「D'GAME3 The March of Fools Part2」
Feb.11.2001
…2巻までのあらすじ
物語の舞台は敵勢力USSG勢力圏に近い、惑星エトルリア。
前年、アパディア事件により、USPOとUSSGは準交戦状態に入っていた。
1942u.c.
…エトルリアでは…
この時期、星間断道弾による無差別爆撃を受けている。
USSGの第二次降下作戦阻止
謎の巨大人型兵器(後にHFAWと呼称される)
巡航ミサイルを伴う通例のUSSGのエトルリアに対する爆撃作戦。局地防衛のために発進し敵揚陸艦に取り付いたSAM小隊ソーフィッシュスコードロンのリーダー、ノイク=スペッセンが見たものは、見たことも無い巨大な人型兵器の影だった。
1949u.c.
…第1次エペメンテ会戦
第3次ツァルソム会戦によって捕獲された2基の遺構兵器、「アパーノ」「コベイツェン」をエペメンテ宙域に曳航する際の攻防戦。
この後、「コベイツェン」はテイクセイア大空襲の際、防空システムの拠点として本星防空艦隊に配備されることになる。
PM(パープルマーダー)と呼ばれる「有機戦闘ユニット」がロールアウトした。兵器としての完全な戦闘人間である。これ以後、戦術の形態は大きく変わったといわれている。
1950u.c.
…エトルリアでは…
…OPERATION POAK HER NOSE(彼女にちょっかい)
敵の新兵器のテスト戦場にされているという認識から、エトルリア防空隊は敢えて再度の敵来襲を容認する。この際、敵降下部隊の揚陸艦を占拠し、無事に強制着陸させることに成功。この時塔載されていたHFAWはフェダイーンBとされ、ろ獲を目的とした地上作戦が展開されたが、この作戦によって、復興中のサイザルシティ市街がかなりの被害を被ってしまった。
HFAWの損害は大きく、結局兵器としての資料価値は認められなかった。PM<パーシィ>の初の実戦である。
…エトルリア大空襲
最前線であったエトルリアであるが、この年大規模な空襲を受ける。防衛隊旗艦である空母ディムバード沈没。艦長のラップス=シェーアが重傷を負う。その間副長のリマ=セントレイトが艦長職を代行。後継として空母グラウツェンが配備され、クルーはそのまま転籍。
<PM;パープルマーダー>
OPERATION POAK HER NOSEに先立つこと2週間前に配備された強化人間の第一号試験体。当時のエトルリア及びディムバードには、クロトの戦略司令部の意向には逆らえない事情があったと推察される。目的のために手段を選ばない非人間性、高慢な態度、協調性の無さなど、“兵士”としては完全な失敗策であったが、高いリーサリティは“兵器”として高く評価されている。PMという強化兵士構想は、越体制企業であるルーファコーポレーションによるもので、この後、USSGにもA'Sというパッケージで売り込みをかけてくる。
…レイプ
「捕虜に対して軍人は礼節をわきまえ、いかなる時もこれを虐待してはならない(銀河講和会議 第一三章 戦時における要綱「捕虜」要約 uc513)」という約束事は、当時完全に形骸化していた様である。単独で付近空域哨戒中だったディムバード所属のパイロット、ライアン=オークは、USSGのヘスペリデス級重巡サルペドンから発進した斥候部隊に捕獲され、捕虜となってしまった。彼女は艦長フォーグラフ=アントン以下のクルー達によって輪姦され、結果ノイク達によって救出された。帰還後、慎重にMCP;メンタルケアプログラムを受診した彼女であるが、その内面の変化は、今後クルーを大きく巻き込んでいくことになる。
…人間対強化人間
パーシィがノイクに対して「特攻」を命じた理由は、作戦遂行上いくらでも考えられる。当然パーシィは特攻戦力として、自らをもカウントしていたのは事実らしいが、しかし自分はミサイルを殆ど撃ち尽くしてしまい、またプロペラントの残量もノイクの方が多かったこと…を考慮に入れた筈である。この時、ほぼ同一の作戦遂行能力を有していた二人を二者択一にすれば、成功の確率からいっても、ノイクが行くべきであることはパーシィにとって当然の論理の帰結であった。
