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→♂♀←_no.15_2013:ねじまき少女

2013-05-28 22:21:59 | 今月のお薦め_XX.20XX
ねじまき少女 パオロ・バチガルピ 早川書房
ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房

バンコクの虎、ジョイディーが罠にかけられるあたりから物語(展開)のテンポが上がり、おもしろくなってきたと
下巻を手に取るやショック!。

ショックから立ち直ったのはギボンズが生物学的製品のプラントを疑うことを助言するシーン。ここはSFの醍醐味だ。インフルエンザに纏わる鳥ー豚ー人の話を知ったときに、こちらの勝手な思い込みに対して現実の伝播のシンプルさと実力に、ただ単に驚愕した(自然の前にどれだけ人類があがいても自然の一部に過ぎない当たり前の事実)が、それを、こんな感じでSFの盛り込んだか!って、実際の過程は知らないくせに、本作が賞を総なめしたことを大いに納得したのである(おもしろくしっかり構築された世界観が最大の要因であろうが、そっちは平凡な気がする)。

で、それからのストーリ展開が、ねじまき少女同士の対決が見られそうになったり、ホク・センがうまくいくかもしれない計画を思いついたなんて書いてあるから、源道様にエミコがただ単純に捨てられたことを疑わずに読んでいたのは間違いだったかもしれない、他にも読み落とした伏線がたくさんあるのか、などワクワク・ドキドキしながら終盤を読み進める。が、物語の落ち着き先は胸を高鳴らせたことが独り善がりと感じさせるもの(個人的感想)。本作以外の未読の作品群との兼ね合いがあるのだろうか、エピローグでエミコとキップとギボンズが出会って終わりというのは妥当・無難なのかもしれない、と知ったかぶり損なっておこう。

それから、忘れてはならないのは健気な少女・マイの存在。上下巻(または物語の終始)を通して、お話に明るさをもたらしてくれたし、随所でストーリイを牽引している。マイのような素直で賢い若い命が(ジョイディーの言うところの守るべき国民で)国家の主エンジンであろうし、子供女王陛下はその象徴かと知ったかぶり損ないパート2。

結局、唯一のタイミングでカニヤに国民のため、引き金を引かせたのはジョイディーの精神であり、そのジョイディーの精神も罠にかけられなければ発動しなかったかもしれないと考え、複雑な気持ちに。

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