快読日記

日々の読書記録

「看護師という生き方」宮子あずさ

2015年05月04日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《☆☆☆ 4/19読了 2013年刊 ちくまプリマー新書(筑摩書房) 【日本のエッセイ 看護師】 みやこ・あずさ(1963~)》

看護師への道を考えている中高生がターゲットということですが、もし、わたしが高校時代にこれを読んだら「うわ、自分にはとてもつとまらないわー!」と逃げ出すことうけあいです。

語られるエピソードはどれもすごくおもしろいし、じんとくるし、厳粛な気持ちになる。
しかし、あまりに生々しい人間の姿というのは、本で読むくらいがちょうどよくて、もし知ってる人の目を背けたくなるような言動に触れてしまったらかなりのダメージを受けるはず。
わたしはそういう未熟なやつなんです。
そこへ行くと看護師というのは本当に許容量が大きい人たちなんですね。
いや、経験がそうさせたのだ、という意見もあるでしょう。
だけど、例えば同じ高3でも、好きなことをもっとやりたいから進学!というやつ(それはわたし)と、一生食いっぱぐれない仕事を得たいから看護師を目指すわ!という人と、そもそもの質が違う気がします。
尊敬する。
しっかりした人生に憧れる。

そうだよなあ、そういう人生もあったんだなあ、と、ぬるま湯の毎日にどっぷりつかりながらぼんやり思うのでした。

/「看護師という生き方」宮子あずさ