スペインはバルセロナから、マンガエキスポのレポートが届きました!
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5月3日から6日まで「Salon del Comics 2012」がスペイン・バルセロナで開催されていました。30年の歴史を誇るこの漫画の祭典は、秋に開催される「Salon del Manga」と同規模のバルセロナでのマンガイベントで欧州で最も重要な漫画祭のひとつです。4日間で10万人の入場者数を記録し、150の出展者は昨年と比べ20%増でした。
今年のテーマの一つは「ロボット」、会場では鉄腕アトムやマジンガーZなどの日本のマンガの展示、ロボットやアンドロイドを題材とした映画の上映、地元カタルーニャ工科大学の協力で実物のロボットのデモンストレーション、ABBグループによる自動車用産業ロボットによるマンガ描写の実演など多彩なプログラムが催されました。また日本からのゲストとして巨大ロボットマンガの第一人者永井豪氏が訪れました。
今年3月に亡くなられた、フランス人のコッミクアーティストMoebius(メビウス)ことJean Giraud(ジャン・ジロー)氏に捧げる展示ブースも設けられ、彼の原画を見ることができました。
今年生誕50周年のMarvel Comics(マーベル・コミック)のスパイダーマン展示ブースではオリジナルの原画の観ることもできました。Marvel Comicsと並びアメリカ2大漫画出版社のもう一方、DC Comics(ディーシー コミック)も日本でもお馴染みのスーパーマンやバットマンのニューシリーズ本の展示・販売をしていました。
地元スペインのアーティスト、Jordi Longarón(スペインで最も早く国際的な成功を収めたコミックアーティスト)や Paco Roca(現代スペインコミック界を代表するアーティスト)の展覧会が催されていました。Paco Rocaは、2008年発表の『皺(しわ)』でスペインコミック賞を受賞し、日本でも第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しました。
また子供の来場者ためにもスペースが設けられ、スペインでも大人気のキャラクター「ドラえもん」ブースもありました。ここでは、ぬりえ、ゲームやパズルを楽しむことができました。
アーティストによるワークショップもあり、熱心なマンガファンは説明に聞き入っていました。
今回日本からの出展は残念ながら在りませんでしたが、日系として唯一LondonのJapan Centreが参加していました。ブースには、日本のマンガ、雑誌、ジュースやお菓子など日本で日常売られているものが展示・販売され、大勢の人達で賑わっていました。日本文化の関心の高さを感じ、日本からの参加が全くないのが非常に残念に思いました。
会場中心には今年のゲストカントリーとして「CHINA」ブースが200平方メートルという大きさで設けられていました。コンテンツビジネスの海外輸出に対する中国の熱心さが伝わってきました。
外国人アーティスト・ゲストとして、Milo Manara (Borgia), David Lloyd (V for Vendetta), Gilbert Shelton (The Fabulous Furry Freak Brothers), Craig Thompson (Blankets), Enrique Breccia (El Eternauta)などが今回は出席していました。
不況の中、今回のイベントは昨年と比べ地方行政からのサポートが縮小されましたが、ハード・ソフトのゲームメーカーやエレクトロニクス・メーカーの民間スポンサーによって運営・維持できたとのことです。またスペインにおいて出版社のマンガ部門は、デジタル化を急速に進めている部署の一つで、実に94%の出版社が何らかの電子出版方法を持っているとのことです。The Spanish Federation of Editors’ Associations(スペイン編集協会連盟)によると、2010年の出版物では前年に比べ、35.2%減でしたが、唯一マンガだけが32.4%増を記録しました。スペイン・マーケットの特徴として、その広がりを指摘することができます。スペイン国内の他、中米・南米、さらに米国のスペイン語園までその影響は及ぼします。
<記事・写真 Hideto Homma>
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会場に来ていたのは、一般ファン、熱心なファンや将来マンガ家に成りたい様な人達で、
親子、孫連れのおじいちゃん・おばあちゃんも多く、会場は街のストリートを歩いている様な感じだったそうです。
Hommaさん、ありがとうございました!!
しかし、入場者10万人というのに日本からの出展がひとつもないとはショックです!
世界一流のコンテンツを持っていながら海外展開において、韓国・中国の国をあげての国際戦略に比して
大きく遅れをとっている日本・・・歯痒い事態です。