当然、DはBとCと目が合う。二人は本当の侵入者Dへ先ず、静かにってジャスチャーをした。
そして、窓からの侵入者の正体が者ではなく一羽の雀より一回りくらいは小さい小鳥と分かる(知るD)。
小鳥は止まり木に止まったまま、キョロキョロと頭をいろんな角度に動かしている。
橙色の体に灰色っぽいが青味ある翼。頭の黒に白い一筋が前後に走っていてDの目を引いた。
見馴れているBとCは黒い嘴、青い脚や白い筋の形など全体のいろんなところへ目が行っている模様。
止まり木から翼を畳んだままジャンプ(飛び出)して開いている窓の隙間を通って入ってきた小鳥は部屋の中の植木鉢の縁に止まり、キョロキョロ。
立ちすくんだままのDにBとCは座ってのジェスチャー。素直にその場で正座のD。
止まり木の小さな野鳥はDの動きを気にしてる素振りもなくキョロキョロ。
キョロキョロが平常運転で特別警戒しているわけではないことをB、Cの両名は承知している。
一流サッカー選手の首振りの如く、呼吸するのようにキョロキョロの動作が行われる。
異性の侵入者なんて突飛もない可能性を考え、恥ずかしくなるDであったがそれより野鳥が寮の部屋に来ることに驚いていた。しかし、この辺りでは珍しくないのかもしれないとも思いながら視線は小鳥に釘付け。鉢の縁に止まっていた野鳥が柑橘の幹に横向きに飛び移る。幹と言っても直径は5ミリ(メートル)もない感じで橙色の体をねじった姿勢で土の上に何かを吟味している感じ。土の上にはCが置いた数粒のヒマワリの(殻付き)種があった。
「テイクアウトじゃなくてイートインしそうかな。」
とBが(待ちきれずに)尋ねると
「うん。Aだから、多分イートインする流れかな」
とC。いろいろ尋ねたいの累積が増える一方だが下手にアクションをとると野鳥を脅かすことになりかねないと会話に入らないなど、大丈夫だろうの倍は気を付けるつもりで静かにすることに徹するD。単に初めて見る小さな野鳥の行動に見入ってしまっているだけかもしれないが。
ほどなく、Aと呼ばれた小さな野鳥はヒマワリの種一粒をくわえ、再び鉢の縁に止まる。
種を足元へ置き、両脚で横長の向きにホールド。抑えた種(の殻)の真ん中あたりを数回つつく。
ひび割れた殻の長い片を嘴でくわえたと思ったら挙げた顔と一緒に引きはがし、(あっち向いてホイみたく)顔を振ると取れた部分が遠心力か息で吹き飛ばしたか定かではないが槍投げの槍のように飛んで行く。殻が取れた割れ目から嘴を入れ、つつくように食べるA。
偶然か意図的か嘴の出し入れが行なわれるうちに殻のひび割れは拡大され、めくるように殻の上半分が(吹き?)飛ばされる。残った殻の下半分と中の白(っぽ)い種(の本体)は、おしぼりトレイにのったおしぼりみたい。
そして、トレイの片方の端をくわえるとホールドを緩めた隙間から殻のトレイなり180度回転、それから両脚で上から種(本体)と殻を一緒にホールドし直し、食事を再開。
つつくように食べているから左右の一方、または奥手前の片側が減って、つつき辛くなり、たくさん残っている側をつつき易いように回したのかもしれない(△と推察するD)。
さらに(白い種の本体が)小さくなると殻から抜き取って片脚で抑え、空になったおしぼりトレイみたいな殻をもう片方の脚で鉢の外へ蹴り出した。片脚で抑えてしっくり来たのか、そのままの姿勢で嘴でつつきはじめたが、より小さくなると両脚で抑え直し、さっきまでみたいに左右の脚の間の種を食べる。
さらに二、三度持ち直された種はDからはあるかないか分からないくらい小さくなり、嘴を陶器できた植木鉢の縁で左右に拭う動作。拭う(直)前、嘴の外側にヒマワリの種の食べかすがついたままのAをBとCがかわいいと静かに盛り上がっている。初めてのDにも食べ終わったのが分かり、このBの部屋に来て室内で食べている状況をイートインということであろうと推察(するD)。
つづく
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