国の機嫌を損ねることは得策にはならない。
既にアメリカは、同盟国に向けて外交的ボイコットの決定を通知しており、
追随するか否かについては・・・ 「それぞれの国の判断に委ねる。」としている。
イギリスやカナダ、オーストラリアなどは、追随する方向で検討を進めており早晩発表するだろう。
とはいえ、欧米と我が国では、地政学的なこともあって、
素直に「はい分りました。」と・・・ アメリカに追随するのも悩ましい。
アメリカに追随すれば・・・ 経済を含めて理不尽な嫌がらせをしてくるのは間違いなく、
癪には障るが・・・ いまとなっては、
東京2020で、頼みもしないのに開催に協力してきたことが、要らぬお世話だった。
総理は「我が国の外交にとっての意義等を総合的に勘案し、
国益の観点から自ら判断していきたい。」と述べ・・・ 結論を保留している。
尤もなコメントだが・・・ 一つだけ、注文つけたいところがあるとすれば、
着目すべき観点は・・・ 国益ではなく、人権とすべきだと私は思う。
天下国家を治める為政者と、そこら辺りの爺さんとでは、背負ってるものが段違いだが、
その方がしっくりくると思うが・・・ どうだろうか?
まぁ、いますぐに結論を出す必要はないものの、
臨時国会の後か、年明け早々には決断を迫られており、そんなに時間があるわけでもない。
また、個人的には、官邸に人権担当の首相補佐官が新設されたことにも注目している。
法務や文教に精通した専門家ではなく、防衛大臣を務めた国防の専門家が、その任に就いており、
なんとなく、答えが見えてるようにも思えるが・・・ さて、どうなるのだろうか?
新設されたポストに、早くも出番が回ってきたようなので、いきなり見せ場に期待したいと思う。
酒は恐ろしく強いようだが、見た目が優男(やさおとこ)の総理にとって、
胃が痛くなるような、最初の試練は・・・ 臨時国会よりも、むしろこちらかもしれない。
個人的な思いとしては・・・ いかにスポーツとはいえ、
いま、このタイミングで、人権問題から目を背けるようでは、
国際社会の笑いものになりかねないと思うが・・・ どんなものだろうか?
しばらくは、中国からの硬軟を巧みに使い分けた恫喝メッセージと、
目に余る嫌がらせに堪えるしかないんだから、ホントに困ったちゃんで、
厄介で迷惑極まりない、わがままでめんどうくさい隣国だとしか言えないことが、
悔し過ぎると思うのは・・・ 私だけではあるまい。
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