いい日旅立ち

私の旅の始まりには
心の中でいつも・・
「いい日旅立ち」の歌が流れています。

一面のラベンダーに囲まれて
想いを巡らし
丘の上から渡ってくる風に

今年の二月淡雪の降った朝に
何も言わずに
誰にも知られずに逝った母を感じて

父と母がふたりで見た景色なんだと・・
傍らのラベンダーに呟いてみました
答えてくれるはずはないけれど

風にそっと揺れて
目を閉じた私の耳元へ
ほのかな香りを届けてくれました

風を感じて

ラベンダーの花畑に　私はいます

すべてを包み込んでくれる

薄紫の花のカーペット

彩りの斜面から

風と一緒にわたってくる

花の香りと

遠い思い出と・・


あの眩しく光る雲の向こうに

あなたはいるのでしょうか

あなたの見た景色もこんなでしたか

ふたりでこの道を歩いたのでしょうか

ラベンダー畑で

いつか行きたいと思っていた
富良野のラベンダー畑
昔、北の国からのドラマで見てから
ずっとずっと憧れていた景色

写真で注目されて
それから、雑誌、テレビと人気が出て
今では観光化・・・という場所があるけれど

日本の国内よく見てみると
もっともっと
日本っていいな・・と思えるところがたくさんあるものです。
今年で３年連続の北海道。
とうとう、この景色に出逢えました。

そして、思い出を辿って積丹、小樽へも・・
若い頃・・訪れて一度で虜になってしまった
あの積丹ブルーの海
神威岬の奇岩・・カムイ岩
愛しい人を思って海の中にたたずむ・・ロウソク岩
アイヌの女の人の立ち姿に似ているというその岩の
頭のところに赤いスカシユリが一輪咲くと・・
そんな話に胸打たれた

吹きガラスのような

吹きガラスの先の
赤く燃えて輝く　ガラスの種に
少しずつ息を吹き込むでしょ。

何をつくろうかしら・・

涼しさをくれる　風鈴？
渇きを癒してくれる　空色のグラス
それとも、野の花を生ける　一輪挿し・・

でもね
息を強く吹き込みすぎると
まぁるく　まぁるく　膨らみ過ぎて

そして、
紙のようにひらひらと
しゃぼん玉が割れるように
一瞬のうちに　壊れてしまうって
知っていた？

あのね・・
わたしの心も　あのガラスの塊ように
壊れてしまいそうになる時がある・・

そんな時は、そっと
両手で包み込んでください
やさしい形になるように
どんな形になるのでしょう

吹きガラスの形も
そうして整えるように・・