方便品の長行、書進候。先に進じ候し自我偈に相副て読みたまふべし。此経の文字は皆悉生身妙覚の御仏也。然ども我等は肉眼なれば文字と見る也。例れば、餓鬼は恒河を火と見る。人は水と見る。天人は甘露と見る。水は一なれど果報に随て別々也。
前掲同著、53頁
これは「曾谷入道殿御返事」と呼ばれる写本にある一節だが、かの一水四見の喩えを用いて、『妙法蓮華経』の経文に、如来の姿を見せようとしている。であれば、経文の文字を仏と見るためには、一体どうすれば良いのか・・・まぁ、多分、信仰か何かが必要なのだろう。
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