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こうしてカメラをセットする

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08月05日(土)
身の回りの小道具 (5)
カメラは自然科学,ビデオは人文科学
 美しい富士山を撮った写真や高山植物の可憐な表情を撮った写真はカメラの品質がよく,自然条件が整っていたんだと思う。しかし,美術館で見る静物写真や美術品カタログの写真は角度といい,背景色との組合せなど,かなり注意が払われていることを今日(8月4日)気づかされた。古文書の撮影,茶筒の撮影,花瓶等陶器の撮影そして額縁に入ったデザイン画の撮影などの実習をやったのである。しかし,ライティングの設定すなわち角度やら位置やらカメラの取り扱いなどに手間取り,一眼レフを覗いてシャッターを切るまでが長いのである。たった4人の受講生に4人のスタッフがああでもないこうでもないと言いながら,6時間をともに過ごしたのである。

 おもしろいと思ったことをひとつ書き留めておきたい。左図のように「人間の目の高さの所に,がくが掛かっている。これを真正面から三脚を使って撮影するにはシャッターを切るまでにどんな処置を施さねばならないか。」つまり
①額の高さと同じ高さにカメラのレンズを固定する方法は?
②額のガラスが鏡の役目をして,人とカメラとが映っている。
この2つをクリアしてシャッターを切ることになる。
 それにはこうする。
①額の中心の位置を定めるため,額の上にタコ糸で対角線2本を張る。その交点にレンズの鏡像がカメラの高さから見たとき映るように三脚の高さと左右を調節する。こうすればレンズの位置は額の中心点から立てた垂線上に来る。つまり,額のガラスを鏡として利用する。

 ②額のガラス板にカメラが映ることを防ぐには,ガラス板に黒い幕を故意に映すようにする。すなわちカメラの前を立ちはだかるように黒幕を2本の棒にくくりつける。レンズの前に穴を開け,レンズを差し入れる。いわゆる盗撮スタイルにしてシャッターを切る。最初に挑戦した受講生は額のタコ糸をはずさず撮っていた(お笑い)。物体をひとつ撮るのにいくつもの自然科学の原理を使う。これに対して,ビデオ撮りは人文科学である。シナリオが必要である。
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こうしてビデオをとる

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08月04日(金)
身の回りの小道具 (4)
「なーるほど」といえるプロの技
 
 いつもテレビを見て,あたりまえに思っていたことすなわち「音が出る。文字が表示される。数秒で画面が変わる。人が中央に写る。鮮明な映像。背景がマッチしている。」が,長い間の経験の積み重ねによって出来てきたことを体感してきた。5分の映像を作ってみろといわれて,機器の説明と撮影の仕方を教授されたが,1日でその技術を使えるようになるわけがない。何百万円もするビデオレコーダーを繁華街に持ち出して,街筋をビデオでとっただけに終わった。

 せっかく聞いたよい話は忘れないうちに,書き留めておいて,今後に備えようと思った。撮った映像を個人で使うだけなら問題はないが,公開用のビデオ作品を撮るには,撮るときに予め注意を払わなくてはならない。プロとして何年も仕事を続けてきた苦労話に引き込まれたし,気づかぬ配慮に感心したことも多数あった。大部分は私の頭に入ったままであるが,以下の2つはテレビを見るときに気をつけていると「なーるほど」といえるプロの技である。
 【撮影場所が特定されない工夫が必要である。】
絶滅を危惧される動物などを撮って公開しようとするとき,場所が一般の人にわかると「よし行ってみよう」ということになり,絶滅の進行に手を貸したことになる。こういうことに配慮されて,テレビ局は紹介していたのだとあらためて思った。

 【画像のズームやパンを多用しない】
遠い被写体に近づいたと思ったら,すぐ引き返してもとの位置へ戻ってくるなど(ズームアップイン),遠近を繰り返さない。同じようにオブジェクトの上をアップで左右を移動する動き(パン)も一度で十分,それ以上やられては,見るに耐えない。気持ちが悪くなる。逆に同じ画面が20秒以上続くと人間の脳に飽きが来る。変化をつけなくてはならない。テレビ番組はこんなことが配慮されている。
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こうしてスキャンする

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08月02日(火)
身の回りの小道具 (3)
スキャナーの解像度とディスプレーの解像度
 
 今はポータブルなスキャナーが揃っているが,私が買ったのは重量,値段ともに現在販売している標準ものの数倍もする。使い始めた頃は,解像度の意味がわからず,デフォルトで表示されている数値がなぜ72なのかもわからず使っていた。綺麗な画像を取り込むため,解像度を300とか600などとあげ,画面からはみ出る大きさの画像を小さく縮小して満足していた。逆にカットなどに使う小さな画像は72より小さい解像度でとって,満足していた。これらが全く無意味な行為であることが最近わかってきた。

