南叡山大同寺は、和歌山市の北部、紀の川の北岸、六十谷にある天台宗の古寺です。
文献によると大同元年(806年)に傳教大師(最澄)が創建し、弟子の慈覚大師(円仁)が建立したとの事。平城天皇の御願所、後鳥羽院の勅願寺でしたが、天正13年(1585年)の兵乱で焼失。延寶年間(1673~1680年)に本堂などが再建され、寺号を南叡山薬王院大同寺としたそうです。
その大同寺には1枚の青銅製の和鏡が伝わっている。
大同寺の和鏡は、鎌倉時代に作られた蓬萊鏡と呼ばれる和鏡(直径は11.8㎝)で、裏面の中央には小さな紐通しの穴(鈕)があり、裏面の文様は、波の打ち寄せる砂浜の巨岩、幹の太い松の老木を描き、左方の岩の上には首を長くして獲物を狙う亀が配置され、その上方を飛ぶ2羽の鶴、遠景に数羽の雁をあしらっているそうです。また、蓬萊とは、中国の神仙思想で説かれる仙境で、伝説では仙人が住み、不老不死の地と信じられてます。
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