ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

処女の泉

2024年10月03日 | 誰も逆らえない巨匠篇
『第七の封印』のマックス・フォン・シドーは、抑制の効いた演技に終始していたが、本作では、愛する娘カリンをレイプされた挙げ句惨殺された農場領主テーレを演じており、(媚中勢力に総裁選でしてやられた高市早苗のごとく?!)怒り💢を爆発させている。娘の実家とも知らずに、図々しく一宿一飯を求めにやって来た間抜けなレイプ3兄弟。なにも知らない領主テーレが . . . 本文を読む

第七の封印

2024年09月26日 | 誰も逆らえない巨匠篇
前作『夏の夜は三度微笑む』の成功で資金を得たベルイマンは、本当にやりたかったことを本作で実現したらしいのです。ヨハネ黙示録に書かれている「小羊(イエス・キリスト)が第七の封印を解いた時、半時間ばかり天に静けさがあった。それからわたし(ヨハネ)は、神のみまえに立っている七人の御使を見た。そして、七つのラッパが彼らに与えられた。(ヨハネ黙示録6- . . . 本文を読む

野いちご

2024年09月21日 | 誰も逆らえない巨匠篇
ベルイマンが離婚問題や両親との確執で心身ともにまいっていた時に、療養先の病院でシナリオを書いたといわれている監督初期の作品。スウェーデンのルンドでとり行われる名誉博士号授与式に出席するために、主人公の元老医学博士イーサク(ヴィクトル・シュストレム)が義理の娘マリアンヌ(イングリッド・チューリン)を連れて出かけるロード・ムービーである。老人の孤独や悔恨を描いた作品のなどと . . . 本文を読む

ドイツ零年

2024年05月17日 | 誰も逆らえない巨匠篇
同じ年(1948年)に公開されたフレッド・ジンネマン監督『山河遥かなり』とは好対照な作品である。モンティ演じる心優しいアメリカ人兵士が戦後失語症に陥った少年の心を開いていく一種のプロパガンダ作品である。連合軍の爆撃により焦土と化した同じベルリンを舞台にしながら、ロッセリーニの戦争三部作最後を飾る本作は、もっとリアルで荒んでいている、ヒューマニズムの欠片も感じられない1本 . . . 本文を読む

三人の名付親

2023年12月04日 | 誰も逆らえない巨匠篇
この西部劇には、派手なガン・アクションやスリリングな馬上チェイスがほとんど出てこない。正確にいうと、他の映画よりもなぜか駆け方が早く見えるお馬さんのシーンが、最初の方にチョコっとだけ登場する。後は三人の銀行強盗が、乳飲み子を抱いたまま砂埃の舞う荒野をトボトボと彷徨うサバイバルシーンが大半を占めているのである。それは何故か。本作はクリスマスシーズンの映画客目当てに、キリスト生誕を祝福しに訪れた東方3 . . . 本文を読む

裏窓

2023年05月23日 | 誰も逆らえない巨匠篇
この映画はヒッチコックお得意のサスペンスではないだろう。お迎えの部屋に住んでいる(レベッカを改竄しまくったプロデューサーデヴィッド・O・セルズニックがモデルの)セールスマンが一体何をしでかした(妻殺しではなく多分宝石窃盗の類いか?)のか、最後まで明かされないのだから。つまり、事件の真相そのものがマクガフィンになっている掟破りのミステリー?なの . . . 本文を読む

めまい

2023年05月21日 | 誰も逆らえない巨匠篇
トランプに「整形外科医を訴えた方がいい」とディスられてひどく傷ついたというキム・ノヴァク主演のラブ・サスペンス。ブロンドフェチで知られたヒッチコックの最高傑作と呼ばれる本作だが、公開当時は男性が女性を苛めるミソジスト映画として評判はいまいちだったとか。撮影中も演出にあれこれ口を出したがるノヴァクとヒッチコックが対立、その仕返しとばかりに、グレーが大嫌いな女優にヒッチコックがグレーのスーツをわざわざ . . . 本文を読む

ライアンの娘

2023年04月13日 | 誰も逆らえない巨匠篇
「ボヴァリー夫人は私だ」一応本作の原作となっているらしい『ボヴァリー夫人』の作者ギュスターヴ・フローベールの有名な言葉だ。が、第一次大戦後独立気運が高まるアイルランドを舞台にした不倫物語は、英国の巨匠デヴィッド・リーン監督と脚本家ロバート・ボルトが原型を留めないほどに脚色したまったくの別物語といってもよいだろう。原作者の発言に言及しているのかは定かではないのだが、鏡写しになった登場人物の2重設定が . . . 本文を読む

