多摩爺の「時のつれづれ(師走の59)」
筋書き通りの臨時国会
政治資金規正法の再改正に向けて、「企業・団体献金」の決着は来年3月に先送りされたものの、
政策活動費の廃止については、自民党が一部非公開とする「公開方法工夫支出」を削除したことから、
会期を24日まで延長して、議論を尽くすということで折り合いが付き、
再改正に向けて、与野党ともに筋書き通りというか、格好が付くことに至ったようである。
また、いまさら感は否めないが、裏金に関わったとされる議員たちが、
紆余曲折を経て、衆参の政治倫理審査会に出席し、
形式的な弁明と、成果が見えない生産性のない質疑が繰り返されていた。
素人目に見て・・・ 弁明者は恥をさらしながら時の経過を待ち、
質問する野党議員は、質疑をやったという実績を作っただけで溜飲を下げていて、
高い歳費をいただく方々の仕事とは思えないような、恥ずかしくて堪らない場面だったが、
これもまた、筋書き通りと言えばそのとおりなんだろう。
まっ、それはそれとして、裏金との疑念が残る「公開方法工夫支出」を削除したことについて、
総理は、外交安全保障、企業秘密、プライバシーなどに関する支出の公開については、
工夫が必要だと思うものの・・・ 政治改革を前進させるため、譲歩したと説明している。
自民党内で議論して「公開方法工夫支出」に至ったんだから、
党の総裁でもある総理が、そのように答弁しなきゃならないのは、ある意味で分からんでもないし、
公開方法に工夫しなきゃならないような支出が、全くもってあり得ないとも思わないが、
開き直ったかのような答弁は・・・ 詭弁とまでは言わないものの、言い訳がましいと思う。
外交安全保障に関しては、そもそも政府の仕事であり、
そこで情報収集費用などの、表に出せないおカネが必要なら、官房機密費で支出すれば良いし、
与党はおカネを使わず、政務三役から情報を共有してもらえば良いだけのことである。
企業秘密に関しては、政策の立案に企業の秘密が必要と云うのなら、
それこそが、当該企業に便宜を図る可能性がある裏金へと繋がりかねず、
それでもって企業や団体から献金を求めたら、
こりゃもう「ズブズブの関係にですよ。」と暴露したに等しいのではなかろうか。
とはいうものの・・・ 経済対策や、成長戦略の策定のために、
どうしても必要な情報を得るため、お金が必要なら、表に出せないお金じゃなく、
所管する省庁が持ってるはずの調査費を使って、当該業界や団体から情報を得たのち、
当該省庁の政策として反映すれば良いだけのことである。
そもそも政治とカネの問題が起こったとき、崇高且つ高潔な立場にあるはずの為政者は、
その責任が、例え秘書にあろうが、会計責任者にあろうが、
倫理的、道徳的な観点から責任を取って、自らの出処進退を明らかにして、
その職に相応しいか否かを問う覚悟があれば、ここまでの問題になってなかったであろう。
政治とカネ問題に関わった、総ての議員がそうだとは言わないものの、
為政者として、沽券に関わるような疑念をかけられたのであれば、
立ち振る舞いを含めて、汚名を返上し名誉を回復するために、ハラを切る覚悟が必要だったと思うが、
残念ながら、そういった方々ではなかったということに尽きるのかもしれない。
然は然り乍ら(さはさりながら)・・・ 総選挙が行われ、
少数与党ではあるものの、政権を担っているわけだから、受身に回ることなく、
大局的な視点で、国会運営を担っていただきたいと願ってやまない。
例えば、古くは田中内閣の「日本列島改造論」、大平内閣の「田園都市構想」であったり、
直近では、安倍内閣の「戦後レジームの脱却」とか、岸田政権の「新しい資本主義」のように、
少数与党なんぞにビビることなく、大上段に振りかぶり、
大局的な議論が出来る土俵を・・・ まず、造っていただきたい。
あくまでも私見だが「税と社会保障の一体改革」といった新たな土俵を造ることができれば、
それを掲げたばっかりに、政権を失ったのが、いまの野党第一党の代表なので、
彼も政治とカネの問題に、拘り続けることもできなくなると思うので、
議論そのものが活性化するし、内容も格調の高いものになるんじゃなかろうか?
さらにそこには、103万円の壁問題や、地方の税収減といった、
枝葉の課題は、総てここに包含されることから、例え少数与党であったとしても、
自ら造った土俵の上なら、政策をリードできると思うが・・・ 如何なものだろうか?
特にベーシックインカムを俎上に上げて、議論を始めることができれば、
103万円の壁も、106万円の壁も、
あっという間に吹っ飛んでしまうほどの・・・ 大改革になることから、
是非とも、そういった大きなテーマを掲げた議論をしていただければと、願ってやまない。
昨日は103万円の壁を123万でどうかと提案した、自民党税調の責任者が袋だたきにあっている。
個人的にはいろんな意味合いから正論だと思うものの、
相手が造った土俵で議論を進めると、正論が正論でなくなってしまうことに早く気づくべきだろう。
また、生意気なことを言って申し訳ないが・・・ 少子高齢化をメインにするなら、
「スマートシティ構想」も大きな土俵になるだろう。
地方と都市の問題、物流や交通の問題、教育や福祉の問題などなどあるが、
総論を語らないまま各論から入ると、あるべき姿に向けて、議論の進捗が見えてこなくなる。
少数与党であろうと、政府が受身に回って議論すると、
各論中心の政策議論となってしまい、
枝葉に拘りを持ち続けて、木を見ず、森を見ず、山を見ないまま、
時間だけが、いたずらに過ぎてしまってると思うが・・・ 如何なものだろうか?
会期の短い臨時国会のメインは補正予算だから、
目先の議題になるのは致し方ないが、
年明け早々から始まるであろう通常国会では、是非ともそこに期待したいと願ってやまない。
最後に、話しが彼方此方に飛んで、取り留めのないことを綴ってしまったが、
本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解をいただければありがたい。
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まあ少数与党とは、それくらい低姿勢に出て話し合いをしなくてはならないのでは。
それに比べ韓国のユン大統領は、話し合いも妥協もする気がなく、巨大野党に突っ込んで行って、短気を起こしあんな暴挙に走ってしまったのかな。
知らんけど😃
仰るとおりだと思いますが、103万円の壁は個別改革というより、一体改革しなきゃ整理できないので、
野党がよく口にする、会議室で話し合って決める課題ではないと思っています。
まっ、それでもお隣の半島のように、暴走ぎみに熱くなりすぎないのは評価しても良いかもしれませんね。