かんらからから

独り言。時々犬、猫。

アニメから学ぶことってあるよね。

2022-02-03 23:16:46 | 日記
子供のころ、我が家は貧乏だった。
学校で必要なものすら買ってもらえないほど貧乏だった。

「うちは貧乏なんだ。いっぱい借金があるんだ。
だからテレビはNHKしか見れない。金がある家だけ契約できるから民放が見れるんだ。」

と、言われ続け、本当にNHKしか見ていなかった。小学6年生くらいまで信じ続けていた。
今の若い人なんか信じられないでしょうが、ワタシの幼い頃って、リモコンなんかない時代ですよ。
ガチャガチャとダイヤル回すんですよ。

やれ、どのアイドルがどうのとか、このドラマがどうのとか、同級生が話をしてても
なんのこっちゃと、まったく話についていけなかった。
そんなさっぶい時代がありました。
そんなワタシを見かねた友達が、「ダイヤル回したら映るかもよ」と教えてくれて、
「でも、貧乏だから…契約してないから…」と、なかば諦めながらも、でも映るかも…、と
ドキドキしながらダイヤル回したら…

映ったんです!!!

当たり前よね~。

何が貧乏だからNHKしか映らないだよ、NHK受信料払ってんじゃん。民放タダじゃん。
確かに貧乏だったのは間違いないけどさ。

しかし、当時のワタシがそんなこと知る由もなく、何か特別なことが働いて映ったんだと思い込み、

「お父さん!!映った!!他のも見れるよ!!!」
鼻息荒く両親に報告すると、

しまった…。と、確かにあの時あの二人はそんな顔をした。

そこからね~、世界は広がったね。
もう、知ってるふりして聞いてるだけのワタシじゃない。
同じ時代を生きてるのよっ!!取り残されてないのよっ!!

まあ、そういう時代があったわけですけども、NHKしか見てなかった時、
私たちきょうだいは、そこから一生懸命情報を収集したし、楽しみも見つけていた。
うろ覚えだけど、確か、火曜日の7時半、アニメをやっていた。
未来少年コナン、ニルスの不思議な旅、太陽の子エステバン、その他いろいろ。
それが大好きで毎週楽しみに観ていた。ホントにいい作品ばかりだった。
やっぱり子供だからアニメが大好きなわけですよ。今も好きだけど。

民放を見始めて、特に好きだったのが「ハウス食品 世界名作劇場」。
途中からハウス食品の文字は消えた気がするけど。
良かった。あれは良かった。どの作品も良かった。
最後の作品は「ロミオの青い空」ではなかったか。
あれで世界名作劇場は終わったのではなかったか。
残念でならなかった。

このことを思い出したのは、アマゾンプライムでそのうちの何作品かが出てたから。
見つけた時歓喜しましたよ。
うっひょ~、嬉しい!!
懐かし~!!
しばらく楽しめる~!!
昔の作品てなんだかとてもいい。さっくりと心の中に入ってくる。

余談ですが、もう二度と観れない、と思ってるアニメ映画がある。
「火垂るの墓」。有名ですね。
子供のころ、「やった~、アニメ映画だ」、と、うきうきしながら観てました。
初めて観たんです。
その時ワタシポテチ食べてたと思う。
話が進むにつれ、だんだんポテチが喉を通らなくなってきた。

一生懸命生きている兄と妹。虐げられ、食べるものもない状態。
だんだん弱っていく節子。どうにかしてあげようと頑張る兄。
ずっと忘れられない節子の言葉。声。

「節子…お腹空いた…」

布団をかぶって号泣。
そういう時代があったんだと、そんな子供たちがたくさんいたんだろうと。
貧乏だけどポテチ食べてたワタシ。
苦しくて苦しくて苦しくて…。
どうにもならない感情がたまらなく辛かった。
あんな時代、二度とあっちゃならない。
大人たちが引き起こした責めを子供たちが受けちゃならない。
いい作品です。語り継がれるべきものです。
今も思い出しながら涙がボロボロ出ます。

毎年放送されるたびに、心の奥がズキズキ痛みます。観れないんだけど…。

生きてりゃ色々ある。でも、生きてるから色々あるんだ。