文字情報を中心にした私的適当配信、texto_022です!
今回は
☆今月のお薦め_02.2007;昆虫―驚異の微小脳 など
☆ストーリー”プルシナーの世界”;BSE、プルシナーについてものを申しておきますか。
先ずは最近、気になった、幾つか。
ボナンザは平手でいい戦いをしてくれました。より複雑化する社会に生きる私達にとって物事の重み付け、優先順位のつけ方の参考になる話かもしれない。
アメリカの蜂事情も続報が知りたいです。というか近年の傾向なのですが蜂と被子植物の経緯を考えると何故?を把握しておきたい。
その他、メタンハイドレートとベニズワイガニ、だいぶ盛んになってきた電気自動車報道など気になる話題が多かったです。
中でも厚生労働省の研究班によるBSEに関する報告は気になります。
どう気になるか、うまく説明できないのでいきなりですが例え話です。
ある具だくさんの煮物料理を食べるとアレルギーが出る人がいたとする。
ある食材だけに反応しているのか、
複数の食材に反応しているのか、
料理方法に原因があったのか、
器と食材の組み合わせに原因があったのか、
などなど要因が特定され、その状況を排除し
(排除された状態が当初の料理を大差が)ない限り
その煮物料理を食べる時はアレルギー反応を覚悟しなくては
いけないだろう。
BSEのメカニズムについては我々はあまりにも知らない。
少なくとも一般に住むものは知らされていない。
ということで、今回のストーリーはBSE関連です。
その前に脳について考える、特に
行動・動機について考えを膨らませてくれる2冊!を紹介します。
水波誠 中央公論新社刊
松沢哲郎著 講談社学術文庫
今回、これらの本を同時期に読んだことは
脳・行動・動機というものを考えるのに
人に近い、遠いという距離感が異なるあぶり出しが出来たようで、
なかなか楽しい読書になりました。
☆昆虫―驚異の微小脳
日々暮らすため、運動を司る脳の役目というか、
目的に対する指示系統の流れは哺乳類(人類)も昆虫も
似たり寄ったりだと感じた。
☆おかあさんになったアイ―チンパンジーの親子と文化
赤ちゃんを仰向けに寝かす、置くヒトの特殊性に
納得できた。
今月のお薦め_index->
プルシナーの世界
ここは我々の世界同様、牛と人の狂牛病(BSE)が存在するパラレルな世界である。ただし、この世界において、BSEの病原体は異常型のプリオンであることが確かめられている。
確かめられているというのは、病気である個体から異常型プリオンが検出でき、検出した異常型プリオンの濃縮・精製ができ、精製した異常プリオンを健康な個体に移植し発病することすべてを確認した状況を指す。平たく言えば、病気である生き物から異常なプリオンの存在を確認し、取り出し、増やし、発病しない量を健康な生き物に入れ、異常型プリオンの増殖により病気になることを観察したということだ。
驚くなかれ、我々の世界では少なくとも西暦二〇〇六年度までに下記の事柄は確かめられていない。プルシナーが確かめたのは人工的に作ったプリオン(似の)蛋白質を他の生物より取り出した遺伝子を細胞に入れ、本来とは異なる遺伝的特徴をもったマウスに注入し、発病を確認したことに過ぎないのだ。
話を我々の世界からパラレル世界に戻そう。異常型プリオンが病原体であったため、AIDSを上回る規模で人はBSEに感染した。というのも異常型プリオンというのは体内に存在しても問題のない蛋白質である正常型プリオンの文字通り異常版であることに起因するからだ。体を構成する様々な蛋白質は遺伝情報であるたくさんの設計図から必要に応じて基本単位である数種類のアミノ酸を繋げることで作られている。幾つかの形状のブロックで複雑な形を作成できる玩具に似ている。ただし、蛋白質の繋がり方は一次元的であり、ブロック玩具ほど自由度はない。
果たして、正常型プリオンが異常型プリオンのため異常型になる、蛋白質が蛋白質に影響を及ぼすパラレル世界のBSEは非常に優秀な布教活動をする宗教家が信者の数を著しく増やすが如く、牛から牛へ、そして、牛から人へ爆発的にひろがったのである。
