最近入手したDVDは「恐怖劇場アンバランス」の第一巻です。
「怪奇大作戦」の後を受けて、円谷プロが一時間の大人向け怪奇ドラマとして製作した一話完結型作品なのですが、あまりのアバンギャルドさにスポンサーがつかずお蔵入り、数年後にひっそり深夜枠で放送されたという不遇の作品です。
立ち寄った古本屋でたまたま見かけ、何気なくスタッフ欄をみてびっくりしました。まず第一話の監督が巨匠・鈴木清順、キャストに大和屋竺(ルパン第一シリーズの脚本家)、第二話の主人公が世界の蜷川幸雄(俳優時代のね)、財津一郎、名古屋章などなど。さらには「世にも奇妙な物語」のタモリにあたる、案内役に青島幸男が登場。
意外な発見とばかりに、勢いで購入してしまいました。
第1話の「木乃伊(ミイラ)の恋」という話は、難解ではあるけれど、作品としての完成度は高かったと思います。内容は、江戸時代の怪異譚「春雨物語」と、それを下敷きにした現代劇の2重構造です。
「春雨物語」の時代。田舎のインテリ息子が、数百年前の即身仏(高僧が生きたまま棺桶に入って仏になったもの)を発掘し、復活させます。僧は最初のうちこそあがめられたのですが、既に知識も徳も失われ、食欲と性欲だけで動くあさましい存在となりはてていました。村人からさげすまれる僧は、精神障害の女と七日七晩交わり、子を生ませるのですが、それはこの世のものではありませんでした・・・
ところは変わって現代。江戸時代の怪異譚を現代語訳する高名な国文学者と、その助手を務める未亡人の話。国文学者は、今は病気で余命いくばくもない状態ですが、最期の力を振り絞って、密かに懸想してきた未亡人に迫ります。未亡人も一度は逃げたものの、夫を失ってからというもの自分の性欲を抑えられなくなってきていたことを自覚していました・・・
要は、時代が変わっても、あるいはどんな地位・名声・徳のある人間にも、性の渇望というか、ある意味こっけいな、情念があるのだという話。テーマがテーマだけに、描写もなかなかエロいので、家族と見たら気まずくなること請け合いです!
監督したのは、過激な作品作りすぎて映画界から干されてた、ある意味全盛時代の鈴木清順。重くてシュールな話をコメディ交えて描くのだから恐れ入ります。
「ピストルオペラ」なんかよりは、はるかにわかりやすく、楽しめたけども。
DVDでは上記の第1話と、第2話を見ましたが、「怪奇大作戦」の痛烈な社会性から一転、より怪奇色、エログロナンセンスの度合いが増しており、万人にお勧めできる内容ではありません。
画面も不気味ですし、話の結末も、「あれはどういう意味だったのか?」視聴者の判断にゆだねる突き放した終わり方で、いまいちすっきりしないし・・・続きのDVD買うことはしないと思います。多分。
この作品をみて思うことは、円谷プロ恐るべしということです。
「怪奇大作戦」の後を受けて、円谷プロが一時間の大人向け怪奇ドラマとして製作した一話完結型作品なのですが、あまりのアバンギャルドさにスポンサーがつかずお蔵入り、数年後にひっそり深夜枠で放送されたという不遇の作品です。
立ち寄った古本屋でたまたま見かけ、何気なくスタッフ欄をみてびっくりしました。まず第一話の監督が巨匠・鈴木清順、キャストに大和屋竺(ルパン第一シリーズの脚本家)、第二話の主人公が世界の蜷川幸雄(俳優時代のね)、財津一郎、名古屋章などなど。さらには「世にも奇妙な物語」のタモリにあたる、案内役に青島幸男が登場。
意外な発見とばかりに、勢いで購入してしまいました。
第1話の「木乃伊(ミイラ)の恋」という話は、難解ではあるけれど、作品としての完成度は高かったと思います。内容は、江戸時代の怪異譚「春雨物語」と、それを下敷きにした現代劇の2重構造です。
「春雨物語」の時代。田舎のインテリ息子が、数百年前の即身仏(高僧が生きたまま棺桶に入って仏になったもの)を発掘し、復活させます。僧は最初のうちこそあがめられたのですが、既に知識も徳も失われ、食欲と性欲だけで動くあさましい存在となりはてていました。村人からさげすまれる僧は、精神障害の女と七日七晩交わり、子を生ませるのですが、それはこの世のものではありませんでした・・・
ところは変わって現代。江戸時代の怪異譚を現代語訳する高名な国文学者と、その助手を務める未亡人の話。国文学者は、今は病気で余命いくばくもない状態ですが、最期の力を振り絞って、密かに懸想してきた未亡人に迫ります。未亡人も一度は逃げたものの、夫を失ってからというもの自分の性欲を抑えられなくなってきていたことを自覚していました・・・
要は、時代が変わっても、あるいはどんな地位・名声・徳のある人間にも、性の渇望というか、ある意味こっけいな、情念があるのだという話。テーマがテーマだけに、描写もなかなかエロいので、家族と見たら気まずくなること請け合いです!
監督したのは、過激な作品作りすぎて映画界から干されてた、ある意味全盛時代の鈴木清順。重くてシュールな話をコメディ交えて描くのだから恐れ入ります。
「ピストルオペラ」なんかよりは、はるかにわかりやすく、楽しめたけども。
DVDでは上記の第1話と、第2話を見ましたが、「怪奇大作戦」の痛烈な社会性から一転、より怪奇色、エログロナンセンスの度合いが増しており、万人にお勧めできる内容ではありません。
画面も不気味ですし、話の結末も、「あれはどういう意味だったのか?」視聴者の判断にゆだねる突き放した終わり方で、いまいちすっきりしないし・・・続きのDVD買うことはしないと思います。多分。
この作品をみて思うことは、円谷プロ恐るべしということです。
これから30分、あなたの目はあなたの身体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです・・・・・
>今週は、今年に入って初めてストーブを焚かずにすごしています。
夏ですね!!
いいえ。そろそろストーブの恋しい季節となりました。晩秋です!!
(こんなコメントつけると、また半年後に「いいえ、クーラーの恋しい夏です!!」とかツッコミ返えさりして・・・。
きゃ~! なんか、とっても不毛でシュール!!
お久しぶりです、たぬ子様。めっきりと冷え込んできましたが、お元気でいらっしゃいますでしょうか?
最近の私の方は気まぐれで借りてみた「ウルトラQ」にハマってしまい、その手の類のシュールでカルトっぽい作品をむさぼり見ています。この前なんか、オークションで「スネークマンショーの楽しいテレビ」とか落札してしまったのれす。(伊武さん、若~い!!)
それとは別に「封印作品の謎」という本を何気なく読んでいると、人知れず闇に葬られた「怪奇大作戦」の第24話に関するエピソードが出ていました。とても曰く因縁のある作品らしく、この話が収録されていたばっかりに、発売日当日の店頭に並んでいた「怪奇大作戦全集」のLDーBOXさえもが関係者によって全部が徹底回収され封印されてしまったとか。
こんな話を聞くと是が非でも観てみたくなるのが人情(?)。YAHOOオークションで探してみると、奇跡的に回収を免れた、このLD-BOXを入手できた人がいるらしく、結構高値で出品されていました。う~~~ん、観てみたいけど、手が出ませんねえ・・・。もし入手しても、こんどはそれを観るためのLDプレーヤーを買わなくてはならない。無理だな~~~・・・。
たぬ子様はこのエピソード知っていました?
・・・っていうか、この24話見たことありますか?
北海道はストーブなしでは生活できない時期になりました…
怪奇大作戦第24話ですが、未来創造堂という番組で、船越英二がこのエピソードについて語ってましたね。
私は、以前某YOU TUBEでアップされてるのを見たことあります。現在は、残念ながら削除されているようですが。
人為的に発狂させられた岸田森が、不気味に笑いながら暴走するシーンは軽くトラウマです・・・
ストーリーも、法の矛盾と被害者のやり場のない感情をうまく描いた秀作でした。正直、精神障害に関する表現は確かにアレですが、封印としてしまうにはあまりに惜しいと思います。
また見たくなってしまいました。どこかにまたアップされてないかな…?