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先日2月23日ドイツ連邦議会選挙の投開票があり、極右と言われていたドイツのための選択肢(AfD)が2位と躍進した。投票率が82.5%とすさまじい国民の関心の高さには驚いた。党首はアリス・ワイデル氏。経歴を眺めるとDNAは確かに極右の予感はするものの同性愛者であり自らLGBTを公表していて本人の印象はいたってリベラルの先端を走るような人物像だ。
で、アリス・ワイデル氏の演説を映像で観たときすぐに「この党首、イングリッド・チューリンに似てる!」って思った。イングマール・ベルイマンの数々の映画作品『野いちご』『冬の光』『叫びとささやき』でお馴染みの俳優だ。美形で知的な気品のある佇まいが好きだったが、ヴィスコンティの『地獄へ堕ちた勇者ども』でダーク・ボガードとの夫婦役で目撃した時は妖艶を通り越して不気味にさえ感じる強烈な演技に今までの印象がふっとんだほど。
もちろん、似ているというのも50年代後半から60年代半ばあたりであってイングリッド・チューリンが30歳代の時に限った話。本当に似ているかどうかは私自身の演説での第一印象でもあるし今後それほどでもなかったとなるかもしれない。でもこのアリス・ワイデル党首を贔屓目に見てしまうことはありそうだ。
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イングリッド・チューリン