天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

3月22日まで茨城親鸞展

2010-03-22 08:10:40 | 日々
雅楽教室の弘山先生と井上さん、そして京都からいらっしゃった西塔さんと一緒に親鸞展を訪れました。

この度は、国宝の板東本『顕浄土真実教行証文類(教行信証)』が公開されているというので、楽しみでした。
板東本とは、唯一現存する親鸞聖人直筆の『教行信証』。聖人が茨城県稲田にて草稿本の清書本として著されたと推定されている。(歴史資料館資料より)
一文字一文字を見ると、改めて親鸞聖人のご苦労が伺えます。

そして、午後からは24輩のお寺めぐり。
一ヵ寺目は、信願寺様を参拝。
こちらは、24輩第23番唯信房開基のお寺です。

下の写真は、お寺の境内にある親鸞像です。妻子と並んだ親鸞聖人のお姿は珍しいです。
親鸞聖人42歳、奥様・恵信尼様と息子・信蓮房とご一緒に関東へいらっしゃった時の姿です。



その石碑に刻まれたお言葉が心に残りました。
むかし野にひじりあり 公家をすてて仏道をもとむ
山上に心月を仰がれずして 救いを慈悲の精舎に祈る
生と死のいづべき道をききて 俗と僧をこえて凡人となる
暴力には慈悲の心をもて向い 心暗きものに智恵の道を示す
乏しきに交わりて心豊かに 力なき人民とともに生きるも
その心太陽のごとく そのあたたかさ 母のごとし
悪しき心の性を人に見づして 自からの暗の深きを恥じ入る
その子に背かれ妻に別れ 市辺の一隅にあって真実を書く
濁り多き世に生きながら 濁りなき世の来らん日のために
自ら燃えつくしたるその人 野のひじり親鸞という
京都山科にて  高下恵証



二ヵ寺目は、24輩第19番の上宮寺様を訪れました。
こちらは、明法房開基のお寺です。



最後に、24輩の第14番の阿弥陀寺様を参拝させて頂きました。



どちらのお寺にも親鸞聖人の像がご安置されておりました。
厳しい中にも優しさのある聖人のお顔を参拝させて頂きました。

ちなみに、本日3月22日まで親鸞展が開催されております。

【一口メモ】
『顕浄土真実教行証文類』
数多い親鸞聖人のご著作の中でも主著であり、一般には『教行信証』と呼ばれる。

○内容
浄土とは何かをあきらかにするために著す。親鸞の考えを自身の言葉で述べるのではなく、『大無量寿経』などの経典類からの引用によって述べる手法をとる。

○構成
総序
教巻 『大無量寿経』に述べられた教えを説く
行巻 阿弥陀仏が人々の救う行を説く
信巻 阿弥陀の救いを信じることを説く
証巻 救いを証することを説く
真仏土巻 証の顕れる真仏土(浄土)のことを説く
化身土 真仏土が人間の考える範囲の世界ではないことを説く
後序

以上、歴史資料館資料より。

(龍)