今回の
二兎社の舞台シングルマザーズはザックリ言うと
離婚、非婚など様々な事情でシングになったママさん達の
支援団体「ひとりママ・ネット」を舞台に
4人のシングルママ&1人謎の男が繰り広げる悲喜劇。
2002年の構造改革で母子家庭の自立支援を進める口実に「就労支援」の餌のもと、
実質的に
2008年からの児童扶養手当て削減目的の
母子寡婦法が改正され、
これに対し当事者団体のロビー活動など精力的活動が2007年12月に実を結び
削減を廃止させた事実を背景に2年ごとにドラマが展開します。
主役の直を演じる沢口靖子さんはTVで見るより
細くて顔が小さく、やっぱり美人
想像以上に彼女の一途な良さが出ていて、好きになりました
DV疑惑の男小田を演じる吉田栄作さんの変貌ぶりにもびっくり・・・
トレンディ俳優はすっかり舞台役者になっていました
根岸李恵さんはこの人が出ているドラマは面白いと信頼して子供の時から好きな女優さん。
しっかりしたキレ者で懐の深い代表役で、こんな人の部下になりたいって思いました。
この舞台、この三人だけでも充分観る価値があるのですが、
ぶ~たんが
なくしてみられなかったが、
シングルマザー非婚型の代表、水枝の玄覚悠子さんが演じる
不倫の末、認知もされない子を産んだギャルママ
キャバクラに勤めつつ簿記の資格取得を目指すギャップ
1人で子供への責任を果たそうと、悪戦苦闘する姿もたくましい。
逆にシングルマザー離婚型の代表は初音役の枝元萌さん
こちらは旦那の不倫の末、子供3人抱えて離婚。
子供三人から束の間解放され相談に来ながら居眠りしてしまうくらい疲れていた彼女
自分の不幸な現実を受け止めきれず、ただ子供がいるがためにパートを掛け持ちし
その子供の為にパートを失い、貧困にあえぐ
・・・ギリギリのプライドと未練と悔しさが
枝元さんのめいっぱいの演技でおかしくて悲しくて愛おしい
ぶ~たんの知りうるシングルマザー達の具現化した姿でした。
セリフ1つ1つのリアリティに、最前列で頷きながら涙
(相当怪しい観客でした)
この二人が場面を追うごとに、貧乏と社会矛盾に苦しみながら
人間として自立していくのが頼もしくて
お話は思いがけない展開になっていきますが、
これは観た人だけのお楽しみです。
困難や貧困にあえぐ人達も、助け合えば光が見える
そんなお芝居です。
久しぶりの演劇鑑賞・・・
いつもやたら長いな~と思ってしまうのですが、
このお芝居は休憩を入れて2時間弱。
でも、無駄のないコンパクトでテンポがよくて
笑って泣いて時には驚き、また観たいなと思うお芝居でした