そもそも病の多くは個体内外由来を問わず蛋白質の大量発生や個体外由来の異物質の大量混入による蓄積・滞留に因り、複雑である。
癌は蛋白質の供給過多な現象である。入力ミスにより予定枚数を遥かに上回る排紙を続けるコピー機かプリンターの如く無駄な生産を止めない。それは無秩序な建設ラッシュが道にすら建物を建て、種々の移動がままならず、遂には都市として機能しなくなった街のようである。このとき、建設ラッシュの元を断たなければ、転移の如く、他所の土地でも同じことが繰り返されるだろう。
AIDSやインフルエンザなどウィルスに因る病気は体内に送り込まれた個体外由来の蛋白質の設計図である遺伝情報のコピーがばら撒かれることに恐ろしさがある。個体内でコピー設計図に則った建設が進められ、蛋白質の供給過多が実行される。特にAIDSの巧妙さは偽造計算に基づく設計が人知れず、ひろまったことと似ている気がする。
また、ドウモイ酸の蓄積による中毒症はゴミ処理に困った街のようだ。しかも、アミノ酸であるドウモイ酸は料理如きでは分解されず、単なるゴミというより、処理が難しい産業廃棄物みたいである。
癌もインフルエンザもAIDSもドウモイ酸中毒も個体の生命維持活動である、自ら以外を排除しようという仕組みを掻い潜る様子が巧妙である故に複雑な都市問題と似通ってくるのも頷ける。
しかし、これらに対して蛋白質を直接攻撃する異常型プリオンが病原体であるパラレル世界BSEは個体内由来の物質の大量変化に相違ない。街の一角に忽然と一つの欠陥なビルが建つことで近隣のビルが同じ欠陥になっていくようなものである。好色な男性の表現として、女性がその男性のそばに近づくだけで妊娠する、という言い回しがあるが、パラレル世界BSEはこれが実際に起こるイメージに近いのだ。それほど、異常型プリオンが蛋白質を直接攻撃する現象は既知の概念から外れた脅威の現象なのだ。
念のために書く。欠陥ビルの住人が近隣ビルを壊すという例えはウィルスやAIDS的な形容になるだろう。蛋白質が蛋白質に影響することはビルがビルに影響する、でなければいけない。こじつければ、新しいビルが建ったことで激しいビル風が吹いたり、ヒートアイランドが進んだりすることで周囲のビルが壊れていくようなイメージかもしれない。しかし、そのような強度がないビルの存在は現代社会通念から外れている。また、こじつけ次いでに書けば、都市部で同一時間帯に集中的に大量発生した竜巻がビルを次から次へと破壊する如くで、(正常な)ビルに囲まれた欠陥ビルが竜巻の呼び水になっているイメージかもしれない。それほど不可解なことがパラレル世界で起こったのである!。
二人の若き研究者がこの脅威の蛋白質にアプローチし、信じ難い真実を突き止めた。ある条件で異常型プリオンに正常型プリオンが接近したとき、間にある脂質が特異な渦を巻いたのだ。数珠繋ぎのアミノ酸が針金細工のように複数の折り曲げ箇所によって、複雑な立体を作り出しているのが蛋白質であるが、正常型と異常型プリオンの二つの複雑な凹凸表面に挟まれた脂質が特定できる多数の渦を発生させ、竜巻の如く、正常プリオンの形を変えていくのである。これを試験管内で再現し、大量の異常型プリオンを生産し、試験管から健康なマウスに注入し、発病をパラレル世界で初めて確かめたのである。
さらに、彼らは逆の渦を起こし、時間が経つと体外へ排除される擬似蛋白質を発明し、これがパラレル世界におけるBSE対策に劇的な効果をもたらした。この擬似蛋白質を用いれば、発病中の記憶など取り戻せない場合もあるが、ある程度の病気進行であればパラレル世界BSEは完治した。家畜にも有効であることはいうまでもない。
さらに、さらに、パラレル世界の人類は擬似蛋白質を用いた意図的蛋白質変性技術の確立より、DNAコンピュータなどバイオデバイスによる環境に優しいデジタル社会の実現を早めることに成功するがそれはもう少し先の話である。
ところで、我々の世界は異常型プリオンがBSEの病原体であるプルシナーの世界ではない気がする。
