簀(す)は、毎日の紙漉きに使う、無くてはならない道具のひとつで、それぞれのサイズの桁(けた)と対になっています。
簀(す)と桁(けた)を対にして『簀桁(すげた)』と言います。
↑(桁)
一度、新調すると、何十年と使える物ですが、長年使っていると、竹ヒゴを編んでいる糸が切れたり、ヒゴが傷んだりしてきます。
今回は、簀編みの職人さんの所へ、編み糸の切れた箇所の修理に出していました。
紙漉き師、この簀の修理も出来て一人前…と言うらしいですが、
あちらも、こちらも、と切れてくると、とてもとても…
修理や、時には すべてヒゴをばらしてもらう『編み直し』に出したりもします。
和紙を透かすと現れる美しい簀の目も、
この竹ヒゴと編み糸によって生まれる手漉きの和紙ならではの物です。
また、美しいだけではなく、紙漉きの動きに耐える強さと、しなやかさも、簀には求められるのですから、簀を編む技術はとても優れた職人技だと思います。
先日のトロロアオイの農家さんと同じで、
簀編みの職人さんも、私たちが紙漉きを続けていく上で、無くてはならない存在の方々です。
それぞれのパーツを担う職人さん、どの方が欠けても成り立ちません。
前にも言いましたが、手仕事の世界の多くは、分業制で成り立っています。
ですから、それぞれの職人さんの優れた素晴らしい技にスポットライトが当たり、
その技術が絶える事なく、ずっとずっと繋がっていく事を願います。
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みゆき
hibinouturoi
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