時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

後任に戸惑い(東京2020)

2021年02月12日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の8)」
後任に戸惑い(東京2020)

昨年3月に販売が開始されると、自粛(巣篭り)生活の影響もあって、
瞬く間に大ヒットした「あつまれ どうぶつの森」というゲームソフトがあった。
もし、いまこのタイミングで二匹目の泥鰌(どじょう)を狙って続編を作るとするなら、
他人を揶揄するのは好まないが「たちされ しつげんの森」というものが、あったかもしれない。

悪い冗談はさておき、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を7年も務められていた、
元総理の肩書を持つご老体が、本人からすれば無念極まりないと思うが、
本番まで残すところ4ヶ月となったいま、
昔から「口は禍の元」と、よく云われていたが、まさにそのとおり、
お得意の舌禍が災いして・・・ 本日、とうとう辞任を表明されるようだ。

子飼いで固めたJOCは、こぞって火消しに努め、事態の沈静化を狙ったが、
抗議の連絡が相次いだうえに、ボランティアや、聖火ランナーから辞退の申し出が出始めると、
呼吸を合わせたかのように、現役アスリートが続き、スポンサーから強烈なダメだしが出てきた。

それでもJOC関係者は、言い訳めいた会見を開いたものの
「謝ったので済んだ。」と沈黙を続けていたが、
一度は謝罪を認めたIOCが、手のひら返しで批判に転ずるんだから、
にっちもさっちも行かなく
なった。
もはや・・・ 四面楚歌であり、将棋でいう逃げ場を失った雪隠詰めである。

国会では、野党議員が連日、総理に対して権限外の会長辞任を求めるという、
役にも立たない質問を繰り返したり
白い服や、胸ポケットに白い花を付けるといったパフォーマンスを繰り返したが、
これはこれで厭味程度であり、
昨秋の学術会議問題とは逆の論理で、権限のない者に実力行使をしろと求めるんだから、
これには・・・ ガッカリと言わざる得ない。

そんなところに、後任はJリーグ初代チェアマンを務めた、
サブローさんで調整中との速報が入ってきた。

総理を経験したの安倍さんや麻生さんを推す声があったなか、
サブローさんは、1964のオリンピアンであり適任だとの声あるが、
高齢者から高齢者への交代となってしまい、
この国は世代交代できない国だと世界へ発信することにも繋がり、
これについては、あまり感心できない。

そんな杞憂を決定づけたのは、夜になってサブローさんが前任者を相談役としたいとしたことだった。
「ちょっと、待ってくれ。」・・・ サブローさんは、既にJOCの組織内に居る人である。
前任者を辞めさせずに、そこに置いておくということは、
事をスムーズに運ぶためには、必要なことかもしれないが、
これでは単なるポストチェンジであって、批判を受けた前任者依存の体制となんら変わらない。

ガッカリである。
JOCは、またしても自浄能力がないことを・・・ さらけ出してしまった。
これでは、コロナ禍を恐れ、延期や中止を望む国民の声を、
開催に向けて切り替えるのは難しいだろう。

私的には、サブローさんにするのなら、前任者を組織外にすることが最低条件
でなければ・・・ もう遅いかもしれないが、新たな適任者を早急に探すことだと思っている。
サブローさんの功績に、イチャモン付けるつもりは、全く持ってないが、
あえて、1名を挙げるとすれば・・・ 谷垣さんではなかろうか?

野党政権時代の自民党総裁であり、不慮の事故で車いす生活となられたが、
年齢的にはまだ70代の半ばであり、前任者やサブローさんより・・・ ひと世代若い。
障がいをもった方が、陣頭指揮を執ることで世界の見る目が変わり、
パラリンピックへの後押しを含め・・・ 雰囲気が変わる可能性も、秘めてるんじゃなかろうか?

前任者の辞任が避けられない事情があるなか、今回の後任選びのポイントは、
騒動を起こして辞める人が、後任の人事に口を出してはいけない。
前任者が退場した後、組織として議論し決定することが肝要だと思ったが、残念ながら叶わなかった。

ありきたりだが・・・ 「老兵は去る。ただ消え去るのみ。」
その昔、誰かがそんな言葉を残して、退役したと記憶している。
寂しさもあるが、未練がましく影響を残すようなことがあってはならないという戒めでもある。

いまとなっては、手遅れ感は否めないが、今月中なら・・・ まだ間に合う。
どこの、だれでも構わない。
一刻も早く「たちされ しつげんの森」を開発したとの朗報がほしい。

なお、私は「東京2020」を無観客若しくは、
国内に住む人だけで制限を設けて観戦することには大賛成で、
アスリートには来日前のワクチン接種を義務付け、国内の接種も進めば、
感染拡大は最低限に抑え込めると思っており、
やみくもに、延期や中止を後押しするつもりがないことだけは・・・ 記しておきたい。

追伸
その後・・・ 12日15時から行われた理事及び評議員の懇談会により、
当事者のご老体は辞任を表明され、後任者についても大どんでん返しがあったようで、
サブローさんは辞退され、新たな人で選考に入ったようである。
当然の成り行きだと思うが・・・ この国もまだまだ真面だと分かり、安堵した人も多かったと思う。


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