時のつれづれ(北多摩の爺さん)

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どうなる? 103万円の壁

2024年12月26日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の63)」
どうなる? 103万円の壁

イブの昼下がり・・・ 熟議の臨時国会が終った。

確かに議論は活発化され、熟議といえば熟議なんだと思いもするが、
国民生活や、震災復興に必要な補正予算と、103万円の壁問題を除けば、
議論は政治とカネの問題に終始し・・・ 熟議をどうのこうの言うつもりはないが、
その内容が政に関わる当事者たちに特化したことで、議題としてはお粗末極まりなく苛立ちを覚える。

また、熟議そのものにイチャモンを付けるつもりはないが、
国民の視線は、野党第一党を中心とした批判よりも、公約を実現する方向に移りつつあり、
国民民主党が掲げた「対決より解決」に期待する声が、
総選挙から2ヶ月を経たいまも、依然として高止まりしており、政界の潮目が変わってきている


最近、公明党の影が薄いが、同党が連立与党入りした最大の目的は、
記憶が確かなら・・・ 政策実現に軸足を置いたからではなかっただろうか?
同党が掲げる生活者に特化した公約が、国民民主党との親和性が高いことを踏まえれば、
政権に入ったことで遠慮せざる得なかった政策について、物申す相棒ができたと言っても良いだろう。

公明党に対して、けっして「後から鉄砲を撃て。」というのではないが、
消費税を8%から10%に上げるとき、生活者目線で食料品の軽減税率の導入に拘ったように、
連立与党のパートナーとして、生活者に特化した政策に関しては、与党協議の段階から、
いまの国民民主党のように、もっと、もっと是々非々の姿勢に拘って欲しいと願ってやまない。

まっ、それはそれとしておいとくが、問題は落としどころが見えない103万円の壁である。
政府与党が提示した123万円への引き上げに、あからさまな不満を示し、
自ら主張する178万円から一歩も引かず、超強気の姿勢を崩さない国民民主党は、
協議は延長戦(年明けの通常国会)に持ち越されたと豪語している。

それにつけても、自らの不始末で役職停止を受けているはずの同党の代表だが、
役職停止など、どこ吹く風で・・・ メディアに出ずっぱりで、街頭演説にも熱がこもっている。
それについては、如何なものかと思うものの、
それだけこの問題に国民の期待が大きいということだと捉えれば、彼の行動も分かり易い。

彼にいわせれば、どこまで178万円に近づくかが落としどころで、
少なくても、150万円を巡る攻防戦に持っていきたいようだが、
さて、どうなるのだろうか?

178万円と123万円を足して2で割れば、確かに150万円あたりが折衷案になりそうだが、
課題になるのは、税収が減ってしまう地方の首長をどうやって納得させるかと、
いきなり来年度から導入するのは、事務的に厳しいと思われることであり、
123万円なり、150万円なり、178万円に向けてのロードマップをどう描くかにあると思う。

もちろんそれは、総選挙で与野党が公約に掲げた、近い将来の時給1500円を達成すると仮定して、
労働時間と年収のバランスに配慮し、178万円に至るまでのシミュレーションと、
地方の首長が納得するような財源を織り込んだうえで、
それを何年後に達成させるのかを明記した・・・ ロードマップでなければならない。

思うにいまの三党協議は、地方の首長が納得する財源に関する、知恵出しが足りてないうえに、
財源的にも事務的にも、来年から実施することが困難なことが分かっているにも拘らず、
国民が納得するロードマップを描こうとしないことに問題があると思うが、如何なものだろうか?

まずは123万円の壁か、150万円の壁を目指し、
実現可能な、近い将来のロードマップが描けるかどうかが重要であって、
財源問題に深入りしたくない政府と国民民主党が、
どちらがそれを描くかについて、押しつけあっているように見えている。

そもそも三党の幹事長が、来年から178万円を目指して引き上げるとの合意文書にサインしており、
「178万円をめざして」の「めざして」部分は、いったいなにを意味しているのだろうか?
どう考えても、それがロードマップ(工程表)の作成だと思うが・・・ 間違っているだろうか?

その第1ステップが123万円だったら、第2ステップは・・・ いつ、いくらになるのか。
さらにその先178万円になるのは、いったいいつで、何年かかるのか、
さまざまな懸案事項を俎上に載せて、協議をオープンにして詰めていけば、
言い出しっぺの、国民民主党の手のひらの上で・・・ 今後も協議が進んで行くだろう。

もしもそうなったら、与党だって178万円の到達を、そんなに先延ばし出来ないし、
ましてや、着地点を曖昧にしておくこともできないと思うが・・・ 如何なものだろうか?

今回のドタバタは、国民民主党が功を焦ったように見えるが・・・ いまからでも遅くないので、
主導権はまだ、国民民主党側にあるので、論理的に詰めてくれることに期待したいし、
早くて3年、遅くても5年ぐらいを目途に、
178万円到達するロードマップを描いて欲しいと願ってやまない。

なんとなく不完全燃焼となった感が漂う・・・ 103万円の壁だが、
おそらく、年明け早々になにかしらの動きがあると思うし、
そうあってほしいと・・・ 願ってやまない。


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2 コメント

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Unknown (wada67miho)
2024-12-26 05:49:44
多摩爺さま

財務省の味方をするわけではないが、日本人は納税意識が低いような気がします。税金は獲られるって被害者意識。そもそも納税は国民の三大義務なのに。
まあ国力低下で生活が苦しくなっているのは分かります。それに確かに税金、各種保険料で手取りが少なくなっていますが。
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Unknown (多摩爺)
2024-12-26 06:24:30
和田さん、おはようございます。

鋭い着眼点だと思います。
三大義務とはなんなのか、ない袖は振れないのに欲張りになってるかもしれませんね。
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