7月27日アニメイト池袋本店で「『愛…しりそめし頃に…』完結巻発売記念
藤子不二雄(A)先生トークショー&サイン会」が開催されました。
舞台の上には、トキワ荘の玄関が。
これはトキワ荘通り協働プロジェクトのH氏の力作。
このような晴れ舞台で使っていただけて、しかもそこに藤子不二雄(A)先生が立たれるなんて!
大変誇らしい気分です。
まず、高野之夫豊島区長がごあいさつ。
西武池袋線椎名町駅の発車ベルが「怪物くん」になったこともあり、
アニメイトさんとも力を合わせて、ますますマンガ・アニメの豊島区をアピールしていきたいと述べられました。
そしていよいよ、藤子不二雄(A)先生登場です。
司会は、藤子不二雄(A)先生の担当をされていた小学館の西堀靖氏。
飲んでいるときにはいつもそばにいるので、藤子不二雄(A)先生のGPSと呼ばれているとか・・・?
たいへん、息の合った楽しいお話を繰り広げてくださいました。
今回は200名の参加者の倍以上の応募があったそうです。会場の96%は男性でした。
アニメイトの1階には、若い女性がいっぱいいたけど、誰も自分には声をかけてくれなかったよと、笑わせてくださいました。
「まんが道」の青春篇という位置づけで、タイトルを「愛...知りそめし頃に...」にしたが、
全編がトキワ荘なので、絵柄としては地味だし、どうやって物語を作るか苦心したそうです。
正統派でやってきたが、しんどくなってきたのでそろそろやめたいと言ったら、担当編集が引き留めてくれなかったと、
笑って話されました。
また、トキワ荘の思い出は、チューダーを飲みながら、マンガ・・・ではなく映画の話をしていたこと、
テラさんについては、話し出したらきりがないということで、
お金以外で困ったことは何もなかったときっぱりおっしゃいました。
3月に手術をした大腸がんのお話もしてくださいました。
がんとわかった時には、お酒も飲めないし、大好きなゴルフも出来ないので、死にたいとさえ思ったそうです。
しかし、漫画家として手術の様子を知りたいので写真を撮ってくれと医者にカメラを渡したそうで、手術は4時間半で終わったが、その後出血がありICUに4日間入ったものの、その後2週間で退院することができ、「異常な回復力」と言われたそうです。
入院中に見た夢について、ジャンプSQ.に描かれていたそうなのですが、
一話目が、ドイツ人に押さえられて、フランクフルトを口に詰め込まれた、
腸⇒フランク⇒ドイツという、連想ゲームのような話です。
二話目は、橋の向こうの朽ち果てたトキワ荘で、みんなが自分を呼んでいて、
橋を渡りかけたときに、姪御さんに揺り起こされたそうです。
藤子不二雄(A)先生が元気に復帰されてホントに良かったです!!
最後にアニメイトについて、全部アニメとマンガというお店があるのは、うれしい限りだと、時代は変わったなという感じで喜んでいらっしゃいました。
その後、質疑応答がありました。
Q 今後どういったマンガを描きたいか
A 今は、ホッとして気が抜けた感じ。シニア向きのものを描きたいが、まだ次という気にはなっていない。
Q 松葉の思い出を
A 30円のラーメンが主食だった。餃子には手が届かなかった。
Q トキワ荘の玄関を再現したのですが、感想を。
A (はじめて玄関に気が付かれた様子で)この辺に下駄箱があって、いつも下駄が入りきらないで、外に飛びでていた。
Q 手塚治虫先生はいつも超人のように描かれているが、現実の裏話などがあれば・・
A 先生には、池袋で映画や食事に連れて行ってもらった。私たちは、先生のファンでマンガ家になった第一号だと思っている。先生がいなかったら、今の私はない!ときっぱり。
いつまでも変わらぬ手塚治虫先生への尊敬の態度を見せて下さった藤子不二雄(A)先生に感動しました。
フォトセッションでは、トキワ荘の門柱に手をかけて、ピースサイン。
お客さんは、会場内は撮影禁止でしたが、ここだけは撮影許可が出てみなさんあわててカメラを取り出します。
と、それを逆に撮影する藤子不二雄(A)先生
最後までユーモラスで楽しい藤子不二雄(A)先生でした。
その後、サイン会も実施されました。
取材の機会をくださいました、アニメイトさま、
小学館の西堀さま、ありがとうございました。
藤子不二雄(A)先生、どうぞ一層健康に留意され、新しい連載を始めてください。
そして、トキワ荘お休み処の完成の際は、ぜひ、トキワ荘通りへ遊びにいらしてくださいネ。