自分の体の中で気に入らないところ、気になるところ色々あれど、
一番、本当に一番気に入らないところは
尻。
尻、臀部、ヒップですよ。
もうね、大殿筋ちゅうもんが私の尻にはないんじゃないかと思うんですね。
あるとしてもすでに退化している。
それくらいの垂れ尻。
太ももと尻の境目がないに等しい。
一緒の職場にいる私より10も20も年上のおばさんたちの方が、まだ「THE 尻!」って感じするもんね。
うらやましいわ。いやホント。
これはね、もうピッチピチの若いころからの悩み。
遡れば高校生の頃から、どうも周りの尻とちょっと違うと思っていた。
今ではもう死語になったであろう「ブルマ」の時代ですよ。
プリプリの尻がそこら中にあったわけです。
尻に肉がないと言えば聞こえはいいが、ブルマに入る肉がなくてぶかぶか。
ホントにプリプリには程遠い尻の時代が延々と続いているわけです。
しかも年取って、さらに垂れ具合に磨きがかかってきたときたもんだ。
若いころにはそれなりに努力もしました。ヒップアップに効くという体操も一所懸命やったし、
桃尻になるというガードルも何枚も買いました。
実際、はいただけで「尻」ができるのを見た時には、しばらく鏡の前で興奮したもんね。
でもね、どんなに一生懸命やっても大殿筋には私の痛烈な思いは届かなかった。
ええい、上がらんかっ、このっ!!、と尻をつかんで引き上げても私の尻はちっとも言うことを聞かなかった。
ガードルで何とかなるっつったって、はいてるとね~、キツイんです。
もう太ももとかソケイ部とか締め付けられて。毎日なんてはいちゃおれんのですよ。
そうこうするうちに尻のことはあきらめた。
別に顔みたいに常に人から見られるわけじゃなし。隠せばいいじゃん。尻が隠れる服を着ればいいんですよ。
私は人生で太っていたという経験がない。
体重は20代の頃からずっとほぼほぼ一緒。
なので、尻さえ隠せばスタイルだけはそれなりのものが保てるわけです。
別にこの先誰かに尻を見せる機会があるわけじゃなし。
いーのいーのこれで。
と思っていたら…、私の尻に大ピンチが。
私の職場では、年に数回、自分を捨てなきゃならないような催し物があるのです。
これまでは、あー、イヤだ、と思ってもそれなりにこなしてきましたが、
今回、今回だけは、
あ~、ワタシの人生終わった…、
とやりもしないうちから燃え尽きましたね。
だいたい出し物が決まった時点で、イヤな予感がしてたんです。
そして衣装がこうですよ、と言われた時のあの衝撃。
いやあ~!! いやよ~~~!!!
のたうち回りましたよ、ココロの中で。
辞めようかな…、と思いました、マジで。
モモヒキ、ありますでしょ?ももひき。お年寄りの方々なんかが着られるあれです。
そして、それとセットになっている肌着。
あれ着て、さらにブリーフ履くんです。
尻の形がはっきりわかるんですよっ!!!
それで、きよしのズンドコ節踊るんです…。
これまでひた隠しにしてきたワタシの尻が、絶対誰にも見せたくなかったワタシの尻が、
まさかこんな形で公衆の面前にさらされることになるとは…。
いやだわ~、身体の線がはっきり出るじゃん~!!、と関取なみの腹を持つおばちゃんたちが
恥ずかしそうに笑っているが、私は違う、違うのっ!!
もうお嫁にいけない~!!!
…いや、確かにもういけないんだけどね。
ずっと、ずっと、どうにかならんもんか。どうにか回避できないもんか、と策を練ってきましたがどうにもなりませんでした。
風邪も引かなきゃ、インフルエンザにもなりゃせん。
尻も言うこときかないけど、身体も言うこと聞かない。
…ちきしょうめ。
もう泣くしかないね…。
そして迎えた当日。
…かなりウケた模様です。ウケてもらわにゃ報われん。
当日になってはいたブリーフ、XLでぶっかぶか。垂れ尻マックス。
でもねっ、いいこと思いついたのっ、面白けりゃいいわけで、尻にタオル入れてボリューム出したんですよっ。
そしたら尻ができたっ。
とりあえず、ほんものの垂れ尻は見せずにすんだ。
恰好はね、そりゃー笑われましたけども、それよりも私にとっちゃ垂れ尻の方が問題だったので、いいんです。
いいんですよっ。