2023年04月09日 | 誰も逆らえない巨匠篇
フランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスの尽力により、米国大手スタジオ20世紀FOXからの配給が決まった前作『影武者』は、あくまでも本作の代案だった。城の炎上シーンなどに金がかかりすぎる、というのが理由だったとか。しかし夢を諦めきれなかった巨匠黒澤明は死ぬ前に一度、時代劇をシェイクスピア風に演出してみたかったのだろう。仲代達矢演じる武田信玄が頓死するシーンなどが、どうりで演劇ぽかったわけ . . . 本文を読む

生きる

2023年04月01日 | 誰も逆らえない巨匠篇
『称賛されるために何かをすれば失望することになる。ほかならぬ自分の満足のため、夢を実現するためにやるのだということを学ばなければならない』とは巨匠黒澤明の言葉だが、別にエゴにしがみついてわがまま放題に生きろと言っているわけではないだろう。人間誰かのために生きるのは実は割と簡単だ。愛する女性のため、子供のため、あるいは死んだ親の恩に報いるため....利他に徹した生き方をとかく日本人は美化して賞賛した . . . 本文を読む

楢山節考

2022年10月18日 | 誰も逆らえない巨匠篇
最近疲れ気味の時に見る映画は、洋画ならケリー・ライカート、邦画なら木下惠介とほぼ決めている私。後にリメイクが作られることが多い木下作品だが、カンヌでパルムドールを受賞した1983年版の方がむしろ有名なのかもしれない。そのリアリズム路線に徹した今村昌平バージョンを見ても、おそらく肩に力が入ってどっと疲労がたまるばかりだろうが、この木下惠介版は歌舞伎演出をふんだんに盛り込んだお伽噺的展開が見処になって . . . 本文を読む

お早う

2022年08月22日 | 誰も逆らえない巨匠篇
アイ・ラブ・ユー、ぼく勇だよ。チョッとおでこをつっついておくれ。プゥ。どんなもんだい。こうちゃんみたいにもらさなくてもちゃんとオナラだけだせるんだぜ、すごいでしょ。でもとおちゃんも、かあちゃんも、ほんとケチだよね。“いちおくそうはくちかそうち”だなんてTVのことバカにしてたけど、おかねはらうのいやなだけなのさ。みのるにいちゃんがそういってたよ。でもさ、にいちゃんとぼくのだんまりさくせん、だいせいこ . . . 本文を読む

惑星ソラリス

2022年07月10日 | 誰も逆らえない巨匠篇
原作者スタニスワフ・レムに「お前はバカだ」といわしめた芸術至上主義者アンドレイ・タルコフスキーが世界的注目を浴びるきっかけとなった本作。旧ソ連時代に撮られた本作は、キレイにレストアされたバージョンをYouTubeで無料で鑑賞することが可能だ。ウクライナ侵攻に対するプーチンなりの贖罪なのかはわからんが、日本語字幕はかなり怪しい代物だがそれなりに意味が通じるので、SFファンならば是非この機会に一度見て . . . 本文を読む

無防備都市

2022年06月29日 | 誰も逆らえない巨匠篇
第二次大戦中、ナチス占領下におかれていたローマ開放直後に撮られたという本作は、その後イタリア映画界にネオリアリズモという潮流を生んだ魁となった作品だ。連合軍の爆撃を受け映画の都チネチッタは壊滅状態、自らもレジスタンスに加わり銃を握ったロッセリーニのナチスドイツに対する怒りが炸裂している1本といってもよいだろう。まともな撮影機材も揃わない資金難の状況が続き、ついに撮影はストップ。その時アメリ . . . 本文を読む

2022年05月31日 | 誰も逆らえない巨匠篇
こんな夢を見た晴れているのに雨が降っていた狐の嫁入り母に見に行ってはダメよと釘をさされたけど少年は見てしまったのだ狐の行列を、夢(映画)の始まりを.........コンっ!こんな夢を見た雛壇に並んだお人形実は桃の木の精霊たち小さな妖精が少年のためだけに見せてくれた切り倒された桃の木たちの最期の舞少年の目から涙がこぼれたもう(映画をᦀ . . . 本文を読む