texto_23も読んでくださいね。では。 たにぬねの
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☆今月のお薦め_02.2007;昆虫―驚異の微小脳 など
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先ずは最近、気になった、幾つか。
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どう気になるか、うまく説明できないのでいきなりですが例え話です。
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ある食材だけに反応しているのか、
複数の食材に反応しているのか、
料理方法に原因があったのか、
器と食材の組み合わせに原因があったのか、
などなど要因が特定され、その状況を排除し
(排除された状態が当初の料理を大差が)ない限り
その煮物料理を食べる時はアレルギー反応を覚悟しなくては
いけないだろう。
BSEのメカニズムについては我々はあまりにも知らない。
少なくとも一般に住むものは知らされていない。
ということで、今回のストーリーはBSE関連です。
その前に脳について考える、特に
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今回、これらの本を同時期に読んだことは
脳・行動・動機というものを考えるのに
人に近い、遠いという距離感が異なるあぶり出しが出来たようで、
なかなか楽しい読書になりました。
☆昆虫―驚異の微小脳
日々暮らすため、運動を司る脳の役目というか、
目的に対する指示系統の流れは哺乳類(人類)も昆虫も
似たり寄ったりだと感じた。
☆おかあさんになったアイ―チンパンジーの親子と文化
赤ちゃんを仰向けに寝かす、置くヒトの特殊性に
納得できた。
今月のお薦め_index->
プルシナーの世界
ここは我々の世界同様、牛と人の狂牛病(BSE)が存在するパラレルな世界である。ただし、この世界において、BSEの病原体は異常型のプリオンであることが確かめられている。
確かめられているというのは、病気である個体から異常型プリオンが検出でき、検出した異常型プリオンの濃縮・精製ができ、精製した異常プリオンを健康な個体に移植し発病することすべてを確認した状況を指す。平たく言えば、病気である生き物から異常なプリオンの存在を確認し、取り出し、増やし、発病しない量を健康な生き物に入れ、異常型プリオンの増殖により病気になることを観察したということだ。
驚くなかれ、我々の世界では少なくとも西暦二〇〇六年度までに下記の事柄は確かめられていない。プルシナーが確かめたのは人工的に作ったプリオン(似の)蛋白質を他の生物より取り出した遺伝子を細胞に入れ、本来とは異なる遺伝的特徴をもったマウスに注入し、発病を確認したことに過ぎないのだ。
話を我々の世界からパラレル世界に戻そう。異常型プリオンが病原体であったため、AIDSを上回る規模で人はBSEに感染した。というのも異常型プリオンというのは体内に存在しても問題のない蛋白質である正常型プリオンの文字通り異常版であることに起因するからだ。体を構成する様々な蛋白質は遺伝情報であるたくさんの設計図から必要に応じて基本単位である数種類のアミノ酸を繋げることで作られている。幾つかの形状のブロックで複雑な形を作成できる玩具に似ている。ただし、蛋白質の繋がり方は一次元的であり、ブロック玩具ほど自由度はない。
果たして、正常型プリオンが異常型プリオンのため異常型になる、蛋白質が蛋白質に影響を及ぼすパラレル世界のBSEは非常に優秀な布教活動をする宗教家が信者の数を著しく増やすが如く、牛から牛へ、そして、牛から人へ爆発的にひろがったのである。
そもそも病の多くは個体内外由来を問わず蛋白質の大量発生や個体外由来の異物質の大量混入による蓄積・滞留に因り、複雑である。
