6月18日はスープの会の活動に参加するフィールドワークを行いました。
スープの会は新宿駅周辺のホームレスの方々に毎週土曜日にお味噌汁を配りながら、ひとりひとりとコミュニケーションをとる活動を行っています。電話相談のビラも同時に配り、土曜日以外でも何かあればすぐに相談できる体制を整えています。
また「風まちサロン」を運営しており、地域の方々が誰でも集える場所をつくっています。
ホームレスの方が自立し家に住むようになっても、地域住民と上手くいかずにまたホームレスに戻ってしまうことがよくあったそうです。
それを防ぐためにも誰もが集えるサロンで交流を深めようとしているのです。
僕たちはお昼過ぎにまず「風まちサロン」に伺い、夜に配るお味噌汁と一緒に作らせていただきました。
料理をしながらこれまでの「スープの会」の歩みについてお話をうかがいました。
最初はコンセプトへの理解がなかなか得られず、地域住民の方々に白い目で見られることもあったそうです。
しかし10年経ち徐々に交流の輪が広がってきたとおっしゃっていました。
地道に長い間努力することが信頼と理解を得るためには大切だと感じました。
お味噌汁はタマネギ、人参、椎茸、キャベツ、もやし、かぶ、ジャガイモetc...覚えられないほどたくさんの具が入って栄養満点!!
19時に新宿駅の集合場所へ。
集まった方々には、初めての人もいれば何年も続けている方もいました。
3グループに分かれてそれぞれ担当場所へ向かうことに。
いつもは気になりながらも素通りしてしまっていたホームレスの方々に声をかけました。
「こんばんは~スープの会です。温かいお味噌汁はいかがですか?」
「お~ありがとう!いただきます^^」
人通りが多いなかでみんなに無視され続けるのは非常につらい。
目があっても無視されるようなことが続くと、自分が存在しているのかがわからなくなる。
本当は誰も自分のことが見えていないのではないか。
不安な気持ちがいろいろ出てくるそうです。
声をかけて味噌汁を配る、それだけでも自分が社会の中で生きているということを実感できると言っている方がいました。
当日は雨が降っていたので都庁付近の屋根があるエリアは100人近い人が集まっていました。
スタッフの方々は顔見知りになっている人もたくさんいるようで、一度話し始めるとなかなか止まらないほど盛り上がっていました。
フリーダイヤルの電話相談チラシも忘れずに配ります。
やはり悪徳業者に「いい仕事がある」とだまされそうになっている人もいて、声かけをして注意を喚起していかなくてはいけないと感じました。
リーマンショック以降は20代30代の若い世代の人も増えてきたそうです。
自分は関係ない、といって無視していられる問題ではないと思います。
味噌汁を配り終わったらまた集まり、報告会。
○○さんを最近見かけていない。
△△さんがまたお酒をよく飲むようになった。
☆☆さんが今日はとても笑顔で機嫌がよさそうだった。
毎週活動を続けているからこそわかる、ひとりひとりの変化。
人と人との交流を長く続けることの大切さを実感したフィールドワークでした。
スープの会の活動はいつでも誰でも参加できるので、気になる方は個人でも参加してみてはどうでしょうか?
文責 松本 駿