格差と貧困ゼミぶろぐ

東京大学「格差と貧困を考える」ゼミのブログです。授業やフィールドワークの内容をお伝えしていきます!

フィールドワーク@山谷(6月11日)

2011-10-03 13:16:52 | 活動報告

6月11日に希望者を募って山谷へフィールドワークに行きました。

☆山谷とはなんぞや☆

僕もこのゼミで学ぶまでは何も知らなかったんですが、南千住駅近くにあるドヤ街地域です。

で、僕は「ドヤ街」も知らなかったので軽く説明すると、日雇い労働者が多く住む街です。一泊2000円程度の安い宿が密集しています。

低賃金で不安定な職を点々としている人が多いようです。僕たちは昼過ぎに訪れたのですが路上に段ボールを敷いて寝ている人も多く、かなり疲れているように見えました。

 

私たちは日本キリスト教団・日本堤伝動所メンバーの高澤充朗さんに案内してもらいました。

高澤さんは長年山谷における様々な問題の解決に取り組んでこられた方です。当日も山谷の歴史や問題について詳しく説明してくださいました。

まず南千住駅に下りて山谷に向かう途中でスカイツリーが見えました。

そのときに高澤さんがおっしゃった「発展の陰には汗水たらして働いている低賃金労働者がいる。立派なスカイツリーのすぐ近くに山谷のようなドヤ街があることを知ってほしい」という言葉が印象的でした。

 

 

歩いていると徐々に格安宿が増え始め、日雇い労働者の方々とも会うようになりました。

疲れて路上で寝ている人、友人と談笑している方、とぼとぼと歩いている方と様々でした。

 

 

まず炊き出しを行っているキリスト教の伝道所に伺いました。

毎週土曜日の朝にカレーを作って配っているということでした。

ボランティアは随時募集しており、連絡をしなくても土曜日の朝に訪れれば参加できるそうです。

ただ食事を提供するだけに見えますが、そこにはコミュニケーションが生まれます。相談事を聞いてくれる人がいるということが、とても大事なのではないかと思いました。

無料診療所やホスピスなどもありました。

 

都に悪いイメージをつけたくないという理由で地図から「山谷」という地名を消すような動きがある一方で、地道に支援を続けている方々がいるというギャップ。考えさせられました。

 

 

最近はネットカフェなどで寝泊まりする人も増え、日雇い労働者の実態が非常につかみにくくなっています。

山谷に暮らす人数も減少しており、最近は外国人バックパッカー向けに改装する宿も出てきているようです。

今は山谷の転換期なのかもしれません。

しかしその動きが加速すると、山谷に暮らしていた労働者は強制的に追い出されるような事態を招くかもしれません。

 

フィールドワークの最後によった公園に鼻歌をうたっている男性がいました。

声をかけたところ、翌日の職が見つかったから嬉しくて歌っていたそうです。

「働くことができる」ということがどれだけ大切なことかということに気付かされた瞬間でした。

 

今後も自分たちの目で見る活動を増やしていきたいと思います。

 

文責  松本 駿

 

 


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