
『天空の城ラピュタ』は、ご存知ジブリのレトロ・フューチャー・アニメ。“飛行石”をめぐって繰り広げられる、少年バズーと少女シータの冒険活劇だ。蒸気を動力源とする文字通りスチーム・パンクな乗り物がたくさん登場するのだが、本作品をTVで見ていてふと思ったことがある。鳩山首相が“友愛”をかかげる現民主党政権がやろうとしていることは、すなわちこの映画と同じ“日本のレトロ・フューチャー化”なのではないだろうか、と。
官から民への時代の流れに逆らうかのような郵政人事、失速寸前の始祖鳥JALの実質国有化、地域開発事業の見直し&凍結などなど。最先端スパコン事業等の科学開発分野にまでその“仕分け”の矛先は向けられており、まさに日本全国総先祖返り現象ともいえる様相を呈しているのだ。アメリカ・グローバリズムに則った小泉改革の功罪はともかく、平成のこの時代に“古き良き日本”へタイムスリップさせることが、はたして日本のリアル・フューチャーにとって+(プラス)になるのかと問われれば、やはり疑問は残るのだ。
かつて科学文明の最先端を行っていたラピュタ王国が没落し、廃墟と化した無人の城が天空をさまよっているシーンがアニメの中に登場する。技術立国である日本がその技術を捨て去った時、(この映画のラピュタ城のように)日本が世界の競争から取り残されてしまう懸念をどうしても払拭しきれないのである。科学文明の未来はこのラピュタと同じ結末を辿るのかもしれないが、科学文明を捨て去る根拠が鳩山首相いや執権・小沢一郎のノスタルジーだったとしたら、それはそれで非常に危険だと言わざるをえない。
天空の城ラピュタ
監督 宮崎駿(1986年)
〔オススメ度

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官から民への時代の流れに逆らうかのような郵政人事、失速寸前の始祖鳥JALの実質国有化、地域開発事業の見直し&凍結などなど。最先端スパコン事業等の科学開発分野にまでその“仕分け”の矛先は向けられており、まさに日本全国総先祖返り現象ともいえる様相を呈しているのだ。アメリカ・グローバリズムに則った小泉改革の功罪はともかく、平成のこの時代に“古き良き日本”へタイムスリップさせることが、はたして日本のリアル・フューチャーにとって+(プラス)になるのかと問われれば、やはり疑問は残るのだ。
かつて科学文明の最先端を行っていたラピュタ王国が没落し、廃墟と化した無人の城が天空をさまよっているシーンがアニメの中に登場する。技術立国である日本がその技術を捨て去った時、(この映画のラピュタ城のように)日本が世界の競争から取り残されてしまう懸念をどうしても払拭しきれないのである。科学文明の未来はこのラピュタと同じ結末を辿るのかもしれないが、科学文明を捨て去る根拠が鳩山首相いや執権・小沢一郎のノスタルジーだったとしたら、それはそれで非常に危険だと言わざるをえない。
天空の城ラピュタ
監督 宮崎駿(1986年)
〔オススメ度


