「美しきこと はかなきこと」
宮崎駿監督の最新作。
今回は、ファンタジーではなく、実在の人物をモデルとした物語。
しかし、宮崎監督が作るとファンタジー色が強くなりますね。
地震の表現。
夢の扱い。
ドラマのような仕立てとは異なる仕上がりになるから不思議。
庵野氏の声優起用はいかがなものかと感じてしまったが、その仕上がりには「さすが」の一言だ。
結核を患うヒロイン。
自らの美しい時間を愛する人と過ごしたかった。
そんな美しく「はかなき」時。
ゼロ戦を開発する主人公。
美しき飛行機を作る。機能的で高性能がかもしだす美しさ。
しかし、その美しさも第二次世界大戦では、各国の研究の対象となり、思うような戦果をあげにくくなっていったという。
そんな、「はかなき」機能美。
結核もその時代の病。
そしてゼロ戦もまた、人や物をおろそかにした戦争の中埋もれていってしまったものかもしれない。
時代に翻弄された「はかなさ」に、目頭が熱くなる思いを…。
それでも、風が吹くかぎり「生きねば。」