癌は蛋白質の供給過多な現象である。入力ミスにより予定枚数を遥かに上回る排紙を続けるコピー機かプリンターの如く無駄な生産を止めない。それは無秩序な建設ラッシュが道にすら建物を建て、種々の移動がままならず、遂には都市として機能しなくなった街のようである。このとき、建設ラッシュの元を断たなければ、転移の如く、他所の土地でも同じことが繰り返されるだろう。
AIDSやインフルエンザなどウィルスに因る病気は体内に送り込まれた個体外由来の蛋白質の設計図である遺伝情報のコピーがばら撒かれることに恐ろしさがある。個体内でコピー設計図に則った建設が進められ、蛋白質の供給過多が実行される。特にAIDSの巧妙さは偽造計算に基づく設計が人知れず、ひろまったことと似ている気がする。
また、ドウモイ酸の蓄積による中毒症はゴミ処理に困った街のようだ。しかも、アミノ酸であるドウモイ酸は料理如きでは分解されず、単なるゴミというより、処理が難しい産業廃棄物みたいである。
癌もインフルエンザもAIDSもドウモイ酸中毒も個体の生命維持活動である、自ら以外を排除しようという仕組みを掻い潜る様子が巧妙である故に複雑な都市問題と似通ってくるのも頷ける。
しかし、これらに対して蛋白質を直接攻撃する異常型プリオンが病原体であるパラレル世界BSEは個体内由来の物質の大量変化に相違ない。街の一角に忽然と一つの欠陥なビルが建つことで近隣のビルが同じ欠陥になっていくようなものである。好色な男性の表現として、女性がその男性のそばに近づくだけで妊娠する、という言い回しがあるが、パラレル世界BSEはこれが実際に起こるイメージに近いのだ。それほど、異常型プリオンが蛋白質を直接攻撃する現象は既知の概念から外れた脅威の現象なのだ。
念のために書く。欠陥ビルの住人が近隣ビルを壊すという例えはウィルスやAIDS的な形容になるだろう。蛋白質が蛋白質に影響することはビルがビルに影響する、でなければいけない。こじつければ、新しいビルが建ったことで激しいビル風が吹いたり、ヒートアイランドが進んだりすることで周囲のビルが壊れていくようなイメージかもしれない。しかし、そのような強度がないビルの存在は現代社会通念から外れている。また、こじつけ次いでに書けば、都市部で同一時間帯に集中的に大量発生した竜巻がビルを次から次へと破壊する如くで、(正常な)ビルに囲まれた欠陥ビルが竜巻の呼び水になっているイメージかもしれない。それほど不可解なことがパラレル世界で起こったのである!。
二人の若き研究者がこの脅威の蛋白質にアプローチし、信じ難い真実を突き止めた。ある条件で異常型プリオンに正常型プリオンが接近したとき、間にある脂質が特異な渦を巻いたのだ。数珠繋ぎのアミノ酸が針金細工のように複数の折り曲げ箇所によって、複雑な立体を作り出しているのが蛋白質であるが、正常型と異常型プリオンの二つの複雑な凹凸表面に挟まれた脂質が特定できる多数の渦を発生させ、竜巻の如く、正常プリオンの形を変えていくのである。これを試験管内で再現し、大量の異常型プリオンを生産し、試験管から健康なマウスに注入し、発病をパラレル世界で初めて確かめたのである。
さらに、彼らは逆の渦を起こし、時間が経つと体外へ排除される擬似蛋白質を発明し、これがパラレル世界におけるBSE対策に劇的な効果をもたらした。この擬似蛋白質を用いれば、発病中の記憶など取り戻せない場合もあるが、ある程度の病気進行であればパラレル世界BSEは完治した。家畜にも有効であることはいうまでもない。
さらに、さらに、パラレル世界の人類は擬似蛋白質を用いた意図的蛋白質変性技術の確立より、DNAコンピュータなどバイオデバイスによる環境に優しいデジタル社会の実現を早めることに成功するがそれはもう少し先の話である。
ところで、我々の世界は異常型プリオンがBSEの病原体であるプルシナーの世界ではない気がする。
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