多摩爺の「時のつれづれ(霜月の8)」
紅白歌合戦が楽しみだったころ
「MISIAが、骨折したんだって」朝の情報番組を見ていた女房が、突然そう言った。
「MISIAって・・・ だれよ?」と、私が返すと、
「え゛ぇぇぇ・・・ 知らないの?」と、素っとん狂というか、呆れたような声が戻ってきた。
昨年の「NHK紅白歌合戦」で、紅組のトリを務めたパワフルな歌姫が事故に遭遇したようだ。
今年も同番組への出場が決まっていた・・・ 歌手のMISIAさんが、
ロケ中の落馬事故で、背骨の胸椎棘(きょうついきょく)突起部を骨折し、
全治6週間の重傷を負ったらしい。
個人的には、どんな歌を歌ってるかは知らず、
繭玉のような頭が特徴の、個性的な方ぐらいの認識だったが、
大晦日の紅白歌合戦から逆算すれば、6週間目が本番だけに、ご本人の怪我の状況も気にかかるが、
リハーサルを含めた、様々な演出に支障が出ることもあり、
番組関係者は、相当に頭が痛いことだろう。
今後は、骨折箇所が背骨だけに、ピンチヒッターを立てるということも含めて、
双方で検討されるのだと思うが、プロ根性というプライドに促されて、
無理して強行出場することがないよう、熟慮してほしいと願う。
そんなこともあって、今年の「NHK紅白歌合戦」の出場者を、何気に調べてみたら、
ホントにどうでも良いことなんだが・・・ 二つの異変に気がついた。
一つ目は紅組で、ここんとこ栄華を誇っていたAKBグループが、1組も選ばれていないことで、
その代わりと云っちゃなんだが、
坂道グループが3組(桜坂・乃木坂・日向坂)も選ばれていた。
爺さんの年代からしたら、AKBだろうと坂道だろうと、
スカート丈の長さ以外は、そんなに大差ないようにも思えるが
それぞれのファンからしたら「そんなもんじゃない。」とお叱りを受けるかもしれないので、
くれぐれも、邪(よこしま)な視線で見てるわけではないことだけは、
誤解ないよう、申し上げておきたい。
端的にいえば・・・ アイドルも歳を重ねるに連れて、旬の輝きを失い始め、
自然体でファン離れが進んでいく。
世知辛いとは思うが、おニャン子から始まって、モー娘、AKB、坂道へと向かう、
この国のアイドル文化は揺るがず、10年刻みで新陳代謝が起こっているものの、
同世代の思考に、大きな変化が生じてるわけではないようだ。
もう一つは白組で、出場者21名(グループ)のうち、なんと・・・1/3がジャニーズなのである。
大晦日で解散を宣言している嵐は、これまでの貢献度から、選ばれて当然だと思うが、
関ジャニ、キスマイ、キンプリ、ストーンズ、スノーマン、ヘイセイジャンプを入れて、
総勢7名(グループ)は、いくら彼らが人気者で、売れてるので視聴率が取れるとはいえ、
あまりにも・・・ 忖度し過ぎじゃなかろうか。
紅白歌合戦の放映時間は、午後7時30分から始まって、
11時45分で終わるまでの4時間15分だから、
その半分の1/3は、約42分となり、公共放送をそれだけ占有していることになってしまう。
視点を変えれば、選ばれなかった他の男性歌手がだらしないだけで、
ジャニーズをとやかく言っても仕方ないのだが、
いつまでも、こんなことやってたら・・・ オールドファンが逃げてしまうと思うがどうだろう?
一時期は、カタカナの歌手やグループが増えて、時代が変わったと感じたころもあったが、
今年に限っては、ローマ字の歌手やグループが、紅組で10名、白組で8名だから、
ほぼ半数がそういうことになっていた。
申し訳ないが、これじゃ我々のような年寄りは、知らない歌手ばかりでついて行くことができない。
古すぎて申し訳ないが、かつては・・・ 村田英雄の「皆の衆」に、
家族みんなで手拍子していたことがあり、
島倉千代子の「人生いろいろ」のサビ「♪おんなだって、いろいろ咲き乱れるの」の部分で、
横に座って見ている、女房の顔をチラ見したりすることがあったり、
五木ひろしの「契り」の出だしで「♪あなたは誰と契りますか・・・」の部分で、何気に「ドキッ!」
とした紅白もあった。
極めつけは、三波春夫の十八番「俵星玄蕃(たわらぼしげんば)」だった。
歌の合間に入る、軽快なテンポの台詞「雪をけたてて、サク、サク、サク・・・」が始まると、
三波春夫の声に合わせて「先生」と叫んだあと、「おう、蕎麦屋か」と返す場面で、
これが決まると、子供たちが期待以上に喜んでくれるもんだから、
この歌だけを1年待ってた・・・ 紅白もあったぐらいだ。
昨年はAIを担ぎ出し、美空ひばりさんの歌を復活させたんだから、
今年は是非とも・・・ 三波春夫さんの「俵星玄蕃」を復活させてほしいと思っている。
年々高齢化が進む昨今、我々と同年代の歌手も少なく、ヒット曲がないのも承知してるが、
60歳代、70歳代、80歳代の元気な面々が、
「あっ、そうそう、これこれ、この歌だよ!」って、
思わず画面に食い入るような、懐かしい歌が2~3曲ぐらいあっても悪くはないだろう。
ちょっとだけ、年寄りの心の声に・・・ 耳を澄ませてみれば、
「受信料で成り立ってる、公共放送なんだから、少しぐらい配慮しろよ。」という声が聞こえて来た。
だれでも良いから、この声を渋谷区神南に届けてくれないだろうか?
紅白歌合戦が楽しみだった・・・ あのころに、
もう一度戻ってみたいと思ってるのは、私だけではないだろう。
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