齧っただけの浅はかな知識で書いてるので、明らかな間違いはご指摘くださいませ。
記事を読めば分かるけど、「EPUB 3」ってのは、世界標準(と言っていいのかな?)の電子書籍フォーマット・EPUBの、縦書きその他日本語固有の問題にも対応したバージョン。
前にも書いたけど、曲がりなりにも編集者の端くれの自分としては、日本語の、特に長い文章は縦書きであるべきと思っていて、それも読みやすくするために、1行の文字数がこれくらいなら行間(行と行の間隔)はこれくらい、といったお約束があったりするんだけど、EPUB 3はそういうのをちゃんと設定できるフォーマットとということなんでしょう。
でも、記事中に
もっとも、一般の読者からすると、自分が読みたい本が確実に手に入るのであれば、フォーマットが何であるかにそれほど関心がないのも事実。「別にEPUB 3がなくても日本語の電子書籍はApp Storeにゴロゴロしてるし、世界標準になってどういうメリットがあるの?」「ぶっちゃけ縦書きにそんなにこだわりはないんだけど」「青空文庫フォーマットでよくね?」などという声が上がってもおかしくはない。
とあるように、縦書きにこだわるのは制作サイド(それも古参の)であって、読む側、特に今どきのデジタル世代にとって縦書きにどれほどの意味があるんだろうか。
昔は「左開き(=横書き)の雑誌は売れない」というジンクスがあったらしいけど、デジタルに限らず今や世の中は横書き全盛。
「日本語の文章術」みたいな本ですら横書きになっている。
手書きでいえば、ノートで縦書きを使うのは小学生までで、あとは全部横書き。手紙の中身はもちろん、宛先だって縦書きで書く人はあまり見かけない。
右開き(基本縦書き=目の流れは右から左)の雑誌なのに、横書きで目の流れが逆になるページを平気で作ってくる“エディトリアル”デザイナーも多いし、若い編集者はそれがおかしいとも感じないらしい(組み方を工夫すれば横書きでも右から左に流せるのに)。
そういやゴルゴ13も人間の目は縦の動きに弱いって言ってたしなあ。
ついでに言えば、本のようにページをめくるというスタイルが本当に必要なのかどうなのか。
今は紙の本を電子化するという意識だからそういうスタイルなんだろうけど、電子媒体が確立すれば、絵巻物みたいなものをつらつらスクロールしていってもよかろうし、クリックorタップでディゾルブみたいに次のページが出てきてもいい訳だし。
こういうことを言ってるのも、過渡期の我々世代までなのかもしれないね。
ちなみに、僕が関わっているのは、いわゆる読み物の電子“書籍”じゃなくて、紙の雑誌を電子に持ち込んだ電子“雑誌”とか電子“マガジン”とか呼ぶべきもの。
これは、文字を大きくしたら溢れた文字を先のページに送り込むようなEPUB形式とは違って、レイアウト固定のグラフィック重視(前述の記事ではイーストとマガジンハウスがEPUBの雑誌を試作中ということだったけど)。
フォーマットもまだ標準といえるものはないし、AdobeのDigital Publishing PlatformだったりモリサワやQuarkの出してるやつだったり、僕ら(というより印刷会社)が使ってるActiBookだったりと、制作ツールもかなりの投資が必要だし、専用ビューアが必要だったりと、汎用性があるものではない(電子書籍は誰でも手軽に出版できるというのも特色のはずなのに…)。
片や、FacebookやTwitterほかネット上の記事を勝手に雑誌風に組んじゃうFlipboardみたいなアプリも出てきてる訳で、これまた電子媒体としての雑誌が今後どう形になるのか、本当にデザインは必要なのか、今は予測もつかないというオチにもならない締めで逃げる訳です。
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