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パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト

冬になってローラー台でのトレーニングが増えていくだろうから
ローラーついでに動画を見て、ローラーとの相性を伝えつつ、感想を書いていこうというコーナー。
(大体こういう企画を立ち上げても、あんまり続いた例がない)


プロトンの9割が喘息持ち。だから喘息薬はTUEの申請が要らないのさ。なんて笑い話がありますが
最近、クリス・フルームがブエルタ第18ステージ終了後、喘息薬に含まれているサルブタモールが規定値を大幅に超えていたことが発覚し、
サイクルロードレース界隈はドーピング問題で賑やかになっていますね。

パンターニ 海賊と呼ばれたサイクリスト(字幕版)
マルコ・パンターニ,グレッグ・レモン,ブラッドリー・ウィギンス,ランス・アームストロング
メーカー情報なし


ローラー相性指数:65
私がBianchiのロードバイクに乗ろうと思ったきっかけ、マルコ・パンターニのドキュメンタリー映画。
でもね、すごく暗い映画。いろいろ考えされられてしまうのでローラーとは微妙に相性が悪かったです。


今のフルームに起こっているドーピング問題について、サイクルロードレースファンの友人曰く、
『TREKの監督だったブリュイネール、SKYのブレイルズフォード、クイックステップのブラマーティやステルス、カチューシャのアゼヴェド...今、チームを率いている人達は食事をするように薬物を摂っていた人達。だから、もう2世代ぐらい経たないと、こういうのはなくならないと思うよ。』

まあ、サイクルロードレースだけでなく、今のスポーツで飯食っている人達にとってドーピングは切っても切れないんでしょうね。


このドーピング問題における論点って2つあると思うんです。

まず1つ目が『ドーピングは悪だ』という点。
これはもう選手だけじゃなくて、関係者みんなでモラル向上に努めるしかないわけですよ。

2つ目は『自分もやってるくせに他人を非難するな』という点。
繰り返すけど、スポーツで飯食っている人達とドーピングは切っても切れない。
その部分は百歩譲って呑んだとしても、他人を悪役にすることで、自分にとっての煙幕に利用するヤツ。これってどうなのよ?
特にサイクルロードレースって紳士的なスポーツじゃん?なおさら我慢ならないんだよねぇ。
私も友人も、こっちの論点でキャンキャン騒ぐ人です。


で、このパンターニの映画に話を戻すと、
アマチュアで彼が強かった時は当然やってないわけ。もう普通に強い。それでプロになって、そのままの勢いで勝っちゃう。で、一躍時の人となった途端「やっぱり、プロはやめるよ」って家族に漏らす。ハタから見れば、えーっ!って思うし、それまで貧しかったところから抜け出せると思っていた彼の両親も、それを認めない。「息子がどうして急にそんなことを言い出したのかわからない」と言うんだけども・・・、いや実は知ってたんだろとw

薬に染まったプロの世界。純粋なパンターニはそれに堪えられなかったのに、スポーツ賭博やスポンサーなど金のために無理やり押し込んで、さらにドーピングで出場停止になり、身も心もズタズタにされコカインに手を付けて、挙句の果てに自殺。劇中でインタビューに応じる母親も、彼を自殺に追い込んだ人の一人なのかもしれないって思うと、なんとも重い映画に感じました。


パンターニは決して他人のドーピングを非難しなかった。自分もやってるから。やりたくないのにやってるから。
なので、私は真っ黒なのに黙ってる人達のことは静かに許容することにしています。

「ウチはクリーンだ!」と声高に言うチーム。私はどーしてもSKYを好きになれないのはそういうところなんです。
だから、今回のフルームについても、彼自身がドーピングしていたことよりも、その取り巻き連中、特にSKYがどういう対応をするのかが興味あります。ランスの時みたいにチームを売却して、スポンサーも抜けた数年後、テレビで暴露でもしちゃったりして。


ぶっちゃけ、選手がドーピングしてないって信じてる人は
『自分の好きなアイドルが異性と付き合ってるわけはない!うんこもしない!』と言ってるのと同じだと思うんです。
そう信じたい気持ちはわかりますが、事実は事実。
事実を言っている人間を攻撃しても、後に暴露された時に気まずいよ?と思うんだけど・・・どーなんでしょうね。

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