 この稿ではスキャナーを使うとき,解像度を幾らにすれば,画面に原稿と同じ大きさの画像を取り込めるかを簡単に説明することだ。右の図を用いて説明する。パソコンの画面が横幅31cm,解像度1024×768と書いてある通常のディスプレーで考えてみる。このことは31cmの長さの線は1024個の点で表すことを意味する。点と点の間は一定で伸びたりちじんだりしない。だから10cmの線分は330個の点で表される。
 一方,スキャナーでは解像度が72と表示されている欄がある。これは,「1インチの長さの線分を72個の点で表す予定です」といっているわけだ。じゃあ10cmの長さの線分は何個の点になるかを比を使って計算すれば,72の(10÷2.54)倍 から 283.46456 すなわち283個である。このディスプレーでは330個用意されているから,情報が足りないことになる。このままスキャンを実行すれば,横は283個の画素を使った図形が表示されるから,47個分小さい図形になるというがお分かりだろうか。(1インチ≒2.54cm)

 以上から,実物と同じ大きさの画像を表示させるには,
「31cmの長さの線分を1024個で表すには,2.54cmの線分は何個の点を使えばいいか」に応えて,解像度の欄を書き換えてやればよい。計算は上と同じように,a=1024×(2.54÷31) これを計算すると83.9 すなわちa=84となる。これ以上大きい数値をいれれば表示される図形は実物より大きくなって精細に見えるけれども,原稿と同じ大きさに縮小すれば,その分色情報は失われ,上に計算した84でスキャンしたのと同じことになる。皆さんのパソコンにあわせて,スキャナーの解像度を指定してみてください。
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料理鋏で長焼きを切る

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08月01日(火)
身の回りの小道具 (2)
包丁はまな板がいる
 
 和鋏(日本式の鋏)とラシャ鋏で裁縫していた母の側で子供の時期を過ごす時間が多かった私が母の目を盗んで,紙を切ると決まって叱られた。反物たんものが切れなくなるといってすごく大事に使っていたその鋏が今も残っている。私は長い間,鋏とは紙と布を切る道具だと思い込んでいた。

 家庭で使う料理鋏が便利なことに気づいた。逆に鋏で紙や布を切ることはほとんどなくなった。鋏は台所で使うことが極めて多い。袋を手で破る代わりに綺麗に切ることに使う。同じ切るものに包丁がある。どこが違うかといえば,包丁にはまな板が必要であるが,鋏にはいらない。空中切断ができるからである。トレーにラップのかかった食品を取り出して,まな板で切断し,残りを元に戻したいときがある。できるだけ雑菌がつかない様にするにはどうしたらいいか。
 ラップをはずさず,端から使うだけ開いて,ラップから抜かず,鋏で切断する。切った部分をつまみ出して,残った部分には手を触れずラップを元にかぶせておけばよい。包丁ではできない。この方法も買って来た日の処理には鋏が使えるが,トレーごと冷凍してしまったときは使えない。そのときはトレーのまま使う分だけ包丁でばっさり切断する。そうすれば雑菌から守られる。

 家の敷地に空き地があると雑草で覆われる。これも鎌で根こそぎ切り抜いてしまうのはがもったいない。色を活かして緑の草原にしたい。床屋さんが5分刈りをやるように,草を鋏で切りそろえる。殺さず活かさずという精神で緑を楽しむ。自分の頭は月一回刈ればよいのに,草は伸びが速い。3分の1ずつ移動しながら,刈り揃えていかねばならないが,仕事がないので丁度いい。
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ペジェ曲線で描こう

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07月30日(日)
身の回りの小道具 (1)
文中のカットの効果
 
 私は紙に絵を描いたことがない。絵がへたで絵にならないからである。ところがパソコンで絵が描けることを発見した。そのときはパソコンの威力とソフトの威力をあらためて見直した。ここにある絵は見本を見ながらであるが,腺がぐらつかず曲線と線分の組合せで描けているのがお分かりでしょうか。

 顔の曲線の決め手は円を描いてからそれをペジェ化する機能を使って自由に変形することである。髪の毛全体もそうだ。目や口の中の曲線は線分をペジェ化して,少しつまんでひっぱっただけだ。こぶしは特に威力を発揮する。その他は線分を結んで描いていき,線上に色をつけると輪郭が出来上がる。余分なところは消しゴムで消し,閉領域を塗りつぶして完成する。皆さんもやってみてください。
 使ったソフトはフリーウエアのPixiaである。上の絵も時間をかけて目の部分をいじればいくらでもかわいこちゃんにもっていける。この程度はレイヤーなしでかける。レイヤー機能マスクを使えばなんでもかける。是非このソフトをお勧めする。

 このソフトのもうひとつの特徴は,文字の右下に影をつけることはもちろん,2重文字(左)・3重文字が書けることである。
 さらにきわめつけは,画像自身に陰をつけて浮き上がらせることができるところだ。(右)
こうして自分でイラストを作り文に添えれば,その文が生きかえってくる。
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