4年生の進学塾での授業が2月から始まった
週に2回、1回当たり180分の授業だ
5月のゴールデンウィークを過ぎる頃から
源次郎はだんだんと
塾の宿題をしなくなっていった
当然、定期テストの偏差値が落ちていった
結果を見て焦ったボクは
何度か叱った事があった
だけど
叱ることでプラスになることは全くなかった
さらに宿題をしなくなっていった
ちょうど当時
4年生時の小学校の担任の先生と
相性が合わないためか
「学校の先生嫌いだし、先生は自分を嫌っている」
とか
「学校も塾もつまんない」
と言い出した
塾の宿題は常に山のように増えていく...
気力の抜けた源次郎
不安が増すボク
ついには
「もう、宿題できない...塾に行きたくない...辞めたい...」
と源次郎の口からこぼれた
ボクは叱ることは出来なかった
源次郎の意志を受け入れた
4年生の7月の終わりころ
夏期講習の直前ぐらいだろうか
源次郎と一緒に塾へ行き
「どうしても宿題が出来なくなりました
高校受験に切り替えます
大変お世話になりました」
と担当の講師に挨拶し、退塾届を提出した
源次郎は「去年から宿題するのが辛かった...」
と帰りの電車でつぶやいた
5歳から10歳までのこれまでの日々は
いったい何の意味があったのか
妻は
「努力をした事実は消えない、いつか役に立つよ」
と言ってくれた
それでもボクは苦悩していた
自分は何に5年間も費やしてきたのだろうか
源次郎に何を残したのだろうか
敗北感だろうか
いや、敗北したのはボクなのだ...