外に出れば

　　　　焼き芋みたいな
　　　　エッセイ・シリーズ⑰
　　　　『 外に出れば 』

　　　  たまにバスに乗れば、
　　　　降りる停留所のボタンをタイミングよく押せるか緊張し、
　　　　料金ちょうどの小銭があるかどうか緊張し、（PASMOにしなさい）
　　　　万が一の時、両替機の使い方が分からないぞと緊張し、（PASMOにしなさい）
　　　　降りる時はバスがちゃんと止まってから席を立たねばと緊張する。

　　　　たまに電車に乗れば、
　　　　切符が自動改札機に詰まってピーピー鳴らないか緊張し、（だからPASMOにしなさいって）
　　　　急に腹が痛くならないか緊張し、
　　　　ケータイをマナーモードに切り替えてたかどうか緊張する。

　　　　電話が鳴れば、何かトラブル発生か！と緊張し、
　　　　バイクに乗れば、左折する時に空きカン踏んづけて転倒しないか緊張し、
　　　　買って来た電化製品がすぐ壊れないか緊張し、
　　　　隣の家のお爺ちゃんに何だか緊張し、
　　　　必ずこっちを凝視してくる市場の魚屋のオバサンに緊張し、
　　　　１０年物のパソコンが今日もちゃんと立ち上がってくれるか緊張し、
　　　　来月もちゃんと仕事があるかどうか緊張する。

　　　　エレベーターに乗れば、故障して閉じ込められるんじゃないかと緊張し、
　　　　海水浴に行けば、深い所で足がつらないか緊張し、
　　　　山に登れば、クマと出くわすんじゃないかと緊張し、
　　　　ホテルに泊まれば、お化けが出ないか緊張し、
　　　　へんな形のうろこ雲見ると大地震が来るんじゃないかと緊張し、
　　　　スキーに行けば、リフトに上手く乗れるかどうか緊張し、（はぁはぁはぁ）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　あぁ、キリがないな。
　　　　外に出れば、何から何まで緊張の連続だ。

　　　　今でも、人が集まる所じゃ必ず隅っこに行くし、
　　　　真ん中になど立とうものなら、落ち着かなくてどうして良いか分からなくて、
　　　　普段は無い様な思考回路になるし、電車などはもってのほかで、
　　　　ズラーっと並んだ向かいの座席の人達に緊張するから、座らずに入り口に立つし、
　　　　「s.yさんって渋いですよね。ウフっ」なんてたまに若い娘に言われると、
　　　　勘違いしてしばらく空を見上げてるし（アホか）、
　　　　もうどうすんべ、この性格。
　　　　この歳になっても治らないみたいで、
　　　　誰かっ！誰か私に即効薬をぐだぢゃい！（むはは）



　　　　　　　　　　　　　　星空Cafe、それじゃまた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　皆さん、お元気で！