トキワ荘通り協働プロジェクトスタッフで、紫雲荘在住の漫画家、桐木憲一先生のトークショーに行ってきました!
記念館外観
1月26日(土)に宝塚市立手塚治虫記念館で催されたこのトークショーは、宝塚を舞台にしたエピソードを収録した『東京シャッターガール』第2巻の発売を記念したもので、聞き手として宝塚編の取材にも同行された手塚るみ子さんが登壇されました。このブログをお読みの方にはご説明の必要はないでしょうが、るみ子さんは手塚治虫先生のご長女で、プランニングプロデューサーとして活動されています。
トークショーは満席。追加席も用意され、取材の方には立ち見の方もいらっしゃいました。観覧は老若男女幅広く、地元・宝塚の方が多くいらっしゃったようです。
るみ子さんの進行で、『東京シャッターガール』連載開始の経緯、桐木先生とるみ子さんとの出会い、宝塚編誕生のいきさつ、宝塚編取材時の話、桐木先生の宝塚や手塚作品への印象などが語られました。
トークショーのなかからいくつかご紹介します。「“トキワ荘通りを訪れた時のように、夢路歩ちゃんが宝塚を歩いたらどう見るのだろう?”という、るみ子さんの着想から宝塚編が生まれた」「取材時に遭遇したヘビを躊躇なく好奇心のままに素手でつかんだるみ子さんを見て“ピノコがいる!”」「取材時の何気ない会話をマンガのネタとしてうまく採り入れた桐木先生に驚き」「宝塚を実際に歩いて、自然や建物・人から生活観を感じた。この街を歩いてアイディアを練ることもあったのだろう。トキワ荘通りの時と同様に、手塚先生を実在の人物として等身大に思えた。宝塚で生まれ育ったからこそ、手塚治虫は手塚治虫になり、作品にも宝塚での生活が反映されている」。桐木先生が“レトロ”“上品”などのことばを多く使って話されていたのが印象的でした。
質疑応答では「日頃どんな音楽を聴くか?」といった軽いものから、実際のマンガ制作についてのつっこんだ内容のものも挙がりました。背景についての質問が多く、桐木先生も街歩きやカメラを題材にしたこの作品においてはとくに背景も重要な要素だとして、作画面でまだまだ満足していない旨と今後の進化への意欲とを語られていました。桐木先生、期待していますよ!! ちなみに音楽は最近ではPerfume、作業時に聴くものは何でもよいそうでクラシックなども聴かれると答えられていました。
最後に今後の桐木先生のこととして、「東京シャッターガール」のこれからのほか、トキワ荘通り協働プロジェクトでの活動をしっかりアピールしてトークショーを終えました。
トークショー後にはサイン会も開催。桐木先生はひとりひとりと話され、丁寧にサインされていました。今回のトークショーで桐木先生とその作品を知った方も多かったようですが、サイン会に参加される方の多さとそのご表情にトークショーを楽しまれたご様子がうかがえました。
なお、宝塚市立手塚治虫記念館には手塚先生の作品や関連書籍を所蔵する来館者なら自由に閲覧可能な「手塚治虫ライブラリー」が設置されていますが、宝塚編を収録した『東京シャッターガール』第2巻も所蔵していただいています。
トークショーにサイン会、そして絶え間なく受けられていた取材。桐木先生、おつかれさまでした!!
(文;gonpashin 写真;kwgc)
桐木憲一ミュージアムトーク<シャッターガールで街歩き~宝塚編~>
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/tezuka/event.html#kiriki
日時:2013年1月26日(土) 14時開演(15時終演予定)
※終演後、ミュージアムショップで『東京シャッターガール』第2巻を購入された方を対象に、桐木憲一サイン会を開催
会場:宝塚市立手塚治虫記念館 映像ホール(アトムビジョン)
費用:無料(ただし、入館料が必要)
出演者:桐木憲一、手塚るみ子
現実と物語がリンクした新しいスタイルの「街歩きフォトコミック」と呼ばれる「東京シャッターガール」(『週刊ゴラク』にシリーズ連載中)は、高校写真部に所属する夢路歩(ゆめじあゆみ)が東京の知られざる撮影スポットを訪れ、風景や出会った人々を写真に収めていく物語。2011年、作者の桐木憲一と手塚治虫の長女・手塚るみ子の出会いをきっかけに「宝塚合宿編」のアイデアが生まれ、2012年8月3日号から7話に渡り掲載されました。
12月に「東京シャッターガール」第2巻が発行されるのを記念して、桐木憲一と聞き手の手塚るみ子が登壇、「宝塚合宿編」取材のエピソードや「東京シャッターガール」の魅力などを話します。