藤白王子跡
藤白王子社は熊野九十九王子の中でも籾井、藤白、切目、滝尻、発心門を五体王子と称し重要視され、九十九王子社の中でも特に格式が高いという。
本格的な藤白坂の峠越えを控え、特に気を引き締めるという。これから違う世界に入るのだという気概が大きいのでは・・・。
この藤白王子社は熊野三所権現の本地仏三体を祀っている。本宮、新宮、 那智3社の阿弥陀如来・薬師如来・千手観音である。(説明板の奥の社)
藤白神社
藤白坂へ
藤白神社から阪和自動車道の下道をくぐって約300mほど熊野古道を行くと有馬皇子の遺跡がある。
齢19歳の皇子が謀反の疑いで捕えられ、白浜に行幸中の斉明天皇にみまえてから都へ帰る途上この藤白坂で絞殺された。自らの運命を悲しんで詠んだ歌碑と有馬皇子の墓とされる五輪石がある。
「家にあれば 筍に盛る飯を 草枕旅にしあれば 椎の葉に盛る」
ここから次の藤代塔下王子社へは藤白坂の急峻な峠越えである。
藤代塔下王子跡
藤代塔下王子社は地蔵峰寺の境内に鎮座していた。
地蔵峰寺は藤白坂を登った峠にあり、「峠の地蔵さん」と呼ばれ、大きな石造地蔵菩薩が本尊として安置されているそうだ。
地蔵峰寺裏手にある御所の芝は、十二度もの熊野参詣を果たした白河上皇の行在所跡で、藤白、名高の浦と黒牛の海、和歌の浦が一望できる「和歌山県朝日夕陽百選」の地だそうだ。
(御所の芝「夕陽百選」見損なってしまった! イメージです。)
橘本王子跡
藤代搭下王子跡を過ぎると眼下に橘本の集落が見える。集落に転げ落ちるように延々と続く蜜柑畑の中を古道は続く。道標に従って熊野古道を西に外れると阿弥陀寺に至る。この境内に橘本王子跡がある。
橘本王子を示す阿弥陀寺山門
橘本王子跡
紀伊続風土記よると白河法皇が参詣の時、この王子社に通夜して「橘の本に一夜の旅寝し 入佐の山の月をみるかな」と詠まれたと記されている。
次回は所坂王子から
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