まず、ノイクが命令を拒否した時点でパーシィが彼を「理解(司令官として作戦を組み立てていく上で、彼を戦力として数値化すること)」できなくなったことは明白で、その動揺は押して知るべし…当時の混乱の中、兵士同士の仲違いは間違いなく軍法会議ものであるが、それにも関わらずパーシィはノイクにつっかかってしまう。
リマの特攻命令について、彼女の中に二人を両天秤にかけた思考があったかどうかは定かではないが、どちらかが死にに行くことになった場合、人間としてのノイクを擁護しようとする感情があったことだけは事実のようである。
…諮問委員会
軍にとって大事な試験体パーシィを、命令によって死なせてしまったディムバードの副長リマ=セントレイトは、クロトで行われた諮問委員会にかけられる。敵前逃亡や命令不服従などの罪状ではなく、当時、軍規としてPM自体の「個」を定めていなかったため、軍法会議は免れたが、彼等の認識では、これは軍法会議そのものであった。ウィアが弁護人として同行し、結果としてリマには地上勤務が発せられる。
(この間2ヶ月)
…ソニア
新たに新空母グラウツェン配属されたPMの新規試作型は、後天的に情緒を付加された強化人間「リ=エモーショナイズド」と呼ばれる少女であった。パーシィの一件以来、PMに対して一種敵愾心にも似た感情を抱いていたノイクは、再びオブザーバーに任命され憤然とする。しかも、今回は情緒発達のための「」という立場だったことも彼の感情を逆なでした。しかし、メナドシティでの市街戦以降、ノイクの彼女に対する見方にも変化が顕れてきた様だ。
…遺恨のメナドシティ
二ヶ月前のエトルリア大空襲によって破壊されたメナドシティに休暇で降りたノイク達。虐殺の跡も痛ましい街で、ノイクを名指しで襲う単機のボールドヘッド。そのパイロット、ティファニー=アントンは兄をノイクによって、ちょうど2ヶ月前に亡くしていた。
…リ=エモーショナイズド
ノイクとリムのHに偶然居あわせてしまったソニア。顔を赤らめたところを見ると、羞恥心は持ちあわせている様だ。基本的にオープンな彼らの関係に戸惑いながらもリムの奨めるカクテルにホロ酔いのソニア。彼女の行動の根幹をなす全ては、すなわち「知識」であり「経験」ではない。しかも彼女は自己の体内の分泌系すら把握することもできるだ。あのとき、彼女には数値すら解っていたのだろう、自分にアドレナリンが何ml体内を流れたのか。
…ノイク捕わる
新型SAMであるビッグヘッドの公試試験中に敵艦隊の斥候に捕獲されてしまったノイクだが、その艦長ファゾが興味を持ったのも当然である。彼は単身エトルリアに下りて戦死したティファニーの直属の上司であり、彼女が何故あれほどにノイクに固執したのか、その理由を知りたかったのだろう。幸運にもほぼ無傷で捕獲されたノイクのビッグヘッドは、しかし対爆チャンバー内に隔離されてしまう。
…A‘Sロールアウト
USSGに於けるPMと同様な人為的戦闘人種(有機戦闘ユニット)。彼等もまた越体企業ルーファ=コーポレーションによる商品。そのパッケージは有精卵一個と、学習セット、マニュアル、保証書といった非常にシンプルなものであった。
…新型兵器グレムリン
超高速でしかも高機動、全長70mを超える大きさでありながら、小柄なSAMとほぼ同様にマニューバをかけることのできるCフレームのHFAWである。その反応速度には普通の人間はついてこれないため、USSGにおいて初めてのA'S専用の機種となった。機体両脇に、高速旋回時のAMBAC機動を補佐するオクタダンパーを装備する。初戦においてパイロットのA'Sグライは、このオクタダンパーをソニア機の捕獲、及び高圧の電気的ノイズを注入しての機体機能破壊に用いた。
…フォノイツェン
クロトに半ば収監されていたリマは、最新鋭戦闘空母フォノイツェンの艦長職への復帰を果たし、エトルリアに来る。テイクセイア方面での敵の不信な行動「静かなる行進;silent march」を認めた総司令部の命令書を持って…。
…そして、敵の新型兵器グレムリンとの戦いで自分の秘めたる能力に疑念を感じたソニアは一人、危険なプラグインを再度行い、電脳の中を彷徨っていた。
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-続く-
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