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銀色夏生『僕のとてもわがままな奥さん』感想。綺麗な鬼嫁と離婚したい男の話

銀色夏生著『僕のとてもわがままな奥さん』あらすじと感想。
綺麗な鬼嫁と離婚したい男の話。
世間からはあんなパッとしない男にあんな美人の奥さんが?と思われているが、夫の磯崎準から言えば妻のナオミは超~我が儘で意地悪でろくな事をしない鬼だった。
準は鬼嫁・ナオミと離婚したいと考えていたのだが……。


『僕のとてもわがままな奥さん』 

著者:銀色夏生
発行:株式会社幻冬舎
   (幻冬舎文庫)



『僕のとてもわがままな奥さん』あらすじと感想

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

『僕のとてもわがままな奥さん』あらすじ 

きれいな奥さん。なんでも上手にこなす素敵な奥さん。しあわせなご主人。こんなパッとしないご主人にどうしてあんなに美人の奥さんが? (9ページ)
妻・ナオミの世間のイメージと夫である磯崎準の現実は大きくかけ離れている。
なんせ準にとってナオミとの生活はちょっとした地獄だったからだ。


酒に弱い準はナオミの愚痴に付き合っているうちに一夜の過ちを犯してしまい、気づけば彼女の言いなりになっていた。
準はナオミのことが好きだという実感もないまま交際を続ける。
結婚する気など毛頭無かった。
25歳のある日、デートのつもりでナオミを迎えに行ったら実家に連れて行けと言われ連れて行った。
ナオミは準の両親や妹の前で「よろしくお願いします」と三つ指をついた。
こうして結婚へのレールが引かれた。


ナオミの機嫌に左右される結婚生活。
ある日、帰宅するとナオミがハイテンションで出迎えてくれた。
好きな人ができたから、今日、これから駆け落ちすると言う。
準はガックリ肩を落とす。
そしてナオミは荷物を持って嬉しそうに出て行った。


打ちひしがれ床にしゃがみ込んでいた準だったが……。
玄関ドアが閉まる音を聞いて何度も無言でガッツポーズを繰り返し、喜びのあまり部屋で一人踊り出していた。
その様子を見ていたのは……。

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『僕のとてもわがままな奥さん』感想 

ヒロインの名前が“ナオミ”で、見た目は良いが我が儘で夫を翻弄する女と言えば谷崎潤一郎の『痴人の愛』だな。
バタ臭い顏をした15歳の少女をオッサンが見初めて、いずれ妻にするつもりで自分色に育てようとする。
だが、逆に小悪魔の魅力に自分の方がはまっちゃう…みたいな話だった。
これを読んで“ナオミ”=我が儘な女のイメージしか浮かばなくなった。


銀色夏生さんの『僕のとてもわがままな奥さん』は、そもそも好きなのかどうなのかも分からない夫婦の話だ。
勢いで結婚というよりナオミの策略で結婚し、毎日彼女のご機嫌に振り回される日々を送っている準。
その為、ナオミに好きな人ができて離婚できれば万々歳なのだ。
ナオミが我が儘で意地悪なことより、準の発想が酷いなと思った。


『痴人の愛』は高校生の頃に読んだので、ナオミのエロさとかずるさとか、何か凄く気に入らなかった。
毛ぞりのシーンは引いた(((゜_゜;)
あのナオミに比べたら『僕のとてもわがままな奥さん』のナオミは嫌いじゃない。


準の中でナオミは鬼嫁に分類される。
読者としては本当にナオミって鬼嫁なのかな?と疑問に思う。
素直じゃないだけではないか?
むしろ自信がないんじゃないか?
女の側からしたら我が儘も意地悪も相手の気を引きたいだけに思えるのだ。
読みながら、本当に地獄の日々を過ごしているのは準ではなくナオミの方ではないかと思った。
だって夫婦になっても準から本気の「愛してる」を言ってもらえないんだもの。


すっごく若返ったリリーフランキーと深津絵里のイメージで読んだ。
なぜ画像がクマ(なんだよ)のイラストなのかは読んだ人だけ分かるよ。
以上、『僕のとてもわがままな奥さん』感想でした。


ご訪問ありがとうございました(人´∀`*)

コメント一覧

tataraworks-lynx50
@29qlove ラムネちゃんとキーちゃんのママん様、コメントありがとうございます。
読み始めはこの奥さん酷いなと思うんですけど、読み進めていくうちにあれやこれややってみても夫から「行かないでくれ」と引き止めてももらえず「愛してる」さえも言われない状況が気の毒になってきます。
途中から旦那さんの方が鬼に思えてきます。
29qlove
ナオミさんが本当になんでもこなして凄くよく出来る優秀な奥様だったら……自分の失態となる『駆け落ち』をわざわざ宣言しないんじゃないかな?と思いました。(^^)
だって、訴えられたら終わりだし、それこそ離婚で不利になる情報だもの。
たたらさんのおっしゃる通り、もしかしたら愛に飢えた駄々っ子の様な女性なのかもしれませんね。